~スリル満点、西上州随一の怪峰~ けなしいわ(1290m) 2008年4月30日(水)晴れ
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東に伸びる岩尾根を行く過程でピークを3つほど越える。ムズムズするような高度感は相変わらずだが、頂上付近にいた時と比べると若干ではあるが心理的に慣れたようだ。 それでも北側の急斜面を、慎重の上にも慎重を期し下る。木が生えているが滑ったら軽い怪我程度ではすまないだろう。アカヤシオもちらほらと咲いてはいるが余り目に入らない。
縦走路の合流点に下り立ち、ようやく一息つく。余裕があればこの先のトヤ山まで足を伸ばしたかったが、時間をオーバーしているためこのまま下山する。 戻るように巻き道を辿り、少し先で道場への下山路に入る。こちらは尾根コースと言われるだけあって、沢沿いの登路よりは踏み跡ははっきりしている。しかしそれも最初だけで、岩稜の歩きになるとやはり道が消滅気味になる。 尾根の左右の低いところに道がつけられていたり、急峻な岩峰を巻いたりしてなかなかタフな下山路である。指導標やテープは、登路よりも少し多い。 アカヤシオ咲く岩峰の展望台に上がると、毛無岩が青空にそびえていた。足の親指から小指までの部分に似ている。これを見ると、昨日の笠丸山はほんのミニ岩峰だったなと思う。また進行方向にわだかまる大屋山もどっしりとして、なかなかかっこいい。
高度を下げると穏やかな自然林の道となる。ゴツゴツした山並みのシルエットをバックに、新緑が瑞々しい。アカヤシオは意外と少なく、ミツバツツジが所々で見られる。 再び岩稜の道となる。登山路はこの先のヤセ尾根にさらに付けられているように見えるが、「山」の標石があるのでここで尾根を外れ、左の暗い植林帯を下っていく。ここには特に指導標はなく踏み跡も薄い。標石の手前で尾根を外れることをあらかじめ知っていなければ、このまま尾根伝いに行ってしまいそうだ。
ここからの下りは急だ。一時は踏み跡も見失ってしまったが何とか道に戻る。ブリキの指導標を見るとほっとする。 沢に下りて対岸の道を進む。ようやくはっきりした登山道を歩けた。やがて朝見た堰堤工事の音が聞こえてくる。 赤い橋を渡り、登り返すと道場集落の坂道に出た。家の軒先で休憩中の地元のおじさんと挨拶する。初夏のような陽気の中を歩き駐車場所に戻る。 とにかく無事に戻れてほっとした。台風の影響が残っていたとはいえ、これほど道不詳の山に登ったのも久しぶりである。今日はまさに自然にどっぷりとつかった1日だった。 それにしてもついに一人の登山者にも会わなかった。いくら平日とはいえゴールデンウィーク、しかも一番いい季節なのにこれは意外だった。西上州にも多くの人が入る山とそうでない山があり、その差が極端であることは東京周辺の山と同じようだ。 あまりゆっくりしている時間がなくなってしまった。温泉があるかと思って勧能まで足を伸ばしたが、すぐ近くにはなさそうだ。温泉はあきらめて、下仁田ICから高速で東京に戻ることにする。 |