~陽光に輝く北アルプスの峰々~
中房温泉-燕岳-大天井岳- 常念岳-一ノ沢 |
3日目、暗闇から姿を現し始めた槍だが、その三角錐の下部にはすでに、横長の雲状のガスがたなびいている。今日は昨日以上に、ガスの上がるのが早そうだ。 今日は常念岳に登り、戻って一ノ沢に下る。 昨日に続いてヘッドランプを付けての登りだ。ジグザグの登路はヘッドランプの光の行列となっている。落石に注意しながらしゃにむに高度を上げて行く。
8合目あたりで傾斜が緩み、日の出を迎える。三脚、カメラを構えた人が大勢いる。三股への道を分け、ほどなくして360度の常念岳頂上だ。朝早くから大混雑である。 槍・穂高、裏銀座から立山・剣。大天井岳からの稜線。南には急な下りを経て蝶ガ岳への尾根道が続く。東に伸びる前常念~三股への下りも快適な道のようだ。 いくつものグループが、頂上が空くのを待っている。頂上を後にし、テント場に下る。登りも下りも同じ時間かかった。 常念小屋でタクシーを予約し、テントをたたみ下りに入る。すでに周囲はガスに覆われた。やはり天候が不安定なのだろう、これほど早くガスが出る日が続くのも、これまでなかった。 一ノ沢へは急な下りを経て、ハクサンフウロ・ニッコウキスゲなど高山植物の多い斜面を下って行く。 沢沿いに下り切ると残雪の上を100mほど歩くこととなる。7月下旬でこれほど残雪があるのも、やはり今年は天候不順で融雪が遅れた証拠だろう。 以降歩きにくい下りはなく、沢のほとりで時々休みを取りながらたんたんと歩いていく。 タクシーの予約時間を少々早めにしてしまったので、それほどゆっくりしていられない。山ノ神で一礼し、20分ほどで一ノ沢登山相談所のある場所に出た。 タクシーで、「常念坊」という温泉旅館に立ち寄り入浴する。まだ時間も早く、青空の覗く露天風呂でのんびりする。再度タクシーに乗り穂高駅に戻る。 梅雨末期の合間を縫った北アルプスの旅は、思いがけない展望と、涼しい爽快な稜線歩きを味わえた。しかしやっぱり梅雨が明けてカッと暑い中の縦走をしてみたいものである。ただ天候不順の今年は、それは無理そうだ。
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