山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 > 大蔵山から菅名岳
-圧巻のブナ林と残雪の稜線-
タイトル
いずみの里-大蔵山-菅名岳-小山田登山口
山域越後
地域新潟県
標高大蔵山(864m)、菅名岳(909m)
山行日2011年5月4日(水・祝)天気1
沿面距離14.0km
歩行時間6時間
標高差846m(いずみの里登山口~菅名岳)
宿泊ホテルニューグリーン燕三条(前日泊)
温泉さくらんど温泉
交通マイカーHome



2011年5月4日(水・祝)

燕三条駅前21:00
 県道1号、67号
国道290号他
8:00いずみの里駐車場
8:10登山口
8:45階段コース入口
9:00四合目9:05
9:35八合目
9:55大蔵山10:05
11:10菅名岳12:55
13:43椿平
14:20小山田登山口
14:50小山田ヒガンザクラ15:00
16:00いずみの里駐車場
 国道290号、県道7号他
さくらんど温泉立寄り
18:15 新津IC
 磐越自動車道
北陸自動車道
関越自動車道
20:00 小出IC
 国道17号、352号
20:15小出駅前
 小ホテルオカベ泊


関連リンク
ぽぽさんのブログ
五泉市
にいがた観光ナビ
さくらんど温泉


Home



燕三条のビジネスホテルから1時間あまり、いずみの里の駐車場に入る。五泉市に来るのは初めてだ。標高も低く暖かい。付近の田んぼは田植えも近そうだ。
今日は大蔵山から菅名岳に登る。ここは新潟の低山の中でも、とりわけブナ林の美しさで有名である。昨日と同じくぽぽさんと車で待ち合わせた。

昨日の猿毛岳から望んだこれらの山に雪はなさそうに見えたが、近づいてみると斜面には白い部分が多い。ネットでの数日前の記録では、九合目より上は雪道とのことだ。
今年初めに購入した長靴を、初めて使うことになるかな?と思ったが今日はけっこう長い距離を歩きそうなので、やはり歩きなれた登山靴にした。ちなみにぽぽさんは長靴、また他の登山者の足元を見ても、登山靴・長靴の割合は半々といったところである。


大蔵山への登りは豊かなブナの新緑道

駐車場から林道を少し歩き、沢を渡る。梅雨時はヤマヒルがいるようなので、登山適期は新緑の今や紅葉の時期ということになる。

登山道は何本かあるが、早くに尾根に取り付ける「階段コース」を選ぶ。階段コースと言っても、階段は最初だけであとは尾根歩きである。ぽぽさんいわく「今日は花ではなくブナの新緑」で、確かに足元に花は少ない。たまにスミレを見るのみ。しかし視線を上げるとすでにブナの若葉が目の前に広がっている。

いずみの里登山口
階段は最初だけ
若葉がきれい
芽吹きの木々
八合目より上は残雪
縦走路を行く
残雪の稜線

昨日の袴腰山同様、ブナの生育帯が関東甲信の山とは全く違う。ここは標高300mくらいですでにブナの森である。対して、奥多摩や丹沢のブナは標高1000mを越えたところにあって、それより下はカエデやツツジ、ミズナラ・コナラのほか、杉・檜の植林帯ということが多い。
ブナは他の広葉樹林に比べて芽吹きは早く、ここ新潟の300m付近では4月下旬にはもう新緑の時期となる。昨年の堀之内の御嶽山も同じだった。東京周辺の山の場合、新緑はだいたい5月中旬。ゴールデンウィークではブナはまだ芽吹かない。新潟の山のほうが新緑は早いのである。

