山の写真集 > 大菩薩 > 大菩薩嶺
  • -飽きのこない眺望-
  • 裂石-上日川峠-大菩薩嶺-大菩薩峠
  • 大菩薩
  • 山梨県
  • 雷岩(2035m)
  • 2020年7月10日(土)
  • 10.8km
  • 5時間20分
  • 963m(丸川峠分岐-雷岩)
  • -
  • 大菩薩の湯
  • マイカー
天気1

 

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2021年7月10日(土)
調布IC
  中央自動車道
勝沼IC
  国道411号他
6:30   裂石(丸川峠分岐) 6:40
6:50   千石茶屋
8:15   上日川峠 8:30
8:55   福ちゃん荘
9:40   雷岩 10:20
11:00 大菩薩峠 11:10
12:05   上日川峠 12:15
13:25 裂石
  国道411号他
大菩薩の湯立寄り
勝沼IC
  中央自動車道
高井戸IC

 

6月は、4回続けて高尾山に登っていた。しかも全部同じ6号路。イベントへのスタッフとしての参加のためであったが、さすがに同じところを4回は飽きる。
もう暑くなってきたし、高尾山はしばらくいいかな、と思う。
夏に向けて各地の山に目が向き始めた矢先、東京にまさかの緊急事態宣言(4回目)。のんびり山選びするような気分でもなくなった。
月曜からの発出を前に、好天の土曜日に大菩薩に登っておくことにする。


唐松尾根上部から望む富士山、大菩薩湖 [拡大 ]

千石茶屋

千石茶屋

千石茶屋から林道を5分ほどで登山口となる

登山口へ

裂石登山道のブナ林は、やまなしの森林百選に数えられている

山梨の森林百選

裂石登山道の上部は平坦で歩きやすくなる

歩きやすい道

上日川峠・ロッジ長兵衛

上日川峠

唐松尾根の急登を詰めていくと、次第に背後に展望が広がっていく

登るほどに


裂石からの昔からのルートを登る。登山道は歩きやすいが、何しろ標高差1000mに近い登りは、もう何ヶ月もやっていない。
最後は疲労が足に来てしまったが、久しぶりに味わった高尾山以外の山の空気に、身も心も満たされた気がする。

笹子トンネルを抜けたあたりでは雲が多かったが、空は明るい。国道411号を走り裂石のバス停から、もう少し車で進む。丸川峠との分岐に駐車場があり、すでに5台ほど停まっていた。
まだ6時台で、やや霧の立ち込める中を出発。千石茶屋の先で林道と別れ、登山道へ。
柔らかな土の感触がうれしい。歩く人の多い高尾山の登山道は、多くが踏み固められおり、他の山を歩くと足ざわりの違いにすぐに気づく。
緑はすっかり濃くなり、薄暗ささえ感じる。ほとんどの登山者はこの上の上日川峠まで車かバスで上がってしまい、この部分を歩く人は、今や数えるほどだ。しかしここは杉・檜・カラマツなどの人工林は皆無で、ずっと落葉樹林の中を歩くことができる。カエデやミズナラ、ブナの大木が次々と現れる。

両足の踵の皮がむけてしまったようだ。痛くて歩けなくなる。立ち止まって絆創膏を貼ってしのぐ。
いつも履いている靴なのに、靴の中で足が動いて、歩くたびに擦れてしまっているのだ。靴が伸びて大きくなった、のではなく「足が小さくなった」のだ。
登山靴以外でも、普段はいている靴も最近はぶかぶかになってきた。なぜ足が小さくなったか、というと、理由は老化である。人が歳をとると体が小さくなる。自分の場合は足のサイズにまずその現象が現れた。それ以外に、帽子も以前はキツキツだったのが今は普通にかぶれたりする。最近は、とんでもないところで、自分が歳をとったことに気づかされる。

いったん車道に出て、再び登山道。目線の少し下は真っ白だが、これは雲海かもしれない。頭上に青空も見える。
上日川峠に到着。いきなりの強い日差し。思った以上に天気がいい。エゾハルゼミも鳴き始め、すでに夏山の雰囲気である。多くなった登山者と相前後して福ちゃん荘、そして唐松尾根の登りに取りつく。

