2021年4月24日(土) | |||
◇ | 練馬IC | 3:37 | |
関越自動車道 | |||
◇ | 小出IC | 6:03 | |
国道352号 | |||
6:30 | 桑原山(湯之谷)登山口 | 6:37 | |
7:25 | 桑原山 | 7:32 | |
8:15 | 涸沢山 | 8:27 | |
8:50 | トヤの頭 | 9:15 | |
9:50 | 駒の頭 | 10:12 | |
11:18 | 登山口 | 11:25 | |
国道352号,253号他 後山ブナ林公園,二六公園散策立寄り |
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◇ | 六日町IC | 15:05 | |
関越自動車道 | |||
17:39 | 練馬IC | ◇ |
越後・魚沼の山も雪解けが進み、低い所では新緑と花が見ごろになったようだ。
4月は、過去に大力山に2度登っている。今回はその近くにある同標高の尾根歩きをしてみようと思った。湯之谷を起点とし桑原山からトヤの頭、駒の頭を経て戻ってくるコースだ。
このルートは笠倉山にも接続しており、大力山から縦走することもできるが、少し距離が長くなる。十日町市のブナ林公園にも行きたいため、この周回コースにした。
感染対策には細心の注意を払い、地元の人との接触をなるべく避ける。少なくとも麓の町では車から出ないようにする。そのため食料なども現地調達せず、東京から持っていくことにした。
タムシバ咲く稜線から越後駒ヶ岳を望む [拡大 ] |
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真夜中の2時台に出発。登山口は高速出口から近いと言っても、家からは3時間半もかかる。小出ICを出たのが6時。
魚沼の町は静かで、車からは朝の散歩をしている人を数人見かけただけだった。周りの山は、標高500m程度にもかかわらず残雪が見える。そもそも街中にも、日陰にはまだ雪が残っていた。ソメイヨシノも咲いている。
湯之谷けんぽセンターの先、テニスコート脇に登山口と駐車スペースがある。すでに千葉ナンバーの車が停まっていた。支度をしていると、地元の人と思われる車がもう一台。夫婦で、おはようございますと話しかけられた。会話は遠慮したかったが、会釈して答える。
「遠くから来ました」と言うと、すぐに「そうですね、隣の人も千葉ですね」と。さっき入ってきたときしっかり車のナンバーを確認されていた様子。やはり県外ナンバーは少し注目される。でもこれは今の時期だから特に、というわけではない。こんな小さな里山は普通、地元の人しか登らないはずだから、東京などから車で乗りつけたりすると余計目立つのだ。
駐車場の前に2つの登山口がある。手前の桑原山登山口から入る。奥の笠倉山登山口に下山してくる予定だ。
神社の杉林にはまだ雪がたくさん残っているが、登山道は除雪されていた。急坂を登っていくとすぐに日当たりの良い場所に出て、雪は消える。タムシバ、オオカメノキ、マンサク、イワウチワ、ショウジョウバカマといった春の花がさっそく見られる。ユキグニ?ミツバツツジ、イワカガミ、キスミレ、ナガハシスミレも。
登りが一息ついたところに新緑の葉をたくさんつけたブナがあった。何だか最初の20分くらいで、今日期待していたものがすべて見れてしまった感じがする。
鳥目当と書かれた標識がある。ここの地名だろうか。
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さらに少し上がると今度はカタクリが群落を作っている。まだ朝6時台だ。普通カタクリは日が高くならないと花を開かないはず。ここはもう日差したっぷりだから開いているのだろうか。不思議と言えば不思議だ。背後には、魚沼の町と田んぼがいっぱいに広がっていた。
大力山は始めのうち、少しヤブっぽい暗い部分を歩いていくが、ここ桑原山は最初から全開である。こんな山を今まで存在も知らず、登っていなかったのがむしろ悔しい。
タムシバは下のほうでは終わりかけだったが、高度を上げているときれいな純白の花がたくさん見られた。その数は半端ではなく、遠目には残雪と見間違うくらいである。
