山の写真集 > 中央線沿線 > 新緑の高尾山
  • -輝くライトグリーン-
  • 金比羅道-1号路-高尾山-4号路
  • 中央線沿線
  • 東京都
  • 高尾山(599m)
  • 2021年4月18日(日)
  • 9.0km
  • 3時間15分
  • 388m(高尾山口-高尾山)
  • -
  • -
  • マイカー
天気1

 

2021年4月18日(日)
調布IC 6:18
  中央自動車道
八王子IC 6:32
  国道20号他
6:55   高尾山口駐車場 7:00
7:20   ろくざん亭登山口
7:45   金比羅台
8:05   ケーブル高尾山駅 8:20
8:27   薬王院
9:05 高尾山
9:10 紅葉台 9:20
9:38 4号路-いろはの森合流点 9:43
9:58 4号路吊り橋
10:22   霞台展望台
10:42   高尾病院
10:55 駐車場 11:00
  国道20号他
11:30 八王子IC
  中央自動車道
11:47 高井戸IC

 

高尾山は、4月の中下旬になるとスミレも終盤となり、ヤマザクラそして新緑の季節となる。
今回登ったルートは、随所で木々の芽吹きと新緑があまりにも瑞々しかった。山は、紅葉と違って新緑の楽しめる時期は長いものの、感動するほどきれいな時期はやはり限られる。この時がまさにそのタイミングだったと思う。


ケーブル駅近くのブナの新緑 [拡大 ]

山肌は萌黄色になっていた

山肌は萌黄色

ろくざん亭近くの登山口

登山口

金比羅台から、都心方面を一望

金比羅台から

ケーブル高尾山駅のブナは、保護のためなのか包帯のようなものでぐるぐる巻きにされている

痛々しい

高尾山頂への道は人が行き交う

山頂へ

高尾山頂には五輪のモニュメントができていた

モニュメント

この時期にしては、富士山も比較的はっきり見えていた。紅葉台から

富士山も

4号路の吊り橋。下の谷から伸びる木のてっぺんが左右によく見える

吊り橋


高尾山口駅近くの駐車場から、車道沿いに歩く。民家の軒先にはホオノキが花を咲かせていた。山肌は明るい萌黄色になっている。
ろくざん亭の奥にある登山口から入る。金比羅道とも呼ばれていて、自分はこの道を一番多く歩いている。1号路は人が多い反面、こちらは里山の雰囲気があって静かで、しかも最初から土の道である。急なところはない。
コナラやアオキ、杉や照葉樹の雑木林が続く。途中でウラジロガシの大木が見られると、すぐ先が金比羅台の展望台となる。関東平野が一望されスカイツリーも見える。

ケーブル高尾山駅まで舗装道歩きとなる。高尾山歩きを日課にしている風の、手ぶらの中年の人が何人も下りてくる。
ケーブル駅の手すり際にブナとイヌブナが並んでいる。10mくらい下から太い枝を何本も四方に伸ばしている高木で、もう老樹だ。眺望を確保するためか、ブナは枝が切られて痛々しい。しかしここは木のてっぺん(≒林冠。木の葉が日に直接あたる部分)を見ることができる。高木の成長点を観察できる、貴重な場所である。
普通の山では、梯子をかけて登るとか、ドローンでも飛ばさなければこういうのはお目にかかれない。3年前はブナの開花がここで見られた(木の花は多くが林冠で見られる)。芽吹いたばかりのライトグリーンの葉が眩しい。

久しぶりに1号路を行く。スミレはほとんど終わり、見られるのはタチツボスミレくらいだ。半月ほど前、あれほどたくさん咲いていたナガバノスミレサイシンやマルバスミレは今や影も形もない。やけに大きくなった葉だけがその存在を記しているのみだ。
浄心門薬王院と朝からそれなりに人は多い。コナラやイロハモミジも新緑。クロモジの花は今が盛りだろう。

高尾山頂にはオリンピックの五輪のモニュメントができていた。こんなのを作っちゃったら、もう中止などできないだろう。そういう思惑というか、意思の表れなのだろうか。

チドリノキの芽吹き。これでもカエデの仲間。

チドリノキ

カラスザンショウの芽吹き。高木なので林冠はなかなか見られない

カラスザンショウ

ミズキが開花していた

ミズキ

新緑となった高尾の森。霞台から

高尾の森

下山地点のケーブル清滝駅

相変わらず賑やか


青空が気持ちよく、富士山や丹沢山塊もよく見える。まだ朝9時なのでそれほど人は多くない。いつもこのくらいだったら来やすいのに、と思うがお昼くらいには銀座の歩行者天国みたいになる。

一昨年くらいから高尾山に足しげく通うようになった。その前もネットの仲間とスミレ観察会をしたり、会社で登ったりもした。けれどこの山にブナがあることを知り、登る回数が増えた。何度も通ううちに、この山の樹木や山野草の種類の多さを再認識するようになった。
500m台の低山にして、これほどまでの自然の宝庫は、南関東の山には他にない。花や木について興味が出ると、高尾山から離れられなくなる。

今の自分にとって高尾山はスルメのようなもので、噛めば噛むほど味が染みて、しかも飽きない。今年だけでもすでに6回登っている。
もっとも、自然の宝庫としての高尾山は、高尾山頂を取り巻く比較的狭いエリアに限られている。江戸時代から明治にかけて、薬王院周辺の自然が幕府・政府や寺院により厳しく保護されてきたからだろう。景信山~陣馬山への縦走路や南高尾、北高尾山稜まで足を伸ばすと、梅林やハナネコノメなどの見どころはあるが、山の魅力という点では、若干他の山域の山と比べるようになってしまう。

今日は昼食も持ってきていない。紅葉台に行って小休憩し、下山とする。北面の4号路を歩きいろはの森と交差。美人ブナを見ていく。梢あたりで開葉していた。今年は開花はないようだ。
4号路を下っていく。吊り橋では、様々な木のてっぺんを見ることができる。ここも貴重な場所である。チドリノキ、カラスザンショウ、ミズキ、フサザクラなど。
少し前まで殺風景だった吊り橋周りが、わさわさと賑わいを取り戻しつつある。チドリノキの芽吹きは初めて見た。生命力みなぎる図である。

1号路に戻り、霞台展望台から南面の下山路に入る。今の時間から登ってくる人と多くすれ違う。高尾病院に下り立ち、車道を歩いて駐車場に戻る。