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2010年7月18日(日) 前夜発
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◇ | | 調布IC | 19:55 |
中央自動車道 |
4:30 | | 諏訪南IC | 5:00 |
県道425号、484号 |
5:20 | 美濃戸口 | 6:00 |
6:20 | 御小屋尾根登山口 |
7:30 | 御小屋山 | 7:40 |
8:10 | 不動清水 | ◇ |
9:50 | 阿弥陀岳 | 10:40 |
11:02 | 鞍部 | ◇ |
11:50 | | 行者小屋 (テント泊) | ◇ |
2010年7月19日(祝)
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◇ | 行者小屋 | 4:45 |
4:52 | 文三郎道 | ◇ |
5:32 | 稜線 | 5:37 |
6:05 | 赤岳 | 6:42 |
7:07 | 地蔵ノ頭 | ◇ |
8:25 | 横岳 | 8:40 |
9:25 | 大ダルミ | ◇ |
9:40 | 硫黄岳 | 10:00 |
10:12 | 赤岩ノ頭下 | 10:15 |
11:00 | 赤岳鉱泉 | 11:05 |
11:35 | 行者小屋 | 12:25 |
12:40 | 白河原 | ◇ |
13:55 | 美濃戸山荘 | ◇ |
14:35 | | 美濃戸口 | 15:40 |
県道484号、11号 |
16:00 | | 小淵沢IC | ◇ |
中央自動車道 首都高速 |
22:00 | 目黒IC | ◇ |
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3連休の初日、7月17日に梅雨明けとなった。この日から八ヶ岳テント山行に出かける予定でいたが、体が玄関に向かず、夏の1日目は家で過ごした。1泊になってしまったので、2日分以上歩くべく、17日夜から車で出発する。
以前から登りたかった御小屋尾根、またはキレット小屋でのテント泊を想定し、コースを考えた。
車で行くからには往復登山にするか、下山後の車の回収を考えたコース設定にする必要がある。中央線の茅野駅付近に停められれば、南八ツ・北八ツ両方へのバス便があるのでコース設定のバリエーションが広がる。しかし無料の(または安い)駐車場が見当たらない。
富士見駅、すずらんの里駅前も車を停められるようなので、そこから中央線で茅野駅に行くことも考えられる。
阿弥陀岳西の肩から
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また、小海線の甲斐小泉駅に停め、天女山入口→権現岳→キレット小屋泊→赤岳→御小屋尾根→美濃戸口というのは、帰路に中央線・小海線で戻って車を回収するプラン。
1時間の車道歩きで始まるが登山コースとしては充実している。
小淵沢駅周辺の駐車場が利用できるとさらに自由度が高くなるが、駐車場所がいまひとつわからない。
結局、美濃戸口から御小屋尾根に取り付き、阿弥陀岳登頂後、行者小屋でテント泊することにした。テントを背負っての御小屋尾根はきついかもしれないが、翌日は軽身で南八ツの主稜線を巡ることができる。
いずれにせよ、梅雨明けの海の日3連休、どこを歩いても大いに賑わうだろう。キャンプ場、さらに帰りの高速の渋滞は覚悟の上である。
| 美濃戸口からスタート |
| 御小屋尾根入口 |
| 笹とカラマツ |
| イチヤクソウ |
| ハクサンシャクナゲ |
| 阿弥陀岳が大きい |
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双葉SAで車中泊する。夜はそれほど暑苦しくなかった。
翌朝、須玉あたりで通り雨に逢うが、長野県に入ると次第に雲を割って、八ヶ岳の優美な曲線が覗いてきた。空も、まだ眠たげな淡い青色を帯びてきた。
諏訪南ICから美濃戸口を目指す。静かな山間地を進むうち、やがて見覚えのある美濃戸の別荘地に入った。
路上に何台も車が停まっている。はて、団体でも避暑に来ているのだろうか。と思ったら、車列は美濃戸登山口の駐車場まで、100mほど続いていた。朝の5時半にして、100台収容の駐車場はすでにいっぱいである。
仕方がないので、さっき見ていた車列の端まで戻って、自分も路上駐車することになった。
外に出ると、やはり高原地だ。Tシャツでは少し肌寒さを覚える程度、そして朝の空気が爽やかで美味しい。
今日はいつもの美濃戸山荘方面への登山道ではなく、正面の緩い車道を上がっていく。駐車場より上の車道は空いているので、路駐はこのあたりでもよかったかもしれない。
なお、美濃戸山荘の駐車場もすでに満車らしく、登山道に沿ってつけられている車両通行用の林道は、ロープで入れないようになっている。海の日の3連休、恐るべしである。
森の中の別荘を見ながら、車道歩きを20分ほど。舗装が途切れた50mほど先が登山道入口。「阿弥陀岳」の標識に従って山道に入る。背の低い笹と雑木林の静かな雰囲気。やがてカラマツ林となる。
テント装備は今年初めて。このまま稜線に上がるまで気温が上がらず、涼しいままでいてほしい。
尾根状となり、針葉樹も混ざってくる。道はギャップもきつい急登もなく、総じて歩きやすい。足元にはイチヤクソウ、そして目の高さにはハクサンシャクナゲが多い。ちょうどシャクナゲの花期のようである。
