2012年4月30日(月)前夜発 | |||
◇ | 練馬IC | 17:05 | |
関越自動車道 越後川口SA泊 |
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◇ | 長岡IC | 6:55 | |
国道8,351,352号 | |||
7:50 | 市営牧場駐車場 | 9:05 | |
10:55 | 友遊小屋 | 11:00 | |
11:15 | 三ノ峠山 | ◇ | |
11:55 | 観鋸台 | 12:45 | |
13:20 | 三ノ峠山 | 13:25 | |
13:47 | ブナ平 | ◇ | |
15:00 | 瞑想の森 | 15:50 | |
16:00 | 駐車場 | 16:05 | |
県道8号,136号 麻生の湯立寄り |
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18:45 | 中ノ島見附IC | ◇ | |
北陸自動車道 日本海東北自動車道 |
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19:20 | 新潟亀田IC | ◇ | |
国道403号 | |||
19:30 | ベストイン新潟南(泊) | ◇ |
昨年に続き、今年のゴールデンウイークも新潟の山を巡った。長岡市の三ノ峠山、阿賀野市の五頭山、胎内市の高坪山である。
長岡市には市の南東部に「東山」と呼ばれる山稜があって、地元の人が登る低山がいくつも存在する。三ノ峠山(さんのとうげやま)もそのひとつだ。
山頂三角点にカタクリが咲いている |
展望台から |
オオイワカガミ |
萌黄色と桜色 |
トキワイカリソウ |
スミレサイシン |
カタクリ |
エンレイソウ |
キクザキイチゲ |
長岡というと、長岡駅やインターチェンジのある海に近い、標高の低い地域を連想し、積雪もさほど多くない印象がある。しかし市町村合併の結果、栃尾や川口など日本有数の豪雪地域も長岡市に含まれた。市民に親しまれている鋸山は標高700mを超える程度だが、冬は多量の積雪となる。
関東に住む者がいつもの近くの山に登る感覚で出かけようものなら、とんだしっぺ返しを食う。おまけに全国区ではない山のため登山ガイドやネットで情報を得づらい。今回の三ノ峠山も、直前まで正確な登山口がわからなかった。
それだけに、このような地元の人しか知らない山をいろいろ調べて、登る計画を立てるのに最近は楽しさを見い出している。登山を始めたときのようなワクワク感がある。
今回も、新潟在住のぽぽさんにいっしょに歩いてもらえることになった。
そして地元の二人の方も参加してもらえた。みな写真が好きで、ふつうなら3時間コースのところ、花の写真を撮りながら丸1日かけて歩き、とても楽しい1日を過ごすことができた。
長岡ICで関越を下り、国道を走って長岡市の東側に横たわる山稜を目指す。
市営牧場を過ぎたところの広い駐車場に着いたが、集合時間まで1時間があるので、鋸山の登山口である国道352号の終点まで行ってみることにした。しかし途中で積雪のため通行不可となっていた。
ここ数日は暖かい日が続いてはいるものの、今年の雪の量が半端でなかったことがわかる。花立峠から鋸山や、長工新道も歩いてみたいところだが、次回の楽しみにする。駐車場まで引き返す。
群落地 |
眺めよい道 |
オオバキスミレ |
ナガハシスミレ |
観鋸台から |
テリハタチツボスミレ |
新緑の尾根道 |
ユキバタツバキ |
マキノスミレ |
メンバーが揃って出発。男性二人とは初対面だった。
登りのコースは赤道コースという。芝地の緩やかな斜面を上がって木製の展望台に上がる。長岡の町並みが一望できた。
