~南アルプス南部の名峰を縦走~
タイトル
椹島-悪沢岳-中岳-前岳-赤石岳-椹島
2001.9.22.~25. 快晴
1 2 3 4 Home


●椹島へ下山、大井川鉄道に乗る [ 赤石小屋-椹島 ]

赤石小屋
赤石小屋

最終日、今日はだた樹林帯を下るのみである。千枚への登りでいっしょだった人と再びいっしょに下る。ペースが速く、着いて行くのがやっと。

途中で1組の夫婦と会う。車で来ているとのこと。話しているうちに、下山後井川駅まで乗せてもらえることになった。
なお、この夫婦は日本百名山登頂がこの赤石岳で98座目だそうだ。残りは同じ山域の聖岳・光(てかり)岳だそうで、今年中に達成するらしい。そういえば今回の山行中、百名山狙いの人に多く会ったように思える。

大井川
大井川

赤石小屋から椹島まで、三時間かからなかった。椹島ロッジでシャワーを浴び、先の夫婦の車に乗せてもらう。

車窓からは大井川源流とその川沿いにへばりつく集落が見える。
ここに住んでいる人達は、何の職業をしているのだろう、という話になる。鉱業や林業ということもないだろう。特に特産品があるわけでもなく、リゾート開発とも無縁で観光立地として成り立っているわけでもない。やはりダムなどの公共事業によってこの地は潤っているように思える。

登山のためにいろいろな土地に行くと、日本全国こういう土地が多いのに気づく。さっきの崩落した林道だって、復旧にはけっこうな工事になるだろう。国や地方自治体から落ちてくるお金がこういう林道や登山道の補修に充てられる。登山者も結局は、各地でその恩恵にあずかっているのだとも言える。

痛みを伴う改革、公共事業の見直し。言葉は威厳があるが、それは都市に住む者の考え方である。地方分権といっても、限られた地方都市のみの話。最終的にはこういう日本の片隅にある集落にしわよせが来ることにはならないだろうか。

大井川鉄道トロッコ列車
大井川鉄道トロッコ列車

井川駅で車を下り、トロッコ列車風の大井川鉄道で下っていくことにした。

平均時速17kmの列車は南アルプスの山の間を縫うように下って行く。鉄橋あり、ダムあり、急坂ありとなかなか楽しい乗り物だ。しかし行けども行けども山並が続く。南アルプスの山の大きさ、深さを改めて実感する。

千頭(せんず)駅で急行列車に乗り換え金谷駅まで。そこから東海道本線でようやく静岡駅。帰りの交通も盛りだくさんであった。最後まで山の精気をいっぱい浴び、南アルプスの山行が終わった。


Back Home