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いつも人でごった返しリゾート地化してしまったスキー場が嫌で、スキーからはもうずいぶん遠ざかっている。 山に登り始めるようになって、再びスキーを履く機会にめぐり会った。 茅野駅からタクシーで、標高1800mのメルヘン広場に行く。駅付近は道端に雪が残っている程度だったが、標高を上げていくにつれ、周囲は明るい白銀の世界に変わって行く。メルヘン広場は積雪50cmほどで、完全な雪山だった。 麦草ヒュッテからスノーモービルで出迎えにやってきてくれた。これに乗って標高2200mの麦草峠まで15分で一気に駆け上がる。小雪が舞い、頬に当って冷たい。 ヒュッテに着き、テレマークスキーの講習を受ける。クロスカントリースキーのコースを回るつもりだが、エッジが無く難しいのでは、という思いがあり、テレマークスキーをレンタルで使うことにした。 講習は麦草ヒュッテ前のなだらかなスロープで行う。テレマークポジションというスタイルで滑るのは最初は不安定で難しい。この姿勢はスキーのジャンプ競技で着地の時に見られるような、両足を前後に広げるもの。テレマークで斜面を滑りターンする時は、これが基本になる。 この日は気温が氷点下15度。横殴りの雪が容赦無く吹き付け、インストラクターの方も自分たちも、ブルブル奮えながらの講習となった。 2日目、天気はどうにか持ち直した。ヒュッテから外に出てみると、北側には茶臼山と縞枯山、北東のはるか向こうには浅間山がきれいだ。 白駒池までクロカンコースを行くことにする。前半は樹林帯の中を進む。歩みは遅いがとても気持ちがいい。一面の銀世界、樹木の上に雪がこんもりとかぶさっている。ゲレンデスキーをやっていた頃は回りの景色など全く関心がなかったのに、こうして山の雪景色を眺めながら行くのはオツなものだ。 樹林帯を抜け切り開きに出ると、北八ツの稜線が眺められる。一幅の絵画のようだ。 再び樹林の中へ。緩い登り坂でも道が細く、逆ハの字型で進めず苦労する。視界が開けると急降下の斜面を経て、青苔荘の前に出る。南面のは白駒池は、雪原に変わっている。この池面は、まるでスケートをするように、スキーで横断できる。
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