2012年7月15日(日)前夜発 | |||
◇ | 調布IC | 18:05 | |
中央自動車道 原PA泊 |
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◇ | 諏訪IC | 4:50 | |
国道152号他 | |||
7:00 | 桜平(駐車スペース) | 7:45 | |
8:10 | 桜平登山口 | ◇ | |
8:25 | 上槻木分岐 | ◇ | |
8:40 | 夏沢鉱泉 | 8:50 | |
9:40 | オーレン小屋 | 12:50 | |
13:30 | 箕冠山 | ◇ | |
13:50 | 根石小屋 | 14:35 | |
15:25 | オーレン小屋(テント泊) | ◇ | |
2012年7月16日(月・祝) | |||
◇ | オーレン小屋 | 8:30 | |
9:00 | 分岐 | ◇ | |
9:00 | 尾根上 | ◇ | |
9:15 | 峰ノ松目 | 9:35 | |
10:25 | 赤岩ノ頭 | 10:35 | |
10:50 | 硫黄岳 | 11:05 | |
11:35 | 硫黄岳山荘 | ◇ | |
12:20 | 横岳 | 12:40 | |
13:10 | 硫黄岳山荘 | ◇ | |
13:25 | 硫黄岳 | ◇ | |
13:40 | 赤岩ノ頭下 | ◇ | |
14:15 | オーレン小屋 | 15:15 | |
15:45 | 夏沢鉱泉 | 15:50 | |
16:10 | 桜平登山口 | ◇ | |
16:30 | 駐車スペース | ◇ | |
国道152号他 縄文の湯立寄り |
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18:50 | 諏訪IC | ◇ | |
中央自動車道,首都高速 | |||
23:25 | 富ヶ谷ランプ | ◇ |
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夜の間じゅう、風は止まなかった。翌朝5時に起床したら、外は前日以上の強風、ガスである。ガスは霧雨状となってフライシートに落ちてくるので、テントの中にいるとそれが雨音のように聞こえる。
天気予報はよく、特に山梨県側は快晴のようである。山の天気はわからないものだと、隣りに幕営していた家族連れは、そのままどこにも登らず帰っていったようだ。
自分もこんな天気が続くなら登る気もない。とりあえず6時まで待つ。それでも風は止まずもう1時間粘る。このまま諦めて下るとしても、1時間くらいしか歩かない。時間に余裕はあるので、結局8時半まで様子をみた。
ガスが上がり、南八ツの稜線が突然現れる。硫黄岳にて |
樹林帯を登る |
三角点がある |
赤岩ノ頭へ |
硫黄岳が現れる |
タカネシオガマ |
山梨県側を望む |
主峰を仰ぎ見る稜線 |
コマクサ |
南アルプスも |
ヤツガタケキスミレ |
横岳へ |
昨日と同じく、風が弱まったところで出発する。このまま下山する選択肢はない。やはり登ることにする。山の天気は読みづらくても、麓の天気予報がまったく参考にならないことはない。数日来吹いていた風も止み、そろそろ山と麓の空気が一体化するはず。初登頂となる峰ノ松目を目指す。
八ヶ岳は赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、権現岳、西岳、編笠山、そして天狗岳の八つの峰を称してそう呼ばれているのだが、天狗岳の代わりに峰ノ松目を入れるという説もある。そういう意味で、峰ノ松目はいわば八ヶ岳の9番目の山である。横岳あたりの主稜線から見ると、硫黄岳から長野方面に突き出した尾根筋にきれいな三角錐を形作っているのだが、山頂は樹林に囲まれて眺めはないという。
オーレン小屋からは峰ノ松目への登山道が伸びている。登頂後、天候が回復すれば硫黄岳方面に接続することもでき、小屋から周回が可能なコースとなる。
最初は樹林の中、やがて硫黄岳への道を分け、鬱蒼としたシラビソの樹林帯となる。道はよく踏まれている。
