山の写真集 > 北関東(栃木・茨城) > 金精峠から温泉ヶ岳
  • -奥日光の険しい峠越えの道-
  • 金精トンネル口-金精峠-金精山-温泉ヶ岳
  • 奥日光
  • 栃木県
  • 金精山(2244m),温泉ヶ岳(2333m)
  • 2012年10月7日(日)
  • 5.3km
  • 3時間40分
  • 498m(金精トンネル口-温泉ヶ岳)
  • -
  • -
  • マイカー
天気1

 

地図
2012年10月7日(日)
富ヶ谷ランプ 7:15
  首都高,東北自動車道
宇都宮IC 9:30
  日光宇都宮道路
清滝IC 9:45
  国道120号
10:50   金精トンネル口
11:13 金精峠
11:50 金精山 12:05
12:45 金精峠
13:53 温泉ヶ岳 14:15
14:53 金精峠
15:10 金精トンネル口 15:20
  国道120号,県道64号
16:45 武尊牧場キャンプ場(テント泊)

 

日光白根山の紅葉が見頃を迎えたとのこと。3連休はかなり混みそうなので、隣りの金精峠(こんせいとうげ)周辺の山に登ることにした。
峠から根名草山を越えて日光沢温泉に下る道は紅葉の素晴らしいところだそうで一度歩いてみたいのだが、今回は少し時期がずれている(10月中旬が適期)。途次にいい避難小屋もあるので、それはまたの機会にしたい。今回は寝坊したこともあり、下見のつもりで軽く歩く。

翌日の武尊山へ


金精峠から見上げる温泉ヶ岳(ゆせんがたけ)

金精トンネル口からは、金精山のいかつい岩峰が見上げられる

いかつい岩峰

金精山の登山道に亀裂がありとのことだが、どこだかわからなかった

亀裂あり?

金精峠上部の登山道から見上げた金精山

尖峰を目指す

奥日光の高いところでは紅葉の見頃を迎えた

紅葉見頃

金精山山頂の西側は落葉樹林帯で、紅葉の盛りだった

鮮やかな山頂

雨降る関越自動車道を下りて、日光宇都宮道路に入る。いろは坂を上がり、中禅寺湖からさらに高度を上げるにつれ、周囲の木々の色つきが鮮やかになる。天気も回復し、金精トンネルに着く頃は青空も覗くようになった。
元々は菅沼(すげぬま)駐車場から日光白根山経由で金精峠まで回るつもりだったが、もう11時近くになってまともに山を歩ける時間ではないので、今日はこの金精トンネル口から登る。
すでに車が多く停まっている。金精トンネルは標高1890mの切り立った崖の谷間にあり、上部には金精山の荒々しい岩峰が見える。反対の温泉ヶ岳側も白っぽい岩がむき出しになっていて、紅葉した木々と独特のコントラストを呈している。

登り出すとすぐに丸太の急な階段となる。ところどころで岩混じりとなり、のっけから一汗かかされる。見晴らしのよいガレ場あたりでは、ドライブに来た家族連れも多く見かける。
丸太階段の急登はなおも続く。小ピークから緩く下り、短く登り返したところが金精峠だった。
男根を祀ったといわれる金精神社の小さな建物があり、右(北)は温泉ヶ岳(ゆせんがたけ)から根名草山への尾根道、左は金精山を経て五色沼、日光白根山へ通じている。菅沼からの登山道も上がってきていて、十字路になっている。車道が通じる以前から修験道や交易路としての役割を果たしていたそうである。峠越えとしては、今登ってきた道はかなり険しかったので、もっと別の道があったのかもしれない。

さてどちらから先に登るか。ちょっと気合の必要そうな、金精山から行くことにする。
シャクナゲの葉が多く、紅葉のきれいなヤセ尾根をしばらく行くとだんだんと傾斜がきつくなってくる。見上げる金精山は相変わらず荒々しく、威圧的だ。あの岩塔に登るのだから、道も急傾斜の岩場が増えてくる。
梯子やロープが断続して現れ、さらに足の置き場に注意を要する場所を通過。高度感がありスリリングだ。対面の温泉ヶ岳の丸っこい山容とはまったく正反対である。岩場は前回の荒沢岳でかなり懲りているので、今年はもう易しい山ばかりでいいとも思っていたが、期せずしてまたゴツゴツした山を選んでしまった。もっとも、岩場の難しさは荒沢岳の比ではないのだが。

