~大月市随一の秀麗富士~
タイトル
たかがわやま(976m)
2006年1月9日(月・祝) 快晴

7:00中央線初狩駅-7:23登山口-7:55合流点-8:20高川山9:10-9:15古宿分岐-9:50田野倉分岐-10:15天神峠-10:25峯山10:35-10:55オキ山-11:20むすび山11:35-11:45登山口-12:00大月駅
歩行時間:3時間45分

マップ
盛夏の高川山 Home


2006年最初の山は、富士山の展望を期待して高川山にした。今年の干支にちなんだ犬の名のつく山は思い浮かばないが、高川山には頂上に犬が住み着いている。戌年の1山目としてふさわしい。

高川山から富士山
高川山から富士山

大月市の朝の気温は氷点下7度。日本海側は大雪で気の毒だが、関東甲信越の太平洋側は逆に、今年は雪が極端に少ない。しかし朝夕の寒さはかなりのものである。

初狩駅から歩き出し、山へ向かう林道を上がっていくと、犬の出迎えがあった。頂上の犬とは違い、白っぽい柴犬だ。しばらく自分の後をぴったりついて来る。
振り返ると、朝日に赤く色づく中央線北側の山々。犬はいつの間にかいなくなっていた。

登山口から急坂を登る。雪はない。昨年8月の時は女坂をとったが今日は男坂に入る。急登が続くが距離はそれほどでもない。

夏と違って樹木の先に南面の展望が得られる。遠く空が厚い雲に覆われている。あれは富士山方向だろうか。冬の高川山で富士山が見られなければ、楽しみは半分以下になってしまう。そういえば今日は朝から、上空に雲が多かった。久しぶりにザックに納めてきた三脚は無用の長物か?

高川山から富士山
高川山から富士山
高川山から富士山

傾斜が緩み、女坂からの道と合流する。自然林を透かして、大きな富士山が鎮座していて驚く。曇っていたのは丹沢方面だった。
緩い登りを経て、大展望の高川山頂上に飛び出る。頂上の犬ビッキーは健在だった。

前回は拝めなかったが、やはり高川山からの富士山は端正で素晴らしい。丹沢・前道志方面、甲府盆地方面は雲が出ているが、南アルプスの白い頂も望める。ハマイバ丸、黒岳といった南大菩薩もすっきり望める。
この3連休、多くの人は昨日登っていたのか、今日は意外と人は少なく5,6名が頂上を行き交うのみ。ビッキーはお気に入りの岩の上に乗り、次の登山者が登ってくるのを首を長くして待っている。

下山は東に伸びる尾根を行く。エアリアでも最近になって実線表示された比較的新しい登山道で、大月駅まで歩いて戻れる。
快適な尾根を少し行くと禾生駅・田野倉駅への分岐(古宿分岐)、そこから数10m登ると再び田野倉駅方面を示す指導標がある。この指導標は都留市のものだった。
ここは尾根を直進する方向も明瞭な道が伸びているように見える.。大月駅まで行くのだからなおさら直進したくなるが、ここは地図を見て田野倉方面に折れる。急な下りで所々ロープが設置されている。
なだらかになってくると雨乞池への道を分ける。するとすぐに田野倉駅への道が分岐しているが、ここは直進。大月市の指導標があり、直進は「むすび山」を示している。都留市と大月市の指導標が入れ替わり出て来る。

道はすっきりしていて歩きよい。コナラの多い細尾根で、南面を中心に広く伐採されており展望がよい。右手に田野倉あたりの住宅地、左には中央高速や中央線北側の山が見下ろせて快適である。しかし富士山は高川山の陰になって残念ながら見れない。

天神峠の「おてんじんさま」
天神峠の「おてんじんさま」
南面が開けた尾根
南面が開けた尾根

新しい登山道ということで、かなり手が入れられているようである。所々で伐採した木をそのまま放置してあって、やや殺伐としている。展望がいいのは歓迎だが、伐採したのが見え見えのところを歩くのはあまり好きではない。
中央線沿線、特に南側の山塊は、倉岳山東の寺下峠を境に大月市と上野原町とで分かれるが、両者を比べると人の手の入り方がずいぶん違う。矢平山あたりは自然林にしろ植林帯にしろ、ありのままの感じがして歩いていて落ち着ける印象がある。もっとも展望に恵まれる箇所は少ない。
しかし何にも手入れせず放置しておくと、かえって山は荒れてしまうとも聞く。自然の保全保護という意味ではどちらがいいのかはわからない。

「おてんじんさま」と書かれている祠のあるあたりが天神峠。さらにこの付近は花咲トンネルの上らしい。
展望の稜線をなおも進んで峯山(584m)への登り返し。富士山が少しだけ見えてくる。田野倉の家並みを見下ろしながら休憩する。正面の九鬼山が大きい。
昨年暮れ、菊花山の下りの馬立山西尾根から見えた稜線はこのへんだったのかと納得する。
峯山付近は南面が皆伐され、さえぎるもののない展望である。進む先は、今歩いている尾根道がS字カーブを描きながら平地に没しているところまで見通せてしまう。

急で滑りやすい下りを経て展望の尾根をなおも行く。アカマツが点在し始める。ベンチのある箇所を何度か過ぎて高度を落とす。途中一箇所、倒木が行く手を阻み難儀する。

行き着いた先がアンテナ塔の立つむすび山(463m)である。もう大月市の裏山といった感じである。真正面の三角形は菊花山だ。
立てられている説明板によると、ここは「大月防空監視哨跡」といって、太平洋戦争中敵機の来襲を監視するための見晴台として使われていたそうだ。眺めのいいのは今も変わらない。
大月市街を隔てた反対側に見える岩殿山も、戦国時代の武田一族の城郭だったわけで、このあたりは戦いの砦として山が役割を果たしていたという歴史があるようだ。

カタクリの咲くという斜面を10分も下ると、もう登山口である。民家の前で犬に待ってましたとばかりに吠えられた。今日は登り出しと頂上、そして下山時と3度も犬に出会い、戌年を象徴する1日だった。
市民病院の先で大月橋を渡り、15分ほどで大月駅に着く。


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