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ブナ探索山行 第1回
高尾山(東京都)     -Page 2-    令和元年のブナ芽吹きと発芽は    -Page 1- -3-

2019年4月12日追記:
前回の確認から1年経った2019年4月7日、再び高尾山へブナの芽吹き状況を確認しに行く。前年は多くの花をつけていたが、今年はどうか。

ケーブル山頂駅に着くと、ちょうどケーブルカーが運行を始めた時間で、最初の乗客がどっと降りてきていた。人ごみをかき分け展望台のブナを見てみる。

ブナ(左)とイヌブナ(右)の開葉 [拡大]


ここのブナは手すり越しに数本の老木が立っており、イヌブナに挟まれた自動販売機奥の1本がブナ(駅前ブナ)である。イヌブナは先週開葉していたが、今日はブナのほうも芽吹いていた。

葉の出方は両者で異なり、イヌブナは斜め下方向にぶら下がるように葉を出す一方、ブナのほうはほころんだ芽から横方向に葉を出している。イヌブナに比べて葉に質感があり、厚い感じがするのでそう見えるのだろう。
両者並んで立っているので環境条件はほぼ同一。イヌブナのほうが1週間ほど早く芽吹くのは樹木の性質そのもののようである。

ブナは昨年4月8日にも開葉しているのを確認したが、このときは雄花をたくさん出していた。それが今年はまったくない。ブナの開花・結実量は年によって大きく違い、全く花や実をつけない年もある。
それにしても今日は朝からどこもかしこも人である。そんな中、スミレが咲き、桜が咲く眺めのいいこの山で、木の芽吹きばかりに注意が行っている人は、もしかしたら自分一人かもしれない。

地蔵堂へは裏道を登っていく。境内横のブナの林冠をカメラのズームレンズで確認すると、上部は芽吹いて雄花、雌花両方とも出ていた。同じ山のブナでも、花が出る木と出ない木があるようだ。
ブナを始め多くの樹木の花芽は主に林冠の部分で見られ、ひこばえのイヌブナのように、下のほうの枝はまだ花を作る能力がないことが多い。太平洋側の山で見られるブナはどこも背が高いため、肉眼で花を見ることは難しい。
その点、高尾山ケーブル山頂駅のブナは展望台の下の斜面から伸び、林冠がちょうど展望台の手すり部分の高さまできているので、花を観察しやすかった。
それゆえ、今年になって上部の枝が伐られてしまったのは残念でならない。


双葉の子葉を出した(イヌ)ブナの発芽。右は本葉まで出ている。大きさや形状が異なるので、左はブナではないかと思われる [拡大]


4号路の美人ブナへ行ってみる。昨年と同じく、まだ芽吹き前だった。北斜面だから遅いのだろう。地面にはイヌブナの発芽はたくさん見られるが、ブナの実生はないのだろうか。
美人ブナのすぐ近くに1つ、双葉(子葉)が出ていた。これはブナの子どもだろうか。さっき見たイヌブナの子葉と比べて一回り小さく、茎部の色と太さが違う。しかしぐそばにイヌブナもあり、どちらの子どもなのかはっきりしない。ブナとイヌブナの成木での見分け方はネットで検索すればすぐ出てくるが、発芽した状態での識別方法が載っているサイトはなかなか見つからず、文献もない。

高尾山のブナの実はしいな(種なし)だと言われている。林野庁は毎年、各地の木の開花・結実調査を行っており、以前は高尾山のブナにも調査員がやって来ていたらしい。しかし、しいなだとわかってからは調査に来ることはなくなったそうだ。(「ぼくは高尾山の森林保護員」(宮入芳雄)こぶし書房 より)

いろはの森を下山し、日影からバスで帰ることにする。

2019年4月7日(日) 探索
ルート:京王高尾山口駅-ろくざん亭入口-金比羅台-地蔵堂-いろはの森-日影


ろくざん亭ルートはヤマブキが開花していた

ヤマブキ開花

芽吹き直前のブナだが、葉芽ばかりで花芽はなさそう

花芽はなさそう

ブナの芽吹き(ケーブル山頂駅)

ブナの芽吹き

もうヤブレガサが出ていた。1号路女坂にて

ヤブレガサ

イヌブナはひこばえが開葉

ひこばえ

地蔵堂のブナは雄花、雌花とも出ていた。250mmズームいっぱいで撮影

花あり

4号路、いろはの森登山道の合流点付近にある美人ブナ

美人ブナ

日影沢林道にはカツラのかわいい新葉が出ていた

カツラも新葉