山の写真集 > 八ヶ岳・信州 > 桜平から峰ノ松目、硫黄岳
  • -八ヶ岳の9番目のピーク-
  • 桜平-オーレン小屋-峰ノ松目-硫黄岳-横岳
  • 八ヶ岳
  • 長野県
  • 箕冠山(2590m),峰ノ松目(2567m),赤岩ノ頭(2656m),硫黄岳(2760m),横岳(2829m)
  • 2012年7月15日(日)~16日(月)
  • 1日目:6.5km、2日目:10.4km
  • 1日目:3時間30分、2日目:5時間50分
  • 1089m(桜平駐車スペース-横岳)
  • オーレン小屋(テント泊)
  • 縄文の湯
  • マイカー
天気1
天気2

 

地図
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2012年7月15日(日)前夜発
調布IC 18:05
  中央自動車道
原PA泊
諏訪IC 4:50
  国道152号他
7:00 桜平(駐車スペース) 7:45
8:10   桜平登山口
8:25   上槻木分岐
8:40   夏沢鉱泉 8:50
9:40   オーレン小屋 12:50
13:30 箕冠山
13:50 根石小屋 14:35
15:25 オーレン小屋(テント泊)
2012年7月16日(月・祝)
  オーレン小屋 8:30
9:00 分岐
9:00 尾根上
9:15 峰ノ松目 9:35
10:25 赤岩ノ頭 10:35
10:50 硫黄岳 11:05
11:35 硫黄岳山荘
12:20 横岳 12:40
13:10 硫黄岳山荘
13:25   硫黄岳
13:40   赤岩ノ頭下
14:15   オーレン小屋 15:15
15:45   夏沢鉱泉 15:50
16:10   桜平登山口
16:30 駐車スペース
  国道152号他
縄文の湯立寄り
18:50 諏訪IC
  中央自動車道,首都高速
23:25 富ヶ谷ランプ

 

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海の日を含む3連休は、今年も八ヶ岳に登ることにした。先日フライシートを購入したので、設営の練習もしたい。テントを張れる手ごろな場所といったら、首都圏近くではやはり八ヶ岳である。
しかし今回は梅雨明け直前ともあって、天候に悩まされた。両日とも下界では晴れていたようだが、標高の高いところはガスと雨、強風の世界だった。2日目、日が高くなった頃にようやく晴れてくれたので、テントを張っただけで終わってしまうような山行は避けられた。


峰ノ松目山頂は樹林の中

今まで青年小屋、行者小屋、赤岳鉱泉、本沢温泉のテント場を利用したことがあるが、今回はオーレン小屋にする。ここを基点にすると山行プランにバリエーションが出る。南方向へは主峰の硫黄岳から横岳に登れ、北側に行けば天狗岳が近い。
南八ヶ岳縦走の定番である、硫黄岳から赤岳、行者小屋を巡る周遊コースはとりにくいが、展望のいい主稜線のおいしいところだけを歩くことができる。
また登山口である桜平からは、オーレン小屋まで標高差の小さい登山道を1時間20分ほど登ればいい。1日目の歩く時間は少ないが、駐車場が狭いようなので、早めの到着が望ましい。前日出発してドライブインで仮眠する。

ゲートのある桜平登山口。一般車はここまで


桜平登山口

夏沢鉱泉までは送迎車が入るため、登山道というよりもまだ林道である


林道の延長

濃緑に包まれた沢沿いの道が続く


沢沿いの道

夏沢鉱泉。青い板はソーラーパネル


夏沢鉱泉

オーレン小屋への登山道は急なところもなく歩きやすい


登山道

オーレン小屋


オーレン小屋

オーレン小屋のテント場。美味しい水場がちかくにありテント設営地としてはいい


だけかんばテント場

オーレン小屋前には強清水(こわしみず)という美味しい水が湧いていた


オーレン強清水

諏訪ICから国道を走り、夏沢鉱泉を示す案内板にしたがって右手の未舗装の林道に入る。雨が降っている上に、デコボコで大変な砂利道だ。先日の田代山登山口までの林道ほど長くはないが、道の荒れ具合はこちらのほうが激しい。
後ろから来ている車をはじめ、路駐している車はみな四輪駆動である。軽自動車でこの道を走るのはかなり無謀な気もする。
駐車場のすぐ手前の、桜平登山口まで何とか上がってこれたが、車が何台も後戻りしてきた。駐車場にはこれ以上入れないと言う。しかし道幅が狭く、すれ違うのも大変。声を掛け合って何とかUターンして戻る。結局、空いている駐車スペースにありつくのに、駐車場の手前から(車で)5分も下ってしまった。