金精峠から男体山、湯ノ湖を望む

男体山

金精峠付近の紅葉

紅葉

温泉ヶ岳山頂

温泉ヶ岳

金精峠~温泉ヶ岳間はところどころで樹林が切れ、丸沼・菅沼方面の眺めがきく

尾根上も紅葉

金精峠~温泉ヶ岳間の尾根道から望む金精山

金精山

山頂を右から巻くように高度を上げていくと、ようやく斜度が緩み、ほどなくして金精山頂上に立った。さっきトンネル入口から見上げていた岩のてっぺんに今立っているとは、何だか不思議である。
山頂からは湯ノ湖と男体山の眺めがいい。しかしすぐにガスが出てきて見通しが悪くなってしまった。
白根山方面から大きなザックを担いだ人が縦走してきた。念仏平の避難小屋に泊まるとのこと。湯元温泉から登ってきたそうで、五色山~金精峠~日光沢温泉のルートは、念仏平に泊まる計画にすると、長すぎず短すぎずのちょうどよい行程で歩ける。最近、避難小屋泊で縦走するコースがなかなか見つけられないでいたので、これは久しぶりにいいプランである。

金精山から峠に戻る。滑りやすいところを慎重に下る。高度を落とすと再び空模様は持ち直し、温泉ヶ岳がまた見えてきた。ガスが出たときは、今日は金精山だけかなと思ったが、やはり温泉ヶ岳まで歩くことにする。
金精峠に着き、反対側の樹林に入る。こちらの登山道は緩やかで歩きやすく、ガレた場所もほとんどない。眺めはあまり得られないがそれでも時折り、東に西に男体山や刈込湖、菅沼や丸沼方面が見渡せる。オオカメノキ、ヤマウルシ、カエデなど紅葉も鮮やかだ。

高度を上げると落葉樹は少なくなり、オオシラビソなどの黒木が目立ってくる。明るい広葉樹の森や笹原から一転、幽玄な深山の雰囲気に引きずり込まれる。奥日光の高い山の特徴である。
樹林の先に温泉ヶ岳の山頂部が見えてくる。そろそろか、と思っていると山頂を巻く東側の道に入ってしまった。どこかに山頂への取り付き口があるのかと注意してみたが、見つからない。大きく開けた笹原に出て、すでに取り付き口を見逃していたことがわかった。
樹林下に戻ると、温泉ヶ岳への細道を示す標識があった。周囲と目立たない茶色なので、さっきはうっかり通り過ぎてしまったようだ。

細道に入り、10分弱で温泉ヶ岳山頂に到達した。5,6名のグループが入れ替わりで下りていき、しばらくの間山頂を独占する。根名草山方面の眺めがいいが、またしてもガスが山頂を覆い始める。
やがて、金精山で会った人が、一人の女性と話しながら登ってきた。両者とも念仏平避難小屋に宿泊する予定のようだ。自分の持っている古い地図(2001年版)を珍しそうに覗き込んできた。
女性のほうは、金精トンネル口まで車道を歩いて登ってきたそうだ。自分の地図ではトンネル口まで1本の登山道が通っているのだが、今は廃道だと言う。知らずにこの道をあてにして来なくてよかった。やはり地図は定期的に買い換えないといけない。
それにしても山頂でじっとしていると、肌寒さを覚えるようになった。前回の山行、荒沢岳から季節は劇的に移り変わったようだ。

今日はこれから武尊牧場まで下りて、テント泊する予定だ。暗くなってしまうとテント設営が難しくなるので、あまり時間の余裕がない。
来た道をたんたんと戻り、3度目の金精峠通過ののち、金精トンネル口に下山する。観光客ももうずいぶん減った。
トンネルをくぐって群馬側に出る。温泉に入る時間もないので、白根温泉を通り過ぎて下界へ。武尊山の登山口ともなっている武尊牧場キャンプ場までは、車で1時間程度だった。

翌日の武尊山へ