道は整備され、場所によっては園地化されている。最初からみずみずしい新緑の道で、桜も満開である。ナガハシスミレ、オオタチツボスミレ、トキワイカリソウが入れ替わり立ち替わり群落を作っている。特にイカリソウはまさに鈴なりだ。
この地域のイカリソウは色が白で東京周辺の山で見るようなピンクのものは見かけない。新潟の山の花というと、関東甲信で見る同種のものよりずっと色鮮やかなのだが、これだけは例外のようだ。
またオオイワカガミも咲きはじめている。さらにマキノスミレ、スミレサイシンも。とにかく新潟の山は雪解けすると一斉に花が咲く。
今日は全員がカメラマンで、なかなか前に進まない。やがてこの山のお目当て、カタクリも現れた。ぽぽさんが1週間前に登ったときは満開だったそうだが、今はやや見頃を過ぎている。ただこれから標高を上げていけばちょうどいい時期のものもありそうだ。
桜咲く新緑の山肌を見ながら登っていくと、今度はキクザキイチゲの道となる。色が濃くて雪割草と間違えそうなものもある。カタクリとキクザキイチゲを交互に見ながら、時たま残雪を踏む。500mもない低山にまだ雪があるとは驚きだ。東京の人がこの時期に新潟の山に登るときは、標高を1500mプラスして考えた方がいいらしい。
友遊小屋に着く。地元の有志の方が建てた小屋だそうで、ぽぽさんの知り合いらしい。昨年登った猿毛岳にも、登山者の建てた小屋がある。こういう、山を身近なものにできているところがところが東京の登山者にしてはうらやましい。
小屋からすぐに三ノ峠山山頂となる。三角点の回りはカタクリの群落になっている。雪が溶けて間もないと見られ、花が若い。真ん中から白い芯のようなものが出ていなければ若いカタクリだそうだ。
山頂は樹林に囲まれているので、この先の観鋸台まで往復する。引き続き花がいっぱいの尾根を歩く。坂戸山の大城小城のようなカタクリ群落を形成しているようなところもあった。
さらに進むと四方が開け、残雪を従えた鋸山や南蛮山など標高600~700mの尾根の眺めがいい。長工新道に雪が残っているかはわからなかった。
観鋸台は尾根上の一角だった。正面に鋸山が大きく望めるのでそういう名前がついている。しかし何と読むのだろう。「かんのこだい」でいいのだろうか。
ここからさらに尾根を歩けば萱峠に至り、花立峠を通ってこの鋸山へ縦走できるのだが、1日コースとしては長すぎる。食事をしながら、写真や新潟の山の話に花が咲く。
それにしても、ここまでカタクリやオオバキスミレはもう、あたりまえのように咲き続いていた。今の季節の新潟の山は、どこもこういう感じなのだが、東京周辺の山とのあまりの違いにいつもながら驚く。
もちろん高尾山や大菩薩など、東京周辺にも花の名所は多いし、花の種類の数で言えば、そう変わるものではないのだが、カタクリひとつとっても、花の数というか花畑のスケールが違うのだ。
三ノ峠山に戻り、下山はブナ平を経由するコースを行く。
赤道コースと違い、こちらは細い道で急なところが多い。しかし花の道は続いた。男性のメンバーがコシアブラを採り始める。春の新潟の山は山菜採りの山でもある。登山より山菜が目当てで登ってくる人のほうが多いくらいだ。
再び鋸山が大きく望める場所、ブナ平に着く。立派なブナが1本、新緑に染め上げられていた。さらに下っていくとユキツバキの群落が目を奪う。ぽぽさんによるとユキバタツバキという種類だそうだ。
下りていくにつれ、曇り勝ちだった空にも日の光が強く差し始め、気温が上がってきた。陽気に誘われたか、ギフチョウがひらひらを後を追ってくる。
公園の遊歩道のようになった山道を下り、瞑想の池から若干の登り返しで、朝の展望台に戻ってきた。長岡の町を見下ろしながら最後の休憩をし、駐車場に下りる。
2012年新潟の山旅は、花・展望・新緑、そして地元の人たちとの楽しい語らいでとても充実した、楽しい1日で始まった。翌日はぽぽさんと五頭山に登る予定だ。この日は新潟駅近くまで車を走らせ、ビジネスホテルに宿泊する。