久しぶりの重荷なので、すぐには出発せず、雨が降り止むまで車の中で待つ。天候は一応、回復傾向だ。歩き始めると、林道沿いにはハクサンシャクナゲやレンゲツツジがよく咲いている。
しかし林道歩きはやはり飽きる。結局、さっき車で来た桜平登山口まで、単調な道を30分近く登ることになってしまった。
準備体操中の登山者の間を縫って、ゲートをくぐる。小さな子供を連れた家族連れが何組も歩いている。初めのうちはまだ車も通れる道である。この先の夏沢鉱泉まで、送迎車や宿の車が入っていくようだ。
降ってはいないもののどんよりした曇りで、鬱蒼とした森の中は暗くて、夕方のようだ。しかし雰囲気は悪くなく、並行して流れている夏沢のせせらぎが耳に心地よい。上槻木(かみつきのき)へ至る古い道が分かれていた。

ほのかに温泉の匂いが感じられ、やがて夏沢鉱泉に着く。壁面に貼られた青色のボードはソーラーパネルだそうだが、昔ながらの鉱泉宿の雰囲気にちょっと似合わない気がする。でも、日帰り入浴も受け付けているようなので、帰りに寄りたい。
庭先に、八ヶ岳稜線の今日の天候が掲示されていた。「硫黄岳山荘・霧雨、強風。根石山荘・霧、風強し」あーあ、やっぱりそんな天気か。空模様によっては、今日のうちに天狗岳方面へ登ってみるつもりだったが、今日はテントを張るだけになる可能性のほうが強そうだ。

キバナノコマノツメ(オーレン小屋付近)


キバナノコマノツメ

タカネグンナイフウロ(オーレン小屋付近)


タカネグンナイフウロ

箕冠山山頂は樹林の中で眺めはない。少し下ると根石山荘前の稜線に出る


箕冠山

根石山荘前の稜線は、強風で立っていられないほどだった


ガスと強風

鉱泉の少し先から道は細くなり、いくぶん登山らしくなった。1年ぶりの大きなザックはまだ体にしっくりきていない。オウレン、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウなどをよく目にする。キバナノコマノツメも咲いていた。
急なところもあまりないまま、少々ぬかるみのある道を行く。沢沿いに黒い導水管のようなものが伸びている。看板によると、このままオーレン小屋につながっているようだ。オーレン小屋は水場の水がおいしいことで有名である。

沢を渡った後、相変わらず幅広い道を緩く登っていくと、あっけなくオーレン小屋の前に出た。この時間からすでに、かなりの人出だ。小屋の前に建つ予備舎のような?建物も、今日は宿泊棟として準備されている。
小屋でテントの申し込みをして外に出たら、雨が激しく降ってきた。急いで「だけかんばテント場」へ。もう20張りくらい張られている。これは昨日からの設営組も多いのだろう。
雨は通り雨だったようですぐに元のガスの空に戻る。風がゴーゴーと音を立て、雲が流れるので上空には時々青いものも覗くようになった。テント設営後、風が収まるのを待って、軽身で出かけることにする。

輪深い針葉樹林帯の中を登る。急なところはない。根石岳の手前、箕冠(みかぶり)山のピークまでは300m近くの標高差があるので、近いようながら時間はある程度かかる。
時折り日差しがこぼれるが、上のほうではまだ風の音が聞こえる。高度を上げると周囲はガスが濃くなった。箕冠山は樹林の中。ここから少し下って根石岳手前の砂礫の稜線に向かう。

樹林が切れたとたんにものすごい風。吹きさらしの稜線はガスで何も見えない。根石山荘への下り口あたりに来ると、あまりの強風で立っていられない。コマクサの咲くのもあまり見ずに、山荘へ駆け込む。根石山荘は12年前、八ヶ岳を初めて縦走したときに泊まって以来で懐かしい。稜線から少し下がったところにあるとは言え、よくこんなところに小屋が立っているものだと思う。室内のたたきには、同じように風を避けて休憩している人が何人かいた。下界は猛暑で天気がよいらしいが、ここ八ヶ岳の山の上は全くの別世界だ。 しばらく様子を見たが、ガスと強風は収まりそうにないので、今日はこのまま戻ることにした。根石岳山頂は目と鼻の先ですぐ登れそうだが、無理はしない。 オーレン小屋のテン場へ戻る。長い1日が終わり、寝るとする。明日は晴れてくれるのだろうか。