-雲海から頭を出す高峰- にっこうしらねさん(2578m) 2009年9月27日(日)曇りのち晴れ
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まだ10月にもなっていないのに、那須や奥日光の高い山は紅葉の見頃を迎えてしまったようだ。 奥日光はそれほどよく行く山域ではないのだが、今回は日光白根山(奥白根山)に登ることにした。奥日光には社山という紅葉の名所がある。しかしいくらなんでもそこまで紅葉は下りてきていないだろう。 奥白根山の標高は2500mを越えており、関東地方のみならず本州全体で見ても、特に早く紅葉時期を迎える。
日曜日の朝は厚い雲に覆われていた。沼田ICから国道を走って金精峠めざして山道を行く。 だんだんとガスが濃くなり、一時は視界50mくらいしかなくて、運転を躊躇するほどだった。しかし道沿いの木々は見事に色付いている。 菅沼茶屋ドライブイン横道を少し入ったところに無料駐車場がある。ただし路面はデコボコの砂利だ。朝7時にして車はほぼ満杯だった。 視界を遮るほどのガスはないが、今日もどんよりとした曇り空からのスタートとなる。最近、登山口に着くと登るのに気が滅入るような空模様になっていることが多い。
登山者がどんどん出発する中、自分も行動開始しようとする。と、一眼レフカメラがない。持ってくるのを忘れてしまった。 この紅葉見頃に、なんとも痛い。ここ数年で最大の不覚である。コンパクトデジカメはあるのだが、思った色が出ないので、錦繍の山にはあまり使いたくない。 しかし何も持っていかないよりはいいので、ベルトにつけていくことにする。 林道を10分ほど歩くと、すぐになだらかな山道に移る。ほどなくジグザグの登りが始まる。 下部は針葉樹の森だが、広葉樹も多い。ガスで遠目にはわかりにくいが、このあたりから紅葉はかなり進んでいるようだ。 いったんなだらかになったところには、赤々としたカエデの紅葉が出迎えてくれた。足元に目をやると、色とりどりの落ち葉道になっている。 このような光景を9月中に目の当たりに出来てしまうのは、今年だけのことなのか、それとも紅葉名所の奥日光はいつもこうなのか。
どちらにしても、コンデジでは、画角などに工夫をこらして丁寧に撮影する気にならない。今日はこれ以降、すばらしい紅葉風景を見るたびに、一眼レフを忘れたことのショックと後悔を何度も思い起こすこととなる。 負け惜しみであるが、ガス一色の山であることがカメラを忘れたことへの唯一の救いだ。 しかし、高度を上げて弥陀ヶ池の近くまでやって来ると、意外な展開が待ち受けていた。 樹林の間から、高くそびえる山のようなものが見えているのだ。弥陀ヶ池の広々とした一角に出ると、それこそが日光白根山であることがわかった。 弥陀ヶ池から先は雲上の別天地、何と青空の下だったのである。 弥陀ヶ池の周囲はダケカンバなど、紅葉の盛りになっている。柔らかな日差しと青空が嬉しい。登山口付近の天気からは思ってもみなかったことだ。 真正面に見上げるような日光白根山(奥白根)、そのゴツゴツした山体の縁を回り込むように、登っていく。座禅山との鞍部に上がれば、もう森林限界上となる。 |