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白峰三山縦走 2005年7月31日(日)~8月2日(火)
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●3000mの稜線縦走
8/1(月)北岳~間ノ岳~農鳥小屋  曇り、朝方晴れ

北岳頂上。右は間ノ岳
北岳頂上。右は間ノ岳

2日目の朝、テントから顔を出すと鳳凰山方面のガスも晴れている。そして雲の間から日の出。
テントをたたみ、一瞬青空が覗く中北岳を目指すが、じきに雲がちとなる。まだ夏山というには不安定な空模様のようだ。

チシマギキョウ、イワベンケイ、タカネツメクサと高山植物が次から次へと。期待したほどではなかったがさすが花の北岳だ。さらに見慣れない花が。帰って調べたらタカネマンテマという名前で、南アルプスでしか見られないとか。

日本第2の高峰、北岳頂上(3193m)。ここより高い「唯一の山」もうっすらと見えている。

北岳山荘への下りは、険しさはあるが岩稜の楽しい道だ。正面に間ノ岳がどっしりと構えている。山荘はトイレが立派そうだが入らず、先に進むことにした。
北岳の肩から北岳
北岳の肩から北岳を見上げる
間ノ岳頂上
間ノ岳頂上
農鳥小屋と西農鳥岳
農鳥小屋と西農鳥岳

間ノ岳への稜線を登り出す頃、ガスがかかり始めて来た。中白峰(3055m)からは眺望が得られるが、振り返れば北岳はすでにガスで見えない。
この先、それほどきつい急登はないのだが岩稜の道はどこまでも続く感じだ。あの高いピークが間ノ岳かと何度も思うがそのたびに裏切られる。その先にまだ高いところがあるのである。
そんな調子で、間ノ岳になかなか着かない。そのうち周囲はガスで真っ白に。登り着いた間ノ岳頂上(3189m)は乳白色の眺めとなった。やはり南アルプスはガスの沸くのが早い。

三峰岳(2999m)~熊ノ平への道を分け、農鳥小屋へは左方の踏み跡を進む。それまでの岩尾根から雰囲気は変わり、石ガラガラのまるで火山地形のような平原に下りていく。
やがて下のほうに農鳥小屋の赤い屋根が見えてくる。若干のアップダウンを経て小屋到着。

ミヤマオダマキ
ミヤマオダマキ
タカネシオガマ
タカネシオガマ
クルマユリ
クルマユリ
体力的に不安を覚え、今日のところはテントをやめて小屋泊に決めた。月曜だしそれほど混まないだろう。寝具無し素泊まりで3500円だった。寝具なしでもマットレスだけは使える。
それにしても夏山の営業小屋泊は2年ぶりで、やはりテントを張らないだけあってのんびりとすごせる。しかしあまりにも早い時間に着いたので、やることがなく少々手持ち無沙汰気味だ。テントだとそのようなことはあまり感じないのだが。

農鳥小屋は造りは古いがそれがよく、静かで落ち着いた雰囲気だ。小屋の従業員は、間ノ岳から登山者が下りてくるのを双眼鏡で眺め、小屋泊まりかテント泊かを見極めようとしている。そんな姿をはたで見ていると面白い。

小屋番さんは昔からの山男という感じがするが、この日から働き始めたバイトの学生さんもいて、小屋の切り盛りもどことなく初々しい。北アルプスの山小屋のような洗練されたイメージはないが、それがかえって山の雰囲気に溶け込んでいる気がする。

水場はやはり10分ほど下る必要がある(森林限界下まで下ってしまう)が、途中にお花畑がありクルマユリ、ハクサンフウロ、タカネグンナイフウロ、ミヤマシシウドなど今が花の最盛期のようで楽しめる。
この日は30~40名ほどの宿泊となり、平日としては結構な盛況ぶりか。農鳥小屋が奈良田の民宿予約を取り次いでくれるようで、下山後奈良田に宿泊する人が多い。登山口から送迎もしてくれるようなので有利だろう。そういうのんびり登山もしてみたいのだが、自分は下山の翌日は会社なのでそういうわけにいかない。

夕刻になると昨日同様ガスが晴れ、北に間ノ岳、南に農鳥岳(見えるのは西農鳥岳)と姿を現す。西には中央アルプスの高い屋根も横たわっている。東には遠く地蔵岳のオベリスクも見えるくらいになったが落日は拝めず。

夕方からかなり気温が下がる。自分がテントを諦めたせいか雷も無い。
そして夜空は満点の星。翌日の好天が期待された。


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