~展望の頂上に住み着く犬~ たかがわやま(976m) 2005年9月10日(土) 曇りのち晴れ 7:53中央線初狩駅-8:10シイタケ栽培地-8:25男坂・女坂分岐-8:50合流点9:00-9:13高川山9:55-10:20中谷・古宿分岐-10:50古宿集落-11:20富士急行線禾生駅 歩行時間:2時間40分 |
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残暑厳しい中、1000mに満たない山に登るのは苦行に近い。しかし今日は青春18きっぷ使用期間の最終日で、さらに翌日から塩原の山に登るので、ここは手頃な山ということで中央線沿線の高川山に出かけた。
富士山の展望で有名になった高川山だが、まだ登ったことが無い。大月市が選定した「秀麗富岳12景」(18座)のうち、唯一登り残していた(「秀麗富岳12景」のページを新設)。 JR駅から1時間余りで登れるので、冬の日の早朝、富士山の撮影によさそうだ。 初狩駅から出発。ガードをくぐって墓地の横を緩く登る。 初狩出身の作家、山本周五郎の著の説明がある。明治時代に大規模な土石流があり、多数の人命が奪われたと言う。穏やかそうな土地に見えても、自然がひとたび牙をむいたときの恐ろしさは今も昔も変わらない。 沢コースを分けるところがしいたけ栽培場のある登山口。しばらくは檜林の緩い登りだが、次第に急坂に変わる。低山とは言えど標高差400mあまりを1時間半でこなすので、それなりにきつい登りだ。 男坂・女坂分岐に着く。右の女坂を取る。見たところ男坂はかなりの急登のようだ。女坂は山腹を回りこむように進むが、この季節は下草がかなり茂っている。ムシムシしているので汗が噴き出す。 登山道のすぐ脇に、直径5センチはあろうかというでかいヘビがいる。マムシではないようだ。この季節の低山では、毒ヘビと蜂に注意が必要だ。 急坂を経て、男坂と合流する。もう少し進むと尾根に上がり、道もすっきりする。休憩によさそうな場所で腰を下ろす。空気も少しカラッとしてきて、しのぎやすくなる。 ここからは傾斜も緩まり、気持ちのいい雑木林の道がしばらく続く。
やがて頭上が開け、高川山頂上に出る。今までの鬱蒼とした樹林の中から、ポンと飛び出るような印象だ。狭い頂上だがほぼ360度の展望が得られる。 天候も回復してきて、道志から丹沢の山々が眺められる。富士山は惜しいところで雲に隠されている。しかし低山らしからぬ広い眺めを楽しみながら、しばらく休息する。しかし昼食にするには早すぎる時間だ。 山頂には何故か、白の首輪をつけた犬が一匹、のんびりと休んでいる。まるで山頂に住み着いているかのように、いやに落ち着き払っている。 ネットで調べたら、どうやらいろんな人が見ているようである。「ビッキー」という名前もついているらしい。
気の向いた日に麓から登って来ているのか、山頂に住んでいて、登山者から食べ物をもらって生きているのか。人気のある山だから意外と食いっぱぐれることはないのかも。 しかし素振りを見ていると、誰かが登って来るのを待っているように見える。もしかしたら、ここ高川山頂上に捨てられた犬なのかもしれない。 山梨日日新聞の記事 犬に別れを告げ、禾生駅方面に下る。田野倉に下るコースもあるが、今日は最短コースをとる。40分あまりで林道に出て、じきに古宿集落に下り立つ。 草に埋もれた馬頭観音がある。傍らにはツユクサが青い花をつけている。この花を見れば秋の訪れもそう遠くない。今日はTシャツでの登山だったが、もう半月もすれば長袖が必要になるかもしれない。今年の夏も終わってしまったと実感する。 禾生駅へはさらに30分ほどの車道歩き。駅着は11時20分。時間だけ見るとあっけない山登りだったが、いろいろ印象に残るものも多かった。よく晴れた冬の日に再登したい。 |