ブナ探索山行 第1回
2022年3月23日記:
3月21日の祝日、時間が取れたので高尾山に向かった。ケーブル山頂駅手前のブナを見ると、枝の一部が重みで垂れ下がっていて、その枝先にたくさんの雄花が若葉とともに出ていた。
今の時期、ここ標高400m程度の場所でも、ほとんどの落葉樹はまだ葉も出てないので、このブナの雄花の芽吹きは異様な感じに映る。
雄花を出したブナ(ケーブル山頂駅手前) [拡大]
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ブナの冬芽には(ブナだけとは限らないが)葉しかない葉芽と、花を含んでいる花芽がある。花をつけるのはある程度成長した木であり、若いブナは葉芽だけだ。
開花するブナの木も、全体が開花するのではなく、一部の枝群に花芽が集中しているようだ。そしてその花芽群は、他の枝が芽吹く前に一斉に開花する。おそらく、芽吹き前の周囲が明るいうちに受粉を済ませてしまうという戦略なのだろう。
道路を隔てた小山の上のブナや、ケーブル山頂駅の展望台のブナも開花していた。いろはの森の美人ブナなどほかのブナは枝が高い所にあるので、開花しているかどうかはわからなかった。でもおそらく、どれも今年は花をつけるだろう。
なお、イヌブナのほうは全く開花していない。葉芽のみなので芽吹きもまだである。4年前はブナもイヌブナも開花したので、ここが違う。
ブナの開花年は面白いことに、ほかの山域でも同期することが多く、奥多摩や関東北部、新潟の山でも4年前に開花している。そしてその後3年間はほとんど花をつけなかった。
ただし例外もあり、自分の観察していた限りでは、筑波山のブナは2019年にたくさん開花していた。
この山域をまたいだ開花の同調性は、気候など様々な要素が原因として考えられているが、まだ本当のところはわからない。自然のなせる業は不思議だらけである。
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2022年3月21日(月) 探索
ルート:京王高尾山口駅-金比羅道-4号路-ケーブル山頂駅-高尾山-城山
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