左手には、今日登る予定の駒の頭越しに、黒禿の頭~笠倉山の稜線。その上に、朝の斜光を受けて大きく姿を現したのが越後駒ヶ岳だ。あまりの絶景に息をのむ。
展望と花満載のヤセ尾根は次第に傾斜を増す。ロープが垂れ下がる急斜面は、両側に木がなく雪が残っていると下りなどはやっかいだ。
桑原山山頂に到達。久しぶりに見た魚沼の山からの風景を前にして、不思議だが懐かしい。残雪の越後駒、北側には唐松、権現堂山。その後ろの真っ白は守門だろう。
先を行く。シャクナゲが早くも開花、タムシバも相変わらず多い。イワウチワは白、ピンク交互に群落で現れる。稜線はブナ林が続く。ハウチワカエデ、ホオノキ、ミズナラも見られるが、高木はほとんどがブナで占められていた。
すでに新緑たけなわで、先週東京の高尾山で見た同標高程度の森林と比べて、開葉のペースは同じくらいか少し早いように見える。さっきのカタクリの早起き開花もそうだが、植物は、気温が高いほど開花・開葉が早いということでは必ずしもない。
ソメイヨシノの開花前線は南から上がっていくけれども、植物の開花・開葉の時期を決める決定的な要素は、気温や日照時間以外に、もっと別にあるのではないか。
ヤセ尾根状のところにはコブコブの大ブナがあった。
涸沢山も桑原山と同じく、眺めのいい山頂。南側の雪山は越後駒のほかに中ノ岳、八海山もいつの間にか見えていた。周囲の眺望はさらに広がり、斜面には残雪とともにブナ新緑の峰走りが至る所で見られる。
少し長めの緩い登りでトヤの頭へ。ここも大展望。登山道は分岐点になっており、駒の頭コースと鳴倉山へのコースに分かれる。右手に数年前登った鳴倉山が少し低い所に見える。
さっきの人が後から追いついてきた。今日はコシアブラを採りながら歩いているとのこと。山菜は、自分には全くわからない。
また、八海山・中ノ岳・(越後)駒の越後三山は、それぞれの頭の文字をとって「ハナコさん」とも呼ぶらしい。今まで気がつかなかった。いろいろ楽しい話を聞かせてもらったが、地元の人と言葉を交わさないという最初の決め事は、守ることができなかった。
なおトヤの頭は、ここより少し先のピークに山名標識があったようだが、今はこの分岐点が山頂となっている。
トヤの頭から急降下して鞍部からすぐに緩く登り始める。今日のルートは、稜線に上がってからはきつい登り下りこそないものの、平坦な場所の歩きも少ない。
次第に残雪の上を歩くようになる。この時期の魚沼の低山は、日当たりの良い稜線は雪がほぼなくなっているが、谷場は1m近く残っていることもある。ブナ林は根元部分が円型に雪が解け、根明けと言われる状態になっていた。
きつい登りはなく、雪道に慣れていれば何てことはない。しかしこの冬の雪山は谷川岳を歩いただけで、こういう残雪の山は初めて。若干ぎこちない歩きになる。
本日最後のピーク、駒の頭に着く。山頂近くにコシアブラがあったので、山頂にいたさっきの人に言ったら、それはコシアブラではないと笑われてしまった。そう言われてみるとたしかに色とか葉の形が違う。
毒ではないかもしれないが、やはり山菜は正しい知識が備わってないと危険だ。
大力山方面からここ駒の頭へ登ってくる人も何人かいた。時間と体力次第で、大力・笠倉山を絡めた縦走も面白そうだ。今日はこれで下山とする。
下山路は少し急な場所もあるものの、展望もよくマンサク、タムシバなど木の花もいっぱいだった。イワウチワやカタクリもあちこちで見られる。最後まで見どころいっぱいのコースである。
下山地点には水道施設があり、笠倉山登山口の標識が立てられていた。駐車スペースまで数分。無駄な林道歩きがなく、効率の面でもすばらしい今日のコースだった。
魚沼の低山は今までもっぱら坂戸山、大力山ばかりだったが、今回こんないい山を発見できた。今後の山選びに、またひとついい選択肢がが増えたことになる。
駐車スペースはもう7~8台停まっていた。千葉ナンバーはもういなくて、県外は自分の車だけになっていた。午前中に下山できたので、この足で後山ブナ林公園と二六公園にも立ち寄っていくことにする。
小出の市街地ではセルフのガソリンスタンドに寄るとき、車から出てしまった。軽自動車なので、東京から往復するには出発時は満タンでも少しだけガソリンが不足するのだ。
2つのブナ林公園を見学した後は、東京まで寄り道せずに帰る。