~清里側からの登路、標高2899mで見るご来光~
タイトル
清里-赤岳-横岳-硫黄岳-みどり池-稲子湯 2001.8.18~19.
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●そぼ降る雨の県界尾根(8月18日、曇り時々雨)
県界尾根の登山口
県界尾根の登山口

砂防堤を見ながら沢沿いの道を登る。しばらくして県界尾根の入口に着く。
ここから小天狗まではかなりの急登。薬師沢から雲ノ平へ登った、あの坂を思い出す。道は笹薮がかぶさり歩きにくい。

小天狗に登りつくと、左側に真教寺尾根がこの尾根と平行に走っているのがわかる。しかし空はどんよりとした曇り空。晴れていれば大きく見えるという赤岳の姿は全く無い。
しばらくは、ほぼ平坦な道を進む。ところどころ切り開きがあるが、ガスで展望は悪い。
そのうちバラバラと雨が降ってきた。先週の立山に続いてまたかと思う。立山神社のご利益はまだまだ来ないらしい。カメラをしまい、雨具を取り出す。

大天狗の手前は緩やかだが、長い登りとなる。樹林の中の大天狗で、10名ほどの団体が休んでいる。ケガ人がいるようだ。携帯で電話し、ヘリコプターを頼んでいる。
お気をつけ下さい、と声を掛け合って別れる。
雨が強くなり目に入る。まだまだ樹林帯の急坂が続きつらい。2週続きの雨山行に体も重くなる。引き返そうか、と何度も思った。

赤岳頂上から県界尾根を見下ろす
赤岳頂上から県界尾根を見下ろす

ようやく県界尾根のシンボルである、岩場の前に着く。鉄板のトラバース道や鎖場、梯子が連続する。岩も鉄板も梯子も、雨に濡れて滑りやすい。

鎖場の上から人が降りて来ている。鎖にあまり慣れていないらしく、表情に悲壮感が漂っている。鎖にしがみついたまま、目の前を滑り落ちてきた。岩にかなり体を打ったみたいだ。あの人はその後、無事に下りれただろうか?

頂上が近いのか、気温が下がってきた。腕を触るとかなり冷えている。ようやく鎖が無くなると、今度は石ガラガラの急登。これが長い。
しかしほどなく、人の声が聞こえ始める。主稜線を上る人影がうっすらと見える。小屋が見え、やっと赤岳頂上だ。相変わらずのガスの中だが、この急登を一気に詰めた充実感にみなぎる。
すぐに頂上小屋に入り、宿泊手続きをする。お盆過ぎの最初の土日ではあったが、それほど混んでいないようだ。結局寝床は1人で3畳位の割りだった。


●太陽と雲のドラマ

夕食時、外を見ると青空と雲海が覗いている。外に出てみる。
日が傾くにつれて、周囲のガスがみるみる晴れて行く。山が、雲が、稜線がどんどん湧き上がってくる。

晴れ上がる空
晴れ上がる空
地平線に夕焼け
地平線に夕焼け

昨年の夏も、朝同じような光景を見たが、今度は夕暮れ時の大自然ショーだ。迫力が違う。雨も雲も、山も谷も、自然は大きい。人間がどうこう出来るものではないはずだ。
長編のドラマを何本も見たような気持ちになり小屋に戻った。

雲の造形美
雲の造形美
赤岳と雲間の夜景
赤岳と雲間の夜景

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