~南アルプス南部の名峰を縦走~
タイトル
椹島-悪沢岳-中岳-前岳-赤石岳-椹島
2001.9.22.~25. 快晴
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●3000m峰をいくつも越えて赤石岳へ [ 千枚小屋-悪沢岳-中岳-前岳-赤石岳-赤石小屋(泊)]

千枚岳から日の出を見る
千枚岳から日の出を見る

3日目も好天だ。この日は赤石小屋まで歩行9時間近い長丁場となる。
早発ちし、千枚岳山頂で日の出を拝む。千枚岳からはやや足場の悪いヤセ尾根をしばらく行く。
草紅葉の進んだ丸山を通過し、いよいよ荒川三山のひとつ、悪沢岳へ。山頂には「荒川東岳」と書かれた標柱が立っている。壁のように立ちはだかる中央アルプスの山並みが圧倒的だ。

何人かが自分を追い越して行く。悪沢岳には立ち止まらず通過してしまうようだ。長時間歩きを強いられる南ア南部の縦走とはそんなものなのだろうか。

丸山、悪沢岳
丸山、悪沢岳
悪沢岳から中岳へ
悪沢岳から中岳へ
前岳頂上
前岳頂上

悪沢岳からは一転して急な下り。トウヤクリンドウ、マツムシソウがまだ咲き残っている。
登り返し、避難小屋の建つ中岳へ。さらに少し下ってすぐに登り、三伏峠への分岐に出会う。指導標には書かれていないが、三伏峠方面に少しだけ進むと荒川前岳の山頂となる。荒川三山とうたっているのにこの前岳だけは指導標に書かれていないのが不思議だ。崩壊が進んでいる前岳の山頂に立つことを、あまり薦めていないようにも思える。

相変わらずの青空の下、今度は荒川小屋への長い長い下りとなる。登り返しを考えると気が遠くなるほど下り切り、標高2600mあまりの荒川小屋前に着く。今日が今年の小屋閉めだそうだ。そのせいかひっそりとしている。

荒川岳をバックに荒川小屋
荒川岳をバックに荒川小屋

小屋前で軽食を済ませ再び登りになる。この縦走路は登ったと思ったらすぐに下ったりで、なかなかなだらかな道の稜線漫歩をさせてくれないが、しばらく登ってやっと平坦な道を歩けるようになる。

大聖寺平からは踏み跡のはっきりしない急登となる。ここは非常につらい登りだが、背後に荒川三山のダイナミックな姿が素晴らしい。このコース第一のビューポイントだ。
上に見えるピークらしきところまで登ると、さらにピークが上にある。何度もだまされながらも、それでも何とか3030mピークに登り着いた。小赤石岳を挟んで赤石岳が大きく見えるようになる。

あたりは真っ赤なウラシマツツジの草紅葉が鮮やか。四方を山に囲まれながら赤石岳山頂までの稜線を登って行く。
たどり着いた赤石岳からも大展望。中央アルプスから恵那山、南に目を転じれば笊ガ岳や大無間山など南アルプス深南部の山がそびえる。山頂から少し下がったところに避難小屋がある。管理人が入っているが、ここも今日が小屋閉めのようである。

赤石岳頂上
赤石岳頂上
赤石岳避難小屋
赤石岳避難小屋

この避難小屋に宿泊すれば、この日の行動も楽になるし明日も稜線歩きが出来て好都合だと思う。寝具も用意してくれるそうだが、昨日泊まったという人に聞いたら、やはりこの季節、標高3000mの夜は寒かったようだ。寒いからと言って余計に寝具は貸してくれなかったそうである。

赤石岳直下の草紅葉
赤石岳直下の草紅葉

赤石岳の稜線を下る。赤石小屋までは2時間余りの下りだ。沢沿いの道となり、小赤石岳から派生している尾根の南側に道は付けられている。みるみるうちに高度を下げてしまい、さっきまで小さく見えていた赤石小屋のある位置よりも、低いところに来てしまった感がある。小屋まではまた登り返しがありそうである。再び目に入って来た赤石小屋の屋根はまだまだ遠い。

富士見平というピークにいったん登り、それからは針葉樹林泰の下りとなる。小屋着は15時半過ぎ。今日も雲一つない天気であった。

赤石小屋の壁に貼ってある紙には「ビール売り切れました」とある。8時間以上歩いて来たのに、これはもう大ショック。山小屋とビールは切っても切り離せない関係にあると思っていたのに。
小屋からの赤石岳、荒川三山の展望は素晴らしく、夕暮れのシルエットと翌朝の赤く染まる山肌の両方を拝めた。

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