山の写真集 > 日本アルプス > 空木岳・南駒ヶ岳・越百山
  • -個性ある峰々を縦走-
  • 伊奈川ダム-うさぎ平-空木岳-越百小屋
  • 中央アルプス
  • 長野県
  • 空木岳(2863m), 赤椰岳(2798m), 南駒ヶ岳(2841m), 仙涯嶺(2734m), 越百山(2613m)
  • 2014年9月14日(日)~15日(月)
  • 1日目:11.5km、2日目:11.8km
  • 1日目:6時間20分、2日目:6時間45分
  • 1772m(伊奈川ダム駐車場-空木岳)
  • 駒峰ヒュッテ
  • マイカー
天気1
天気2

 

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2014年9月14日(土)前日発
晴れ後曇り
富ヶ谷IC 15:35
  首都高
中央自動車道
中津川IC 19:55
  国道19号他
道の駅大桑 泊
6:15   ケサ沢駐車場 6:45
7:53   金沢土場 8:00
8:20   うさぎ平
9:15   六合目吊り橋
10:07   仙人の泉 10:20
10:57   八合目 11:02
12:00   義仲の力水 12:15
12:30 木曽殿越 12:35
13:20 第1ピーク 13:30
13:57 空木岳 14:10
14:15 駒峰ヒュッテ(泊)
2014年9月15日(祝)
曇り時々晴れ
  駒峰ヒュッテ 5:20
5:30 空木岳 5:40
6:35 赤椰岳 6:45
7:20 南駒ヶ岳 7:45
8:50 仙涯嶺 9:00
10:05 越百山 10:35
11:10 越百小屋 11:30
12:05   上の水場
12:20   見晴台
12:55   やせ馬の背
13:05   下のコル 13:15
13:45   福栃平
14:20 ケサ沢駐車場 14:30
  国道19号他
17:30 塩尻IC
  中央自動車道
首都高
22:10 富ヶ谷IC

 

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3年前に木曽駒、宝剣岳に登って以来、2度めの中央アルプスである。
主峰・空木岳(うつぎだけ)に惹かれるが、越百山(こすもやま)という宇宙的な名前もおおいに気になる。
東京からのアクセスを考えると、駒ヶ根側の池山尾根から空木岳を往復するのが一般的で、越百山への縦走には山をぐるっと回り込んで木曽側から登る必要がある。
車での走行距離280kmと、新潟下越地方と同じくらい遠い。土曜日の昼過ぎに家を出発し、半日かけて麓の大桑村に入ることにした。


空木岳手前第一ピーク付近の岩稜

伊奈川ダム。関西電力・伊奈川発電所の発電用として大桑村に建設された。空木岳・越百山登山口であるケサ沢駐車場は、ここからさらに1kmほど入ったところにある

伊奈川ダム

伊奈川ダム先のケサ沢駐車場。50台収容可だが、この日は朝6時過ぎで満車となっていた

駐車場は満杯

駐車場のすぐ突き当たりで林道は左右に分岐する。うさぎ平登山口へは左折

行きは左、帰りは右から

金沢土場から20分弱でうさぎ平。ここから登山道となる。ここに停まっている車はどうやって入ってきたのか。山小屋の人の車か

うさぎ平登山口

六合目にある吊り橋。このあたりまでは急登もなく穏やかな登山道

六合目吊り橋

六合目から先は厳しい急登がしばらく続く

次第に急登へ

八合目の導標。このあたりで急登は終わり、木曽殿越までは緩やかな登りとなる

八合目

当初のカーナビ設定では、塩尻インターから国道19号線を南下することになっていたが、走っているうちに設定が変更され、中津川インター回りになってしまった。おかげでおよそ1時間くらいのロス。
カーナビの経路選択がどういう仕様になっているのか細かなことはわからないが、長距離を走るときは、自分の手で経由地をはっきり指定してないと、とんだ遠回りをさせられてしまうことがわかった。
真っ暗のなか、道の駅大桑に到着。あたりは秋の虫が大合唱している。

翌朝、伊奈川ダムの先にあるケサ沢駐車場に向けて出発する。途中通行止め区間に出くわしたりで、1時間くらいかかってしまった。しかも50台は裕に停められる駐車場はすでに満車。路肩に停めて6時45分、歩き出す。
ケサ沢にかかる橋を渡り、越百山へ直接登るコースを分ける。明日はこの道を下って来る予定だ。

ほぼ平坦な林道を歩く。金沢土場を経てうさぎ平登山口までは1時間30分くらいだった。コースタイムより40分も早い。今日の行程(駐車場~空木岳)は登山地図上のコースタイムだと9時間だが、これはかなり安全マージンを取っている。天気も問題なさそうだし、もう少し短時間で登れそうだ。
緑濃い登山道に入る。前後に人の気配もなく、静かな道だ。吊り橋のかかる六合目までも時間はそうかからなかった。ここからが本格的な登りとなる。針葉樹林の尾根道は急登につぐ急登で、しばらくは忍耐の時間である。カニコウモリやアキノキリンソウが、彩り乏しくなった初秋の道を埋める。
右手には越百山に至る尾根が高い。こちらの高度もずいぶん上がり、少し冷えてきた。林床はシダ植物で一面敷き詰められ、幽玄というか一種異様な雰囲気が漂う。