相変わらずのガスの中、シダのはびこる地帯を過ぎるとほどなく、赤岩ノ頭からくる尾根道に合流する。右折してさらに高みを目指す。樹林帯をなおも進むと左手に大きな岩が現れ、それを回り込むように下っていく踏み跡もあったが、峰ノ松目はそのまま尾根道を直進。
2箇所ほど急で注意を要するところはあるが、ところどころ木段も設置され、それほど危険なところはない。傾斜がなくなって、頂上かと思ったがさらに先があった。やや右に方向を変えひと登り、シャクナゲと樹林に囲まれた峰ノ松目頂上である。
ひっそりとしていて、明るいイメージの八ヶ岳とは思えないような場所である。やはり八ヶ岳の一員として、天狗岳にその地位を奪われてしまうのは仕方がない。しかしこの山頂には三角点がある。
山頂より先、シャクナゲの中に踏み跡が伸びていたので、もしかしたら西側から登ってこれる道があるのかもしれない。
先ほどの合流点まで戻る。このまま下ってしまうのはやはりもったいない。風は弱くなっているのでとりあえず尾根続きの赤岩ノ頭まで歩くことにする。
歩くのも川の字で |
横岳頂上 |
富士山も現れる |
赤岳 |
岩場の通過 |
ウルップソウ |
花に舞う蝶 |
広大な森 |
右手の方角、不意にガスが流れ、対岸の山々輪郭が見えた。またすぐガスの中に消えたが、今回初めての眺望である。少し期待していいかもしれない。さらに歩を進めていくと、麓の町並みが雲の間から覗き、続いて峰ノ松目が姿を現した。
それからは早かった。シラビソの樹林帯を抜けると登山道は急登となり、シャクナゲや低潅木の中、あたりがどんどん開けてくる。進む先に赤岩ノ頭のピーク、そして左にまだ高い硫黄岳が現れる。
ハイマツの稜線を緩く上って赤岩ノ頭。ガスが急速に上がって、南八ヶ岳の主稜線である横岳や赤岳、大同心の岩峰も見える。1時間前の天候からしたら、ここで360度の眺めが得られるのが信じられない。何をおいても、今朝オーレン小屋で諦めて下ってしまわないでよかった。
気温も上がり、快適な稜線歩きができそうだ。鞍部に下り、硫黄岳に向かう。登山者もどこからやってきたか、天候回復を図ったかのように大勢繰り出している。
タカネシオガマやミヤマダイコンソウを見ながら、岩場を巻いて、砂礫と爆裂火口の硫黄岳に立つ。周囲はいったんガスに包まれるが、再び切れて赤岳、阿弥陀岳が現れる。
朝の天気からして、ここまで来れれば御の字なのだが、当初の予定通り横岳まで往復することにした。
硫黄岳山荘周辺はコマクサがかなりの数咲き出している。また、そのそばにヤツガタケキスミレも。青空の下、岩の稜線を登る。大同心を前景に阿弥陀岳の巨体、その背後には南アルプスを遠望。横岳に近づくにつれハクサンイチゲ、チョウノスケソウ、ミヤマキンポウゲ、そしてウルップソウと、見られる高山植物の種類もどんどん増えていく。鎖場を越えて横岳頂上。富士山が雲海の上にあった。
この日、麓はの甲府市は気温35度以上の猛暑日となった模様。ここ標高2900mの地だと計算上15度くらい低い。休憩していても肌寒いことはなく快適である。
さすがの好天の稜線も、再び雲が目立ってきた。硫黄岳から赤岩ノ頭の鞍部まで来た道を戻る。明日は平日でもあり、午後2時になれば山頂に集う人の数もずいぶん減る。赤岩ノ頭鞍部から、オーレン小屋に直接下る道に入る。いまから登ってくる人たちは硫黄岳山荘に泊まるのだろうか。
下にクロユリが一輪咲いていた。朝歩き始めの、樹林の道に合流し、さらに緩く下ってオーレン小屋に戻る。テントの数も数えるほどになっていた。
下山は15時を過ぎてからとなった。昨日と違い、日が差し込み明るい森の道。30分ほどで夏沢鉱泉。時間が遅いので日帰り入浴は諦めた。さらに30分ほどであっけなく、桜平登山口である。荷物の重さに体が慣れてくるようになる前に着いてしまった。
しかし、車の場所までは、さらに数十分ほど歩く必要があった。これがなかなかきつい。標高をを下げるについれ気温も上がり汗が吹き出す。
駐車スペース付近はアブの天国になっており、ドアを開けるたびにアブを車に取り込む羽目に。そのまま悪路を走り下り、国道に近くなったところでアブを追い払う。このまま東京に連れて帰るわけにはいかない。縄文の湯で汗を流し、八ヶ岳の地を後にする。
三連休の高速道路はそれなりに混雑はしていたが、下山時刻が遅かったせいもあり渋滞のピークは外せたようだ。それでも帰宅は12時近くになった。