スリルある岩場の下り
タイトル
浅利-稚児落し-岩殿山-丸山公園
山域 中央線沿線
地域 山梨県
標高 稚児落し(591m),天神山(596m),岩殿山(634m)
山行日 2010年4月4日(日) 曇り
沿面距離 8.2km
歩行時間 3時間20分
標高差 277m(大月駅-岩殿山)
宿泊
温泉
交通 中央線
Home
地図

2010年4月4日(日)
新宿駅 7:35
中央線特快
8:18 高尾駅 8:20
中央線
8:57 大月駅 9:25
10:15 登山口
10:45 稚児落し 10:55
11:14 天神山 11:24
11:45 兜岩
12:42 岩殿山 12:55
  (丸山公園)  
16:55 大月駅 15:13
中央線
17:42 高尾駅 17:58
中央線特快
18:41 新宿駅


関連リンク
秋の岩殿山
大月市


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4日は望さんからの誘いで、岩殿山花見オフに参加した。6年前の秋に登ったきりごぶさたの山である。
いかつい山容とはうらはらに登山道は穏やかで整備され、登り口の丸山公園や山頂は地元市民の憩いの場となっている。この山はぜひとも山頂で、桜をバックに富士山を見てみたい。

大月駅で集合する。メンバーは望さんの他、かずさんDAMACHOさんsanpoさん奥沼津メンバーに加え、柴犬ポコとポコママ、(運転手の)にゃん太さんという面々。


稚児落しから、岩殿山(左奥)への稜線

初狩駅方向に歩き、路跨橋で線路の向こう側に渡る。浅利まで車道を歩いていく。今日は前回と違い、浅利の登山口から入り、稚児落し側から岩殿山まで縦走するコースをとる。

中央線の車窓からも、歩く車道も桜はほぼ満開状態になっていた。今日もまた雲が厚く気温は低いが、山にも里にも冬期の張り詰めた空気はなくなっている。

川沿いに歩いている道すがら、土地のおじさんに声をかけられる。この先の吊り橋が登山口で、川にはヤマメが見られるという。たしかに吊り橋はあったが、稚児落しの登山口なのだかはっきりしない。記憶ではもう少し先だったと思う。
川を覗き込んだがヤマメはわからなかった。

大月駅から歩く
明るい雑木林の登り
スリルある岩場
ミツバツツジ
柴犬ポコ

「浅利の千本マツ」の指導標のところで右手の小道に入り、すぐに橋を渡る。吊り橋ではない。左に上がる分岐を見送り道なりに進む。左手に民家を見た先が登山口。前回の記憶と一致した。

メンバー一列になって登りはじめる。道はよく整備されている。足元にはたまにスミレを見るが、木々の芽吹きは始まっておらず周囲はまだ冬の姿である。急登でも植林ではないの明るく、つらさはない。
すぐに稚児落しからの稜線が見えてきたがそこからは意外と長く、なかなかあの特徴ある岩棚にたどり着かない。大月市街地や浅利住宅なども見下ろせ、風が通り気持ちがいい。しかし富士山は雲の中。
ミツバツツジを何箇所かで見る。今年初めてだ。まだ咲いたばかりなので色鮮やかだ。

表面の硬い岩棚に上がり、少し行くと稚児落しとなる。
足元の断崖絶壁、その先の大月の町並み。絶壁はこの先、弓なりに回り込むように稜線を形作り、岩殿山に続く尾根道に引き継がれている。ここから見る岩殿山への稜線はアップダウンがあり豪快だ。
まだ、この場所からはやはり富士山を見たいのだが、この天気では前回同様無理そうである。

しばらくは眺めのいい稜線となる。振り返ると稚児落しの大岸壁。これを登ろうとするクライマーはいるのだろうか。いるとしたら、上から丸見えなので大注目を浴びることだろう。
右後方に高川山を見ながら、若干の登り下りを経て天神山へ。その先もミツバツツジが点々と咲いている。モノクロの木立の中よく目立つ。

稜線を北側から巻き、薄暗い樹林帯を抜け出ると道は二手に分かれる。直進は林間コースだが、右手の急登に取り付き、兜岩ピークを経由する。
兜岩に立つと、岩場の下りが待っていた。垂直というわけではないが、下のほうが見えないくらいの急斜面だ。6年前も通過しているのだが、あまり覚えていない。そのときは登りだったので、普通の岩場の登りとしてそれほど印象に残っていないのかもしれない。
しかし今日はここを下る。下りのほうがよっぽど難しい。下のほうからも何人も登ってくる。前にいる人が小石を蹴り落とし、下から登ってくる人の頭に当たる。順序よく声を掛け合って登り下りしないと、つまらない怪我をしてしまう。
幸い足を置く場所は見えたので、どうしようもない下りではなかった。
メンバーの柴犬ポコは果たしてこれを下れるのかと思っていたら、やはり途中で引き返してさっきの巻き道を行くことにしたようだ。やはり犬はこの下りは無理である。犬だけではない、他の動物も無理だろう。ロープを使える人間だけが下ることが出来る。
下りを終えたところからも、右手が切れ落ちたトラバースが続き緊張する。ここは前回歩いたときの記憶がある。

ヤマブキ
絶壁から見下ろす
大月市街地
丸山公園から

さらに進み、再び尾根コースと巻き道コースに分かれたので、今度は巻き道のほうを行くことにする。
色鮮やかなミツバツツジを見ると、こちらのコースにもロープのかかった岩場があった。傾斜が緩く短いのだが、下りだとそれでもちょっとしたスリルがある。
尾根コースと合流するとやがて築坂峠。ここには左右から道が上がってきていて十字路になっている。
岩殿山目指しての登りに転じる。ヤマブキの鮮やかな黄色が芽に飛び込む。天候不順で季節の進みが遅くても、山を歩いて、次の季節を示すサインにひとつでも触れることが出来れば上々である。

急な登りの後、岩殿山への分岐に入る。土の道からコンクリートの階段に変わった登山道を一気に上がと、岩殿山山頂となる。園地風に整備された山頂にはカタクリが花をつけているが、日差しがなく気温も低いので、開いたものはない。
鉄柵のある南側のふちに立つと、遠望はきかないものの足元はくっきり、ぞくぞくする眺めが得られる。蛇行する桂川と中央線、大月市街地が広く見渡せる。

下山路途中の丸山公園で花見をするので、いったん登山口まで下山して、メンバーの車から道具を引っ張り出して丸山公園に登る。岩殿山山頂から見下ろした丸山公園は、登山口からほんの少し上がった所にあるように見えたが、実際はかなりの登り返しだった。
公園内の高台は花見の特等席だが、吹きっさらしの場所なので、今日持ってきた防寒着をすべて着込む。。靴下も2枚重ねにする。望さんが早朝から準備してくれたり、鍋や材料を持ってきてくれたメンバーもいたおかげで、楽しい花見オフ会をすることが出来た。
なお桜の咲き具合はというと、4~5分咲きといったところか。ここが賑わうのは来週だろう。

寒いと酔いの回るのが早いのか、暖かくなろうとして飲むペースが早すぎたのか、かなり飲んでしまい、最後はちょっとふらつきながらの下山となった。
大月駅から中央線、山手線と最寄駅に近づくにつれ酔いは回ってきて、自宅にたどりついた記憶がない。ザックには何故か焼酎の一升瓶が入っていた。