次第に傾斜が急になってくると、モミやツガなど針葉樹の中低木が目立ち始める。サラサドウダンの残り花が見られた。今年は、6月前後の花の一番いい時期に新潟にも長野にも行けず、山の花を見る機会が全くなかった。
大菩薩嶺も以前であれば今の時期、たくさんの花が咲いていただろうが、この日はニガナくらいだった。

岩の突き出た登りになる。背後が開けてきて、雲の上に浮かぶ大きな富士山が姿を現した。さらに登ると、大菩薩連嶺のたおやかな緑の稜線もせり上がってくる。青空と雲と富士山がうまく配置され、気持ちよい眺めである。

チチブドウダン

チチブドウダン

雷岩から大菩薩峠へ向かう、伸びやかな尾根道

伸びやかな稜線

大菩薩峠が見えてくる

峠はもうすぐ

介山荘。23年前の建物

介山荘の今昔

大菩薩峠で最後の展望休憩

休憩適地

大菩薩峠から上日川峠へは、車も通れるくらいの幅広道

下山路

山麓には、桃の販売所が何軒もあった。ひと箱購入する

桃が食べごろ


最後のきついひと登りをこなし、雷岩展望台に着く。日差し照りつける稜線を涼しい風が渡る中、広い眺めにしばし見入る。甲府盆地は一面の雲海になっていた。
この眺めをもう、20回以上見ているがまだ飽きない。見渡せる範囲こそ360度ではなく、南側を中心に180度程度なのだが、それでもいつも、すごい眺めだと感心する。富士山、南アルプス、大菩薩連嶺など甲信の山々、甲府盆地といった様々な要素が、様々な角度・高さからバランスよく視界に入ってくるので、眺めに飽きがこ来ないのだろう。

今日はピークには寄らない。大菩薩峠まで、展望満点の稜線歩きとなる。チチブドウダンが赤いかわいい花をつけていた。
ところどころ浮石などがあり、歩きにくいと感じるところもある。以前はそんなことは思わなかったが、今日は久しぶりの標高差1000m近い行程でもあり、疲労がけっこう足に来ているようだ。踵の皮むけも歩みがぎこちない一因になっている。
妙見ノ頭を過ぎると、奥多摩の山々が覗くようになる。こちらよりも分厚い雲を被っていた。今日は山梨の山にして正解だったか。

大菩薩峠に下り立つ。介山荘には若い人が店番をしていた。真路さんは元気だろうか。
丹波山村へ下る道も、車でなかったらまた歩いてみたくもある。今日は自分の体力もあまり戻っていないと考え、石丸峠へも寄らずに最短の下山路をとる。
勝縁荘を経て福ちゃん荘に下る道は、登山道というよりも林道である。踵が痛い身にとっては助かる。高度を落とすにつれ、日差しが強くなり気温も上昇。上日川峠には路線バスが2台、待機していた。登山者はそこそこいるが、2台を満員にする人数には遥か及ばない。
今日は絶好の梅雨の晴れ間と思って自分はやってきたのだが、東京にまた緊急事態宣言も出るということで、皆外出をためらっているのだろうか。

再び樹林の道を歩いて、車の停めてある丸川峠分岐に戻る。足にダメージはきたが、山の空気をいっぱいに吸って、満足のいく1日になった。久しぶりに大菩薩嶺の昔のビデオ(NHK-BS)でも見てみるかな。
汗をかいたので、すぐ下の大菩薩の湯に入っていくことにする。日帰り温泉は半年ぶりくらいである。 中に入ると、「緊急事態宣言の出ている地域からの入館はお断り」とある。今は対象は沖縄県のみで、東京は来週からなのでセーフなのだが、それでも検温されて住所(都道府県名から)と電話番号を書かされた上での入館となる。
感染者の少ない山梨県ということで、警戒されるのは無理のないことかもしれない。それでも少し防御策が過剰なような気もする。

車で下っていく途中、国道沿いに何軒もの桃の販売所ができていた。おばあちゃんが店番をしているところでひと箱買っていく。
買うのとは別に、1個丸ごと試食させてもらえた。甘さはまあまあだが、もぎたてなのですごく瑞々しい。登山に桃を一つ持っていくと、ペットボトル1本分と同じくらいの水分補給ができそうである。
帰りの高速のドライブインで、今年初めてのソフトクリームを食べる。夕方5時に帰宅する。