~温泉の街から芽吹きの森へ~ だいぞうきょうじやま(715m)からようがいさん(780m) 2007年4月7日(土) 晴れのち曇り 8:15石和温泉街-8:35石和温泉駅-8:45物部神社-9:35落石防止壁の上-9:45展望台9:55-10:20大蔵経寺山10:35-11:05・813m地点-11:30・906m地点11:35-12:05・951m地点-12:20大岩園地分岐-12:50岩堂峠13:05-13:20深草観音-13:55要害山14:10-14:35要害温泉16:44-[バス]-17:15甲府駅 歩行時間:5時間15分 |
少し休んで稜線の縦走に入る。ここも一般的な登山道ではないが、地図を見る限り高低差の少ない、地形も比較的わかりやすそうな尾根歩きになりそうだ。 あとはヤブがあるかどうかだったが、それほどのことはなく、しっかりした明確な登山道が伸びていた。ただし指導標はなく道自体も単調なので、コンパスと高度線のわかる地形図は携行したほうが良いであろう。 少し高度が上がると周囲は冬枯れ状態に立ち戻るが、それでもクロモジの芽吹きやマメザクラなどが見られる。 緩やかな登りが始まり、813m地点を過ぎると右にはっきりした分岐を見る。しかしこの先からは地形に特徴がなく、906m付近がどこか、地形図と符合しない。東側に伸びる破線の道は認められなかった。
若干のアップダウンの先に「鳥獣保護区」の赤い標識が立っていた。左折は「三ツ石 横根方面」と標識に手書きされているので、ここは951m地点のすぐ西側の十字路とわかる。ただし右折方向の踏み跡はよくわからない。 813mからここまで、地図で見るより長く感じた。 十字路から20分ほど進むと分岐となり、ここで初めてはっきりした指導標を見る。直進は大岩園地、ここは右折し岩堂峠方面へ進む。 ここの指導標は大蔵経寺山への縦走路向けというよりも、むしろ大岩園地-岩堂峠間のハイキングコースのためのものであろう。 地図上の登山路は989.8m三角点および1042m地点を通っているが、実際はいずれも右から巻いていて道そのものは平坦である。太陽はいつのまにか隠れてしまい1000mに満たない稜線でもさすがに寒い。 キブシの多い場所を過ぎ、ヤブレガサを今年初めて見る。1042m地点を巻くあたりでは「岩堂峠ハイキングコース」というマツダランプの古い看板が地面に立てられていた。一昨年兜山から下ってきたときに見たものと同じである。昔はよく歩かれていたコースなのであろう。 緩やかな登りが続き、西に折れるあたりではアブラチャンの多い道となる。 やがて岩堂峠(いわどうとうげ)に到着。指導標が立ち、右折は兜山西側の林道に下るコースである。ここで初めて数名の登山者と会う。兜山方面から来た人に聞くと、山麓の桃畑はやはり満開だったそうである。ただし今日自分が歩くコースは、桃の花とは縁がなさそうだ。
深草観音方面へ進む。沢沿いの下りにはニリンソウ、ハシドコロ(いずれも葉)、そしてカタクリが蕾をつけていた。 大きな岩壁がそそり立つ深草観音、水場を過ぎる。道はいつしか立派な登山道になっている。要害山へは右の尾根から回り込むように緩やかに上っていく。 要害山は言わずと知れた武田信玄の城郭跡である。尾根道にいろいろな説明板が立っている。また、樹木にもプレートがついていて、蓋を開くと樹木の名前が書いてあるという仕掛けになっている。 着いた要害山頂上、頂上というよりもだだっ広い広場である。頂上の周囲一帯には盛り土が施されており(曲輪(くるわ)と言うそうだ)、まさに要塞である。 頂上は20名ほどの人で賑わっている。中にはボストンバッグを抱えた一般の行楽客の姿もある。 そういえば宿のテレビで見たが「信玄検定」なるものが山梨県にはあって、武田信玄に関する知識を試す検定試験だそうだ。信玄祭りやNHK大河ドラマ「風林火山」放映の影響もあり、今日の甲府はきっとどこへ行っても信玄一色であろう。 要害山からは歩き易い道を下る。小さな虫がまとわりついてうっとおしい。もうそんな季節になったのである。ミツバツツジを見ながら要害温泉へ下り立つ。露天風呂からは甲府盆地が見下ろす位置にあり、贅沢な眺めである。 石和温泉から要害温泉へ。2つの温泉、2つの歴史ある山をつないだ低山縦走であった。 |