~季節移ろう上越の秀峰~
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まきはたやま(1967m) 2006年8月20日(日)~21日(月)

清水~井戸尾根~避難小屋~巻機山
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前巻機山と、滝雲流れる朝日岳への山稜(割引岳から)
前巻機山と、滝雲流れる朝日岳への山稜(割引岳から)

●割引岳を往復し下山

2日目の天気予報はよくなく、曇りのち雨の予報。夜中はずっとガスっていた。雨も降ったようである。
しかし朝起きて窓を開けると、巻機山の稜線があった。青空も見える。割引岳から展望がどうやら得られそうだ。

御機屋から今日は左折して緩く下る。鞍部付近はコイワカガミやダイモンジソウなどが咲く草原の道。

ヌクビ沢分岐を分けて、三角錐の斜面を登る。割引岳(1931m)に到着である。一等三角点のある頂上からは、霞んではいるものの360度の展望が広がる。巻機山本峰へののびやかな稜線も一望される。


割引岳

秋色めくのびやかな稜線

割引岳頂上

清水集落

前巻機越しに朝日岳へ続く稜線には滝雲が流れ落ちる。北方には裏巻機の稜線がくねくねと続いている。金城山へは尾根続きで見えているが道はあるのだろうか。
そして越後駒や中ノ岳くらいの距離になると霞んで見えづらい。

背後に太陽の暖かさを感じる。天気の良いのはここまでであった。鞍部に下って花の写真を撮っているうち、ガスがたちまち周囲の眺めを隠し始める。最後は乳白色の眺めの中を、小屋に戻ることとなった。

荷物をまとめ、8時過ぎに避難小屋を出る。前巻機山を越えるあたりで、もう登山者とすれ違う。聞くと4時半に麓の宿を出発したそうだ。

前巻機山からは長い下りの行程となる。時間的にはかなり余裕があるので、各合目標柱で時間をとって休憩する。
やはり標高を下げると暑さはにわかにぶり返してくる。ブナ樹林帯を過ぎ、日差しの戻る中を桜坂登山口へ戻る。 先のご夫婦はすでに下っていた。


コイワカガミ

ダイモンジソウ

山菜だらけそば

バスまで時間があるので清水集落の上田屋で昼食をとる。ここは食堂があるので日帰り客も入りやすい。
「山菜だらけそば」は、そばがみえないほど蕨や蕗などの山菜が山盛りで乗っている。

宿のご主人によると、今年は清水の集落でも積雪が最高で650cmを記録したそうだ。窓の外に見える神社の屋根を軽く超える高さである。
積雪量も想像の域を超えるが、それほどの雪が8月になると跡形もなく消え去ってしまうのも東京に住む人間にとっては信じがたいことだ。

巻機山に関する書物を読んでいるうち、外はザーッと強い雨が降って来た。青空とジメジメした空気、突然の雨。夏の山間地の天気は気まぐれである。

そしてそれは次の季節への移行期が近いということだ。上越の山の短い夏が、今目の前を駆け足で通り過ぎようとしている。


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