山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 > 長森山から六万騎山
-名峰に見守られた南魚沼の里山-
タイトル
山崎鼻登山口-長森山-六万騎山-地蔵尊登山口
山域越後
地域新潟県
標高長森山(538m)、六万騎山(320m)
山行日2011年5月5日(木・祝)天気1
沿面距離6.6km
歩行時間3時間15分
標高差393m(地蔵尊登山口~長森山)
宿泊小出ホテルオカベ(前日泊)
温泉五十沢温泉 萌気園さくり温泉健康館
交通マイカーHome



2011年5月5日(木・祝)

小出駅前6:30
 国道17号他
7:10地蔵尊登山口7:20
7:47山崎鼻登山口
8:57392m四等三角点
9:20長森山9:55
10:35長峰分岐
10:55六万騎山11:15
11:30地蔵尊登山口
 県道28号、233号他
さくり健康館立寄り
13:25 六日町IC
 関越自動車道
18:30練馬IC


関連リンク
ぽぽさんのブログ
南魚沼市観光協会
にいがた観光ナビ
五十沢温泉 さくり温泉健康館


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越後の山巡り、3日目は最初、前年体調不良で登るのを諦めた鳴倉山を考えていた。
湯之谷庁舎のライブカメラでは、この山が真正面から映されている。それを見ると今年は雪解けが大変遅く、5月になってもまだ白い部分が多い。雪解けが中途半端なので登山はまだ危険が伴うかもしれない。大丈夫かなと思っていたが、ぽぽさんも同じ見立てだった。
南魚沼の山にひとつは登っておきたかったので、いろいろ検討しているうち、ぽぽさんが数日前に歩いた長森山から六万騎山の尾根道が面白そうに映った。ぽぽさんもこのコースはお薦めというので、歩いてみることにした。

六万騎山はカタクリの群落地でバスツアーもくるくらいだが、長森山から縦走してくるコースはまだ新しく、土地の人以外にはほとんど知られていない。六万騎山~長森山の尾根道はその先、堂平山・猿倉山と高まり八海山まで長い尾根を形成している。このコースは新ハイキング誌4月号に掲載されている。


カタクリの葉で敷き詰められた尾根道。踏まずに歩くのが大変

前夜は小出のホテルに泊まり、7時過ぎに五日町に到着。六万騎山の地蔵尊登山口に車を停め、もう一方の登山口まで歩いていく。

車道から少し入った、民家や田畑の間に伸びる細道を歩いてみる。目に前には巻機山の白い山体が大きい。
朝の新鮮な空気を胸いっぱいに吸う。魚沼はお米もおいしいが空気もうまい。左手には田畑の向こうに、これから歩く尾根筋がぐるりと見渡せる。

雪山を見上げながら
長森山
魚沼の風景
イワウチワ
若葉萌ゆ
芽吹きの色
イカリソウ
ユキツバキ鮮やか
長森山山頂

「車屋」という酒屋の脇から登山道が始まる。山崎鼻登山口というらしい。尾根末端からこのコースは登り始める。このときは特に、標識というものはなかった。
登山道に入ると、地面が柔らかい。あまり人が入っていないということだろう。すぐに現れるカタクリも、尾根の真ん中に咲いていたりするので、踏まないように注意しながら歩く。4等三角点を見て、高度を少しずつ上げていく。
周囲の木々は明るい萌黄色。今日は黄砂の影響もなく、山々の眺めも気持ちいい。マルバマンサクやタムシバも青空に映える。下に見える、白煙を上げている建物は八海醸造である。

わかりやすいヤセ尾根の1本道でさほど急なところもないが、だらだらの登りはそれなりのきつさを感じる。岩っぽい急な 下り道にはイワウチワが多く咲く。
やがて再び4等三角点の標柱。ここは392m地点だろう。
雑木の尾根道を登っていくと、正面に白いギザギザの雪山が顔を出している。八海山であろう。足元にはピンク色のイカリソウが現れた。

尾根がやせてちょっと恐いところを過ぎ、ひとしきり急登するとちょっとした小広い平坦地に出る。さらに登って長森山山頂に到着した。
山頂はとても狭く、2,3人でいっぱいだろう。八海山のほかに金城山の眺めもいい。また、隣りには坂戸山の薬師尾根もよく見える。
ここからさらに登っていく方向には踏み跡さえもないが、堂平山・猿倉山と峰は続き、その奥に見える八海山までつながっているようである。長森山の山頂に腰を下ろしていると、八海山や巻機山など越後の名峰に見守られているような気がする。

金城山を望む
八海山も
イワナシ
雪がまだ残る
段差の連続
賑わう山頂
遠く守門岳
カタクリ群落
六万騎の地蔵尊

六万騎山へ向かう。長森山からの下りは急坂である。イワウチワがまた現れるが、急な上に尾根がやせているので気が抜けない。尾根に沿ってつけられている鉄柱がグラグラしていて、ちょっと気味が悪い。
踏み跡ははっきりしているので、道が落ち着けば鼻歌も出るような雰囲気のいい尾根歩きである。やや左手に見える六万騎山がだんだん近くなる。

六万騎山に着くまで、おそらく誰にも会わないだろうと思っていたが意外や意外、人が登ってきた。木の長い杖を突いたおばあちゃんだ。その後ろに3名の男性。地元新潟の人、というよりはこの近所の人と思われる。
この後最低鞍部に下って、やや登り返すと長峰からの道が合わさる。

そこから先、小さな段差をいくつも登り下りする。これは昔の土塁とか空堀とか言われ、城郭に攻め入る敵の侵入を遅らせるために、盛り土などをしてわざと作られた段差である。六万騎山も昔は城郭があった。
昨年登った同じ魚沼の大力山の板木城址方面にも、同じ様な段差の道があった。また山梨県甲府の要害山では、山頂がぐるりと土塁で囲まれている様子が見られた。

六万騎山頂まであと一息、といったあたり。カタクリの葉が異様に多い。やはり登山道としてまだ踏み固められてないせいか、尾根の真ん中にところかまわず葉が出ている。また、ここ一帯は昨年まではヤブだったようで、刈り払いされて日当たりがよくなったので急にカタクリの葉が増えたのかもしれない。
もしそういう新しいカタクリだとすると、花はしばらく見られないはず。カタクリは世に生を受けた最初の数年間はを土の中で、あるいは一枚葉だけで過ごす。花を咲かせるのは2枚葉になった7,8年後だからだ。

六万騎山の直下は、短いが両手を使っての急登である。ロープも張られている。人の声が聞こえだすと六万騎山山頂の端っこに登りついた。目の前に柵で囲われた群落地がある。
もう少しだけ歩いて、眺めのある山頂部に出た。山桜や新緑も彩りを添え、春爛漫の六万騎山には多くの人、人、人。気持ちのよい山頂である。北方面も開けていて守門岳が望めた。

下山路には、いくつものカタクリ群落がある。まだ花期は過ぎておらず、ボリュームのある群生地を見ることができた。
地蔵尊登山口に下山。田園地帯の中を運転して、五十沢温泉・さくり健康館で汗を流す。八海山や巻機山方面の眺めが良い田園地帯にある温泉施設である。素泊まりも受け付けてくれるので泊まりたかったのだが、ゴールデンウィークということもあって、昨晩は満員だった。

帰りの高速は渋滞していたが、これはしょうがない。3日間、新潟の山を存分に楽しむことができた。今年はこれで3回目だったが、あと何回来るだろうか。暇と金さえあれば、新潟は毎週でも来てみたい土地である。