~富士を見る頂からのロングラン縦走~ がんがはらずりやま(1874m) 2004年11月13日(土)晴れのち曇り 7:35金山鉱泉-7:55登山口-8:45金山峠8:50-9:00百軒干場-9:40奈良子林道-10:00姥子山東峰10:10-10:30白樺平-11:10雁ガ腹摺山11:50-13:05金山峠13:15-13:50大岱山13:55-14:25セイメイバン14:40-15:10桜沢峠-15:20高ノ丸-15:35トズラ峠-16:05稚児落し16:15-16:35浅利車道出合-17:10大月駅 歩行時間:8時間10分 |
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さてこれから、長い下りの道に入る。大岱山、セイメイバンを経て尾根をひたすら南下、できれば遅能戸(おそのうと)バス停に直接下りれるトズラ峠まで歩いてしまいたい。 金山峠まで戻って今度は東に進路をとる。目の前のモサッとした塊が大岱山(おおぬたやま)のようだ。 スイッチバックするようなジグザグの登りのあと、金山鉱泉への道を分ける。このへんは指導標も多い。 さらに上がると「何となく山頂」のような場所に出る。大岱山は二重山稜のようになっていていくつものピークがある。どこが本当の山頂なのだか判然としない。 幸い指導標と赤テープがあり、それに従って行くと大岱山頂上(約1180m)の標柱に行き着いた。傍らには樹齢300年という白ブナが鎮座している。 日が完全に翳ってしまい、やけに寒い。早めに行動に移る。
以後しばらくは赤テープが頼りになる区間もあるが、じきに尾根通しの道ははっきりする。なだらかで快適、そして自然林の多い道だ。これこそ尾根歩き、との感がある。 高度を下げると紅葉も戻って来た。途中から送電線に沿った道となる。 送電鉄塔の立つ場所は眺めがいい。この道はところどころで展望も開けるのだがすでに空は分厚い雲で覆われてしまっている。見えるはずの富士山も、青空もとうの昔に雲の中だ。 穏やかな道が続き、登ったという感覚のほとんどないままセイメイバン頂上(1006m)に到着。 この奇妙な山名は、陰陽師の安倍清明から来たものである。こんな地味な山にそういう名前がついていることに不思議さを感じる。頂上は樹林の中だが三角点がある。少し休憩。 セイメイバンからは少し急な下りとなる。黒いゴム製のペコペコした階段が随所にある。大月市の山で、送電鉄塔の近いところでよく見かける階段だ。送電鉄塔は15分に1本の割で出会う。 さらに穏やかに下り続け、祠を見るとすぐに桜沢峠に行き着く。昔人が行き交う情景が想像できる、峠らしい峠という印象を持つ。 金山民宿村に下る道が分岐している。少し先で奈良子方面に通ずる踏み跡もあるのだが、そちらのほうは木で通せんぼしている。指導標もそちら方面を明示していない。
この尾根で初めてといっていいほど、はっきりとした登りとなる。高ノ丸を過ぎて日影方面の眺めが開けるとじきに車道の乗っ越すトズラ峠に到着。意外と早く着いてしまった。 まだ時間も体力も残っている。ここまで来れば尾根を歩き通してしまいたい。さらに先に進むことにする。 トズラ峠から先は小さなピークが連続する。最初のピークは勢いで越え、次のピークは根性で登る。すると、さらに高い所が見えていてそこは惰性で越える。岩尾根の通過もありなかなか変化のある楽しい道だ。 眺めのいい鉄塔基部、そして「富士山景勝地」なる場所を過ぎると何となく中央線沿線の雰囲気が(気のせいかもしれないが)感じられるようになる。高川山や三ツ峠山、雲を被った滝子山の姿も目の前だ。 道はどんどん下って行き、ついに稚児落しのL字角に到着してしまった。まさかここまで来れるとは思っていなかったのでうれしい。 時刻はもう4時近いのだがここはゆっくりと体を休める。長時間縦走をした後の稚児落しからの展望は素晴らしく、昨日と同じ眺めではあってもやはり格別である。 昨日と同じ浅利への下山路を行く。車道に下り立ったのはもう4時半。日没の時間は過ぎたようだ。少し待てば1日4本のバスが来るようなのだが、ここはやはり大月駅まで歩き通したい。 昨日今日の山を回想しながら、迫り来る夕闇の中を大月駅に向かう。5時を告げる町内放送の音楽「夕焼け小焼け」が町中に響き渡る。今日は久しぶりに心ゆくまで歩いた。明日間違いなくやってくる筋肉痛も心地よい痛みと感じるであろう。 |