おぜがはらからしぶつさん(2228m) 2009年9月5日(土)~6日(日)
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木道を西へ進む。進む方向、至仏山は逆光でシルエットになっている。振り返り見る燧ヶ岳は緑鮮やかな山だ。 夏の花は終わったのにまだ花が多い、エゾリンドウ、ミヤマワレモコウ、イワショウブ、アキノキリンソウなどとにかくたくさん見る。草紅葉と一緒にこれだけの花を見れるとは思わなかった。そして、南北に少し距離を置いたところに点在するダケカンバの林も絵になる。 竜宮現象の木道を一応歩いてみるが、竜宮現象という意味そのものを知らなかった。ちゃんと予習してくればよかったと思う。 一番静かな尾瀬、らしいが人はそこそこ歩いている。尾瀬をこういう時期に最初に訪れる人は、どれくらいいるのだろうか。 水面を見ていたら、ヒツジグサの白い花もけっこういっぱい咲いていた。牛首を過ぎ、至仏山の懐目指しさらに進む。 樹林帯に入り、山小屋の前を通る。3軒あり、一番奥の至仏山荘でテントの申し込みをする。 ここ山ノ鼻のテント場はそう広いものではないが、水道施設も完備されていてテント生活がしやすい。
至仏山荘の売店は、スタッフが食事準備にとられるため、4時から5時まで準備中になる。間の悪い小屋運営だ。書き入れ時の夏が終わったせいか、客に愛想がよくないように思える。 すぐにビールが欲しかったのでその先の山小屋まで行って調達する。 テント場は10張りほど張られ、この時期としては賑わっているほうだろう。この分だと、夏のシーズンは混雑して張れないのではないだろうか。 日が暮れてきた。周回できる散策路に行ってみる。虫の音のみ聞こえる静寂の地。尾瀬ヶ原全体に薄い雲が舞い下り始めていた。
4時前に起きる。食事を済ませてもあたりはまだ真っ暗なのだが、湯ノ小屋までの長丁場を歩ききるためには、出来るだけ早立ちのほうがいい。それでもテント撤収に手間取り出発は5時20分になってしまった。 草地を少し歩いて、至仏山登山口に向かう。上空に低い雲が垂れ込めてはいるが、薄いので青空が透けて見えている。 この山ノ鼻-至仏山のコースは、植生保護のために登りしか使えない。登頂後は必然的に反対側のオヤマ沢田代・鳩待峠側に下ることになる。 登りは最初から木段である。夜は明けたが太陽が雲に隠れて、あたりは薄暗い。圧倒的な静寂が支配する山道。しかしそう冷え込んではおらず、何となく蒸した感じの朝だ。 重い荷物を背負っての標高差800m以上の急登。登っている最中はそう苦しさは感じなかったが、今年はこういった苦行の登りをまだあまりしていない。北ア・双六岳の時も、山頂へは軽身で登っていた。 一本調子の木道の登りに、体力的にはかなり消耗していたようだ。しかしその消耗加減が、脳に伝わっていない。いつものペースで登っていく。 |