~岩稜の頂に高山植物咲き競う~ 花の横岳(2825m)・硫黄岳(2760m) 2003年7月5日(土)~ 6日(日) 美濃戸口-美濃戸-赤岳鉱泉-硫黄岳-横岳 |
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明日の天気が怪しい。今日中に横岳を往復してしまおう。 7月初は八ヶ岳で一番花の多い時と言われるが、硫黄岳山荘付近のコマクサは咲き始め程度で全体ではまだまだ、やはり横岳付近まで足を伸ばしたい。
ハクサンシャクナゲもこのへんになるとけっこう咲いている。岩むき出しの稜線に、目にも鮮やかなオヤマノエンドウの紫色、ミヤマダイコンソウの黄色と咲き続く。コマクサも多くなる。道の両側には植生保護のためのロープが張られるが、横岳に向かって高度を上げるに従い花は多くなる。 ミヤマシオガマ、ヤツガタケキスミレ、タカネツメクサ、イワウメ、チョウノスケソウ、イワベンケイ、そしてハクサンイチゲが鎖場下に群生している。昨年は年間を通して、北アルプスにいた4日間しかハクサンイチゲを見られなかった。今年は何回かの山行にまたがって、夏山の主役であるこの花を見たい。 鎖や梯子を使って横岳頂上へ。山梨側の斜面はすでにガスがかかって来ている。頭上に大きく雲が立ち込め、明日の天気を暗示する。 すっかり乳白色の眺めとなる中、硫黄岳山荘に下りる。300名収容の山荘だが近ツリ・朝日(観光?)のツアーが入っていて宿泊者は150名以上。見ると、自分よりかなり年が上の人ばかり。山小屋の中でだけは、自分は相変わらず周りから「おにいさん」と呼ばれる。 山を始めてまだ6年足らずなのだが、その短い間でも山で見かける人の数は目に見えて増えている。そして年齢はどんどん上がっている。それははっきりわかる。 山荘は何とトイレがウォシュレット。水洗も簡易式ではなく本格的のものだ。赤岳直下、標高2800m付近に建つ展望荘には、今年風呂が完成すると言う。八ヶ岳の山小屋はますます近代的になっていく。
翌朝、やはり朝から雨だった。気温はそう低くはなく、風も思ったほど強くない。しかし今日は来た道を下ろう。雨具を上下着る。 視界15mくらいの中、ケルンを目印に硫黄岳へ登り返す。休憩せずそのまま下山。高度を下げるとやや雨足が強まる。しかしそれでも、ひっきりなしに人が登って来る。このまま硫黄岳山荘に直行か、それとも山頂ピストンだろうか。 赤岳鉱泉に下りると、テントの学生が小屋の軒下に退避中。少し休んで、美濃戸口に戻ることとする。 雨とガスの樹林帯は緑が瑞々しい。ゴゼンタチバナの葉もてかてかと光っている。林道に入ると雨は降ったり止んだりになった。 行きは気づかなかったが、林道を巻く登山道が左に分岐している(2箇所ある)。足元を濡れた笹にこすられるが、どうせ雨具を着ているのでその道を下ることにした。林道を素直に下りるより、若干早く美濃戸口に戻れる。 美濃戸口バス停に近づくとガスは濃いものの、雨は止んで来た。バス停前の八ヶ岳山荘で風呂に入り、10時20分のバスで茅野駅に下りる。14時台の早い帰宅となった。 |