●谷川岳山頂から西黒尾根を下る
草原状の谷川岳山頂直下
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新潟側はなだらかな斜面で、谷川連峰主稜や茂倉岳に続く稜線が気持ちよく伸びている。反面、東側は絶壁だ。
高度をさらに上げるとマチガ沢、一ノ倉沢上部の峻険な岩塊が視界に飛び込んでくる。高度感もすごい。北アルプス稜線の非対称山稜を思わせる。
山頂直下の肩の小屋も大渋滞。トイレにも列が出来ている。まずは双耳峰のひとつ、標高1963mのトマの耳に登る。視界360度のピークから俯瞰する谷川岳・連峰の山の大きさ、形とも素晴らしい。周囲の展望も見事で、すぐ隣りにはオレンジ色の山肌の朝日岳、奥に燧ケ岳・至仏山・平ケ岳などの尾瀬の山、皇海山・白根山・赤城山など、いつもとはちょっと顔ぶれの違う眺めが得られる。
肩の小屋と谷川連峰の主稜線
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山頂直下の眺め
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谷川岳(オキの耳)山頂
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さらに稜線を歩いてオキの耳・標高1977mへ。こちらのほうがやや広めの山頂。アップダウンの多い西黒尾根、その向こうに天神平のレストハウスが遠望出来る。
ここは夏に肩の小屋泊まりでぜひ縦走したい山だ。しかしこの谷川連峰は、天候に悩まされることが多い。周囲にアルプス級の高山がないため日本海と太平洋側気候との分水嶺となっている。そのため両気象条件がぶつかり合い、他の回りの山は晴れていてもここだけはガスが出ている、なんていうことが多いそうだ。
東尾根の紅葉
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天気が良ければこれほど爽快な稜線はない。都心から日帰りで高山の雰囲気が味わえてしまう。
下山は西黒尾根を行く。登りの天神尾根のように行列とまではいかないが、この尾根を下る人も多い。前半は眺めのいい、険しい岩稜を下って行く。急傾斜の鎖場が断続する。左側にはマチガ沢から突き上げる東尾根の岩塊が紅葉で飾られている。
ガレ沢のコルから少しの登り。両側の斜面に紅葉がきれいだ。その後は樹林帯をどんどん下る。途中、ヤマウルシの葉が鮮やかな赤色を見せている。
西黒尾根の紅葉
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西黒尾根の紅葉
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高度を下げると周囲の木々の葉も緑色が多くなって来る。標高差のある西黒尾根は、上部・下部とで紅葉の進み具合が随分違う。
ちょうど4時にロープウェイ駅に到着。バスがまさに発車するところ。その後も電車の接続が良く、東京着が7時過ぎ(特急水上8号利用)。紅葉も展望も楽しめた、効率の良い日帰り登山の1日だった。
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