~陽光に輝く北アルプスの峰々~
タイトル
つばくろだけ(2762m)・おてんしょうだけ(2922m)・じょうねんだけ(2857m)
2003年7月25日(金)~ 27日(日)

中房温泉-燕岳-大天井岳-
常念岳-一ノ沢
マップ
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燕岳へ続く稜線
燕岳へ続く稜線
●青空の下の稜線縦走
翌朝、暗いうちから燕岳を目指す。山荘から20分あまりの距離で、主に砂礫の道をだらだらと行く。

燕岳を特徴づけている、奇妙な形をした花崗岩のオブジェをくぐり抜け、燕岳頂上に着く。北に鹿島槍や白馬岳、針ノ木岳、立山などの展望が素晴らしい。もちろん反対側に槍ヶ岳、水晶岳、大天井岳なども勢揃いだ。

ご来光を待ったが、地平線付近には雲があってはっきり見えない。

山荘に戻り、外のベンチで槍を見ながら朝食を取る。そしてすばらしい青空が広がる中の縦走の開始となった。
大気がカラッとしていて寒いくらいだ。ギラギラした陽射しがないのは森林限界の上を歩くのに好都合だが、やはり少し物足りなくもある。ここが昨年、一昨年と違うところだ。

奇岩越しに広がる展望
奇岩越しに広がる展望
燕山荘
燕山荘
大天井岳と槍ヶ岳を望む
大天井岳と槍ヶ岳を望む
大天荘
大天荘
横通岳の肩付近
横通岳の肩付近

常に槍を右に見ながら、ほどよいアップダウンのある稜線を進む。槍も水晶岳・鷲羽岳付近も、今年は残雪がとても多いようだ。
蛙岩(げえろいわ)は東側を巻く道を通り、所々にある小ピークでいちいち休憩し、眺めを楽しむ。砂礫の斜面になるとコマクサがたくさん現れる。またハクサンシャクナゲも花期を迎えているようだ。
槍の見える側につけられている道には涼しげな風がそよぐが、やや高度を下げ、日の照る安曇野側につけられた道を行く。お花畑が発達しナナカマドの白い花、ハクサンフウロ、シナノキンバイなどが見られる。

常に正面に見えていた大天井岳が、いよいよ大きくなってきた。切通岩はちょっとした鎖場となっているが距離は短い。喜作新道のレリーフを見たあとは、石ガラガラの長い登りに転ずる。安曇野側からガスが上がってきた。
傾斜が緩み、大天荘の前へ。大天井岳へは10分弱の行程だ。ガスが周囲を覆い、頂上からの展望は得にくい。一瞬だけ槍ヶ岳方面のガスが切れた。ここから見る槍は真横槍とも言うそうだ。
イブキトラノオ
イブキトラノオ
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ
コマクサ
コマクサ

大天荘に戻り水を買う。東天井岳を巻くあたりはガス一色となり、ただ歩を進める。
鞍部に着き、戻るように東側に進路を変える。ここには大きな雪田があり、すぐ近くにシナノキンバイ・ハクサンイチゲの比較的大きなお花畑があった。
ハクサンイチゲは今回見られないかと思っていたが、ここで大きな群落を見ることが出来た。

横通岳を西側から巻く砂礫の斜面に差し掛かる。右方はるか下から、水の流れる音が聞こえてくる。かなり大きな流れだ。位置関係からして梓川に注ぐ支流だろう。ガスで見えないので奇妙な感じがする。

このへんもコマクサが多く、今日の行程で一番の花数と思う。

やがて視界が開けてきた。大きく切れ込む谷を隔て、雲間に北鎌尾根、槍ヶ岳の下部、南岳が見えてくる。ガスはこの常念の稜線付近にだけかかっているので、それが晴れるたびにたちまち大きな展望が得られる。

眼下に常念小屋とテント場が見えてきた。樹林帯の急な下りに入る。常念乗越も濃いガスが支配していた。
この常念山脈は、東側の安曇野の平地が太陽熱で温まり、その結果北アルプスの中でも特にガスが湧き上がりやすいのかもしれない。

トイレのあるテント場はすでに満員なので、そのすぐ隣のテント場に幕営する。ガスが晴れていれば正面に槍が大きく望める場所だ。

夕暮れ近くなると、今まで見えなかった常念岳が姿を現した。頂上部はまさに見上げるところにある。
形のよいピラミダルな姿は、遠くから見たそれと印象はそれほど違わない。しかしここ乗越からはかなりの標高差があり、あのなだらかに見えたスロープも、登るのはかなり骨が折れそうだ。


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