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2010年6月5日(土)前夜発
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新宿都庁前 |
22:30 |
夜行高速バス |
5:00 |
御池登山口 |
5:45 |
5:50 |
燧ヶ岳登山道 (引き返し) |
6:20 |
7:00 |
横田代 |
◇ |
8:00 |
裏燧橋 |
◇ |
8:30 |
三条ノ滝分岐 |
◇ |
9:25 |
温泉小屋 |
9:50 |
10:40 |
下田代(見晴) |
11:30 |
12:00 |
竜宮小屋 |
◇ |
13:30 |
中田代 |
◇ |
14:10 |
ヨッピ橋 |
◇ |
14:40 |
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竜宮十字路 (竜宮小屋泊) |
◇ |
2010年6月6日(日)
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◇ |
竜宮小屋 |
7:05 |
7:25 |
下ノ大堀川 |
7:55 |
8:40 |
牛首 |
◇ |
9:05 |
山ノ鼻 |
10:50 |
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(研究見本園周回) |
11:45 |
鳩待峠 |
11:15 |
12:05 |
河童橋 |
◇ |
11:45 |
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鳩待峠 |
14:30 |
高速バス |
21:40 |
新宿駅前 |
◇ |
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翌朝、尾瀬ヶ原は霧に包まれていた。この霧も尾瀬の名物と言われる。外に出てみるとかなりの冷え込み。水芭蕉はカチカチに凍り、潅木の葉には霜が降りていた。
所々で霧が舞い上がり幻想的な雰囲気である。霧はそう深くはなく、至仏山や燧ヶ岳は頭を出している。
燧ヶ岳の肩から太陽が姿を見せると、みるみるうちに暖かさが戻る。霧もうそのように立ち消えた。ここ尾瀬でこそ得られることのできる、いわば「100万ドルの朝景」とでも表現したいくらいだ。
燧ヶ岳から朝日が昇る
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今日は鳩待峠に下る(標高はここより高いが)ので、時間的に余裕がある。澄み渡る空の下、7時過ぎに竜宮小屋を出発する。
下ノ大堀川の水芭蕉群落地はすごい人出だ。友人はここで絵を描くというので、再び周囲を散策する。
今日は昨日と違って、カメラを向けた水芭蕉が日陰になる心配をしなくてすむ。白い苞(ほう)が光るように輝き、沢の流れや青空とのコントラストも鮮やかだ。
緑色の細い葉はニッコウキスゲだという。水芭蕉の次の主役は、すでに準備を始めている。
| 朝霧の尾瀬ヶ原 |
| カメラマンで大混雑 |
| 下ノ大堀から至仏山 |
| 燧ヶ岳 |
| 水芭蕉群落 |
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至仏山がどんどん大きくなる。振り返って見上げる燧ヶ岳もりりしく、近いうちにリベンジすることを誓う。燧の北側には会津駒と思われる高い壁も望めた。
木道を歩く人も半端な数ではなく、おそらく山地でこれほどの多くの人を見たのは初めてだろう。
皆が水芭蕉の群落に表情も緩みっぱなしだが時折、真剣なあるいはこわばった表情で群落地を見下ろす、若い男女のグループとすれ違う。自然観察員の腕章をつけていたが、どういう調査をしているのだろう。
牛首まで来ると、左右の山の斜面が近づいてくる。遠くの山や足元の花ばかり見ていてあまり気づかなかったが、周囲の山稜も目が洗われるほどの鮮やかな新緑だった。春の尾瀬ヶ原を演じるのは水芭蕉だけではない。山、大地、樹林や残雪、花、動物、鳥、あらゆる自然物が見事に調和した偉大な自然郷である。
山小屋や売店の立つ山ノ鼻に着く。奥に遊歩道があるので行ってみる。「尾瀬植物研究見本園」という場所で、至仏山の登山口にも通じている。なお、今の季節は自然保護のため、至仏山の登山は禁止になっている。研究見本園というとなにやら堅苦しい印象を受けるが、ここも見事な水芭蕉の群生地となっていた。
尾瀬ヶ原の木道は少し高いところにあるため、同じ高さの目線で水芭蕉を見られる場所が意外と少ないのだが、ここ自然園は木道も低く、顔を近づけて観察できる。
時間調整ののち、鳩待峠への道に入る。下山であるが、ここ山ノ鼻からは標高差200m近い登りとなる。今回の行程は、昨日歩いた裏燧林道の上田代付近が標高1620mほどで最高点となるが、この下山地との標高差はわずか20m余りである。登下山口の標高よりも低いところに2日間いたという、珍しい体験をしたことになる。山歩きにもいろいろある。
この登り返しの道も大方が木道で、大勢の人の列に呑み込まれての歩きとなった。
久しぶりの樹林の道で、エンレイソウ、オオバキスミレなどを見ることが出来た。水芭蕉も咲いている。
標高は上がるのに気温も上がり、周囲は緑むせ返る低山の雰囲気となる。不思議な感覚だ。昨日から通じて、ここで一番の汗をかいた。
最後は残雪豊かな至仏山を眺めながら、鳩待峠に着く。汗をかいても峠の小屋で立ち寄り入浴できるから、と考えていたのに、ボイラー故障で入浴はできなかった。
今回はいろいろあったが、尾瀬の「宝石」を存分に見ることができ、大満足の2日だった。
尾瀬のバスの時間までまだあるので、木陰に入り缶ビールで乾杯する。新緑のブナ林の中で浴びる日差しは、初夏の到来を思わせる力強いものだった。
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