静かな道で出会う登山者も数えるほどだ。この賑わう日にしてこれだから、普段はここで人に会わないのではないか。時たま右手が開ける場所に出て、隣に並行する阿弥陀岳南稜が見える。南アルプスの稜線も雲の上に浮かんでいた。
美濃戸口から行者小屋に直接行く道は、緩い登りばかりの印象だが、実際歩いてみると、沢沿いの道や石ゴロなどがあり、思った以上にきつい。御小屋尾根は長いが、下部は尾根道であり、こちらのほうが歩きやすい。
シャクナゲやシラビソなどの黒木の中、少し傾斜のある登りとなり、南からもう1本の道を合わせたところで小広い場所に出る。時間的には、ここが御小屋山と思うが、山名標識は見当たらない。
三角点のある山頂といっても、ここは赤岳鉱泉や行者小屋より標高は低い場所だ。本来の八ヶ岳のエリアへは、ここからが本番だ。
平坦地は東西に長く、歩き行くうちに下り気味となる。鬱蒼とした森の中、山が少し険しくなった感じがする。右手に明るい光がさす。編笠山の丸い山体が覗いた。さらに進むと大きく開けた展望地に出る。南稜の奥に権現岳もここからならではの特徴ある姿で顔を出している。
樹林帯に戻ると、いよいよ本格的な急登が始まった。ザックを背負い直す。再びやせた展望箇所に出る。正面に阿弥陀岳が大きく高く、覆いかぶさるよう。御小屋山から阿弥陀岳の標高差は670mあり、東京スカイツリー1本分もあるのだ。
それをこれから1時間ちょっとで登ってしまうのだから、人間とは大したものである。
| 権現岳 |
| 阿弥陀岳頂上 |
| 峻険な下り |
| 慎重に下りる |
| 賑わう行者小屋 |
| 赤く染まる |
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歩きやすいと思っていた御小屋尾根も、上部はやはり急登の連続となる。森林限界から上は岩ガラガラの登りになる。 編笠、権現や南アルプス、そして硫黄岳などの八ヶ岳主峰もせり上がってきた。振り返ると高度感たっぷりの眺め。遠くに木曽御嶽山の姿が特徴的である。
ずり落ちてしまいそうな急坂に、ミヤマダイコンソウ、タカネシオガマといった八ヶ岳でよく見られる花と対面する。 浮き石が多く、油断するを多量に落としてしまいそうだ。前日の雨のせいなのかもしれないが、阿弥陀岳は反対側の斜面もこんな感じの悪場が多い。今日はそれほどの人出ではないが、他の登山者とは十分な距離を取って登る必要がありそうだ。
西の肩といわれる岩場に上がる。梯子で登る機会が多くなった。周囲は雲が沸き立ちダイナミックな眺めだ。
このあたりで多くの登山者とすれ違うようになる。お互いに落石に注意。さらに岩尾根を登って阿弥陀岳頂上に達した。峻険な登路から一転、頂上部は広くのんびりした雰囲気。赤岳や行者小屋から登ってきた登山者が大勢休憩していた。
展望は素晴らしい。久しぶりのくっきりすっきりの富士山、雲海の上の南アルプス。編笠、権現、キレット、天狗、赤岳と続く八ヶ岳の峰々。行者小屋のキャンプ場も見える。かなりのテントの数だ。
遠くには中央アルプス、北アルプスもずらっと並んでいる。赤岳の頂上には多くの人が立っていて、まるで柱が何本も立っているかのように見える。
緑鮮やかな山々、黒光りする峻険な岩山、残雪なおしたためる高峰群。目の前に繰り広げられるのはまさに日本の夏山の姿である。四方から雲が沸き、阿弥陀の頂上は一瞬にして真っ白になったかと思うと、またすぐに雲が消え展望の地となる。梅雨明け直後の山の眺めはめまぐるしい。
登りの途中でいっしょだった人と話す。赤岳まで登って地蔵尾根から下山するとのこと。このコースを日帰りとは健脚だが、朝早く登り始めていればそう無茶でもない。
聞くと、夜中の1時ごろ車で美濃戸口に着いたのだが、そのときすでに駐車場は満杯近かったそうだ。テントで飲んで下さい、とパックの焼酎を差し出し、赤岳のほうに向かっていった。
自分も行者小屋へ下山とする。正面に大きな赤岳を見据えながら、中岳との鞍部に下るまでは気の抜けない急降下が続く。
岩がもろく、ここも落石が注意だ。八ヶ岳にも若い女性が本当によく増えた。こういう岩場はやっぱり苦労するようで、たちまち後ろが行列になってしまう。
ハクサンイチゲ咲く場所だが、後ろがつかえているのであまり見れずに鞍部に向かう。
雲もずいぶん出てきた。赤岳や阿弥陀岳はすでに日陰となっている。
鞍部からは斜度の緩い下りが行者小屋まで続く。1箇所崩れていて巻き道になっている場所があった。上からも下からも、登山者が後を絶たない。花はオウレンくらいになるが、オサバグサが増えてきたので写真に収める。文三郎道と合流して沢筋を下ると行者小屋に着いた。
まるで銀座の歩行者天国ばりに、人がわんさといる。そしてテント設営地も満杯状態だ。生ビールやおでんも飛ぶように売れている。
小屋でテントの申し込みをするが、果たしてどこに張れるか。小屋の前だけでなく、周囲の樹林帯にもかなりの数のテントが張られている。小屋の真後ろの針葉樹の中に、ちょうどいいスペースがあったのでそこに設営した。
小屋前の広場は大いに賑わっていたが、この樹林帯のスペースは小屋の裏手にあるせいか、人の声は届かずに意外なほど静かである。前夜からちょっと体力的にきつい行程で来ており、ゆっくり昼寝したかったのでちょうどよかった。
夕暮れ近くになり、目が覚める。ガスの中だった赤岳や横岳大同心の雲が飛び始め、夕日に赤く色づき始めた。明日は今日より、すっと天気がよくなりそうである。
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