太陽光にキラキラと輝く若葉を眺めながら、四合目・五合目と快調に登高する。今日は黄砂の影響で遠くの山は霞み気味なのだが、今登っている大蔵山・菅名岳、尾根続きの鳴沢峰あたりの山肌はよく見える。
高度を上げるにつれ、それらはだんだんと雪をしたためた光景に変わってきた。新緑の尾根も次第に芽吹き程度になり、七合目あたりからは雪を踏むようにもなる。
九合目の標柱は雪の重みで曲がっていた。雪と土の登山道を交互に踏んでいく。冬の姿に戻った樹林も次第に少なくなり、道が斜度を失うと大蔵山の頂上に着いた。
頭上に大きな雲がのしかかり、風もあって寒い。展望は360度だけれども、黄砂でほとんど遠望が利かない。本当なら粟ヶ岳や磐梯山なども見えるはずと言う。川内山塊の稜線すらおぼろげだ。
頭上は青空なので、黄砂はちょうど山を望む高度付近に、集中してよどんでいるのだろう。

菅名岳への縦走に入る。大蔵山からすでに菅名岳の山頂は見えている。
稜線は一面が1メートルほどの雪に覆われている。樹林はあっても低い潅木程度で、ちょっとした冬山アルペン気分に浸れる。これでスカッとした晴れの天気なら文句ないところだ。

急な下りもないわけではなく、慎重を期す部分もある。ぽぽさんは展望がないのを残念がっているが、自分としてはこれだけの雪を踏むとは思っていなかったため、展望よりも歩くことに夢中になっている。
1時間と少しの雪上歩きの後、菅名岳に到着。多くの登山者で賑わっている。
山頂へ
菅名岳山頂
飯豊連峰現る
残雪の山々
巨樹もある
ブナ林続く
田植えが完了

眼下に見えるのは阿賀野川。初めのうちは360度霞んでいた眺めも、粘っているうちにだんだんと山が浮かび上がる。飯豊連峰の大きな壁もにじみ出てきた。
ここからは、奥多摩の石尾根のようにうねるような山並みの眺めが楽しめる。蒜場山、二王子岳、白山も豊富な残雪をしたため、堂々どっしりした姿でいる。

ずいぶん長い時間頂上にとどまっていた。登山者もおおかた下山していった。丸山尾根を下る。日が高くなり気温があがったのか、上部は雪解けでグチャグチャである。急坂を慎重に下って、雪のないところまで来る。再びブナ新緑の回廊。どこまでもブナの純林である。
そしてこの尾根は今、イワウチワが開花のピークを迎えていた。昨日の袴腰山よりすごい。やはりこの季節、新潟の山に登って花を見ないはずがない。ブナ林、残雪、展望、花と四拍子揃ってしまった。

椿平を過ぎ、2つめの分岐も見送って、ブナの森はさらに続く。小山田登山口への急階段はちょっときつかった。
下山後、小山田のヒガンザクラというところに行ってみる。桜は終わりだがシラネアオイの群生地があった。

あとは眺めよい田園道を歩いていずみの里へ戻る。菅名岳が大きく、今日歩いた新緑の尾根がよく見える。
いくつかの田んぼでは田植えが始まっている。ゴールデンウィークのさなか、家族総出で作業に当たっている。おじいさん、おばあさんも、小さな子供も、金髪のにいちゃんも。皆張り切っている。
菅名岳から下る途中、ぽぼさんは実は、二つ目の分岐でいずみの里側に下山するつもりだったようで、結果的にかなり遠回りになってしまった。けれど、そのおかげで田植えの風景を見ることが出来た。
植えられたばかりの苗は小さい。もう少し日が経てば、青々とした田畑の水面に、緑の菅名岳がきれいに移るだろう。新潟平野は山がよく似合う場所である。

さくらんど温泉に立ち寄り、ぽぽさんとはここでお別れとなる。2日間ありがとうございました。

これから明日のために、魚沼の小出まで車を飛ばす。この2日間で写真を400枚も撮ったので、SDカードに空きがなくなってしまった。こんなことは初めてだ。国道沿いのカメラ屋でカードを購入してから高速に乗った。小出への到着は夜8時を過ぎた。