やがて頭上が明るくなり、七合目の標識。ゆるやかな尾根歩きのあと仙人の泉と名づけられた水場に到着した。山が深いので、何か設置物があるとホッとする。
休憩していると、初老の男性がひとりやってきた。木曽殿山荘に泊まるという。自分が今日泊まる予定の駒峰ヒュッテは自炊小屋の上水場がないので、ある程度下から水を持っていく必要がある。ただこの上にもまだ水場があるので、ここでは汲まない。
腰を上げさらに進む。左手の樹林が疎らになり、森林限界上の高い部分か時々覗くようになった。岐阜県側はよく晴れて山並みが遠くまで見える。ただ八合目を過ぎたところにある御岳の見晴台では、木がじゃまをして御嶽山は見えない。

シラビソの林に入り、一箇所東側が大きく開け、南駒ヶ岳と思われる大きな山が現れた。残念ながら上部は雲の中のようだが、全くの悪天ではない。雨は降ってなさそうだ。
木曽駒や宝剣岳のときもそうだったが、中央アルプスの主稜線は北アルプスなど他の山域に比べて、無数の岩屑で敷き詰められている印象が強い。思った以上に大きなガレ場が多く、縦走は時間がかかりそうだ。

木曽殿山荘の建つ木曽殿越。木曽駒方面からの縦走路が合流し、空木岳へはガレ場の急登となる

木曽殿越

木曽殿越から空木岳への登りはきついが、展望は開ける。正面は東川岳

展望満点

ウラシマツツジの紅葉

草紅葉始まる

空木岳山頂から東側、池山尾根方面を見下ろす。すぐ下に駒峰ヒュッテが建つ

駒峰ヒュッテ

駒峰ヒュッテは大混雑。通路や土間まで寝ている人がいた

9月でこの混雑


樹林の背が低くなり、草付の斜面はトリカブト、アザミなどちょっとしたお花畑になっていた。明るい道をなおも行くと「木曽義仲の力水」という水場に着く。2リットルの水を補給する。そこから10分くらいで目の前が大きく開け、ようやく木曽殿越に到着した。伊那側の眺めが得られ、空木岳取り付きの急斜面がのしかかるようだ。木曽殿山荘の背後には木曽駒からの縦走路が下りて来ている。
駐車場が満車だった割には、小屋周辺は意外と人通りはまばらで静かである。空木岳にみな登っているのだろうか。でもここまで来れば、今日の行程的にはひと安心。あとは時間をかけて山頂を極めるのみだ。

いよいよ空木岳への登りだ。若い男女のグループほか、数名の登山者と相前後しながら急登する。多くの人はザックが大きく、マットを持ってきている。おそらくシュラフも持参であろう。自分は今回寝具は小屋で借りるつもりである。
すでに森林限界上で石ガラガラの斜面にはハイマツが点在する。トウヤクリンドウがあちこちで見られ、咲き残りのイワツメクサも多い。伊那方面にはガスが上がってきたが、木曽側(岐阜県側)はまだ青空が優勢。しかし山頂に近づくにつれ、だんだんと薄暗さが増してきた。
傾斜はさらに増し、梯子や鎖のついた岩場も現れる。足場はしっかりしているので確実にこなす。山頂から下ってくる人も多いが、下りがむしろ要注意かもしれない。岩場を越えて平坦な場所に出たところが第一ピーク。さすがに足の筋肉がパンパンになってきた。少し休憩ののち最後のひと踏ん張りで、待望の空木岳頂上に到達する。

すでにガスの中で展望はなくなってしまったが、風が舞っていてときどき眺めが開ける。やがて池山尾根方面が見え、駒峰ヒュッテもすぐ下にある。周囲を見るとかなりの人で賑わっている。ヒュッテは思ったよりかなり小さい建物のようなので、もしかしたら今日はけっこう混雑するかもしれない。

その駒峰ヒュッテへ下る。宿泊を申し込むと今日は相当混雑するという。2階に上がるとすでに満員。寝ている人を起こしてスペースを空けさせ、そこに潜り込むように入った。これほどの混雑は2000年、雲の平山荘以来かもしれない。あのときは横になるのも隣りの人と肩どうしが当たり、頭と足を交互にして寝たのを思い出す。
小屋は混んだが、外のテラスは眺めも利き快適である。ガスがいっとき晴れて、駒ヶ根の市街地と南アルプス、八ヶ岳が一望できた。明日の好天を期待して、就寝する。