山の写真集 > 東北 > 弥陀ヶ原から月山
  • -広大な山稜を埋め尽くす紅葉-
  • 月山八合目-仏生池-月山-牛首-装束場-志津
  • 鳥海山・月山周辺
  • 山形県
  • 月山(1984m)
  • 2014年9月27日(土)
  • 13.6km
  • 6時間30分
  • 606m(月山八合目-月山)
  • 高速バス、路線バス、車
天気1

 

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2014年9月27日(土)前夜発
新宿駅 21:50
  夜行高速バス
5:30 鶴岡駅前 6:02
  庄内バス
8:00   月山八合目 8:05
8:20   弥陀ヶ原 8:35
9:40   仏生池
10:15   行者返し
10:50 月山神社 11:50
12:00 頂上分岐 12:05
12:50 牛首
13:10 金姥
13:55 装束場 14:00
15:35 ネイチャーセンター 15:40
16:10
志津温泉 17:45
  仙台屋入浴立寄り
18:15 西川バスストップ 19:21
  高速バス
20:00 山形駅(山交ビル) 22:30
  夜行高速バス
5:15 東京駅

 

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下山は姥ヶ岳~湯殿山方面へ向かう。山頂からはしばらく急な下りとなる。リフトが使えるこちら側のほうが、やはり行き交う人は多い。紅葉の色づきも弥陀ヶ原コースより鮮やかなようだ。


月山山頂から姥ヶ岳・湯殿山方面へ、石畳の道を下る

山頂直下は急坂で、石がゴロゴロして歩きにくい

急坂を下る

午後になっても姥沢リフト方面から登ってくる人が多い。最奥の稜線で目立つ山は、朝日連峰の以東岳

登山者行き交う

紅葉に彩られた石畳の道をゆっくり下る

石畳の道

牛首付近は月山山頂方面も見渡せて休憩適地

牛首付近

ハクサンイチゲがまだ咲いていた(金姥付近)

ハクサンイチゲ

牛首~金姥間は左右が開けて眺めがいい。右(北面)には、牛首付近から派生した尾根が麓まで下りているのが見える

北面の眺め

金姥を過ぎると、湯殿山を正面に見ながら谷状の登山道を緩く下っていく

大きな湯殿山

金姥から先はカエデの黄葉も多く見られるようになる

黄葉も

石畳の急坂は整備されてはいるが、人によってはかなり苦労して登り下りしている。急な下りが一段落すると、伸びやかな稜線歩きがしばらく続く。リフト駅への分岐である牛首付近はとても快適である。
黄色の草紅葉が鮮やかなリフト方面を見送り、装束場~湯殿山方面の道に入る。とたんに歩く人の数が減り、石畳もついえた。前方に姥ヶ岳、右手に牛首付近から派生した長い尾根を見上げながら、笹と紅葉の稜線をさらに進む。この付近はエゾリンドウやアキノキリンソウに混ざって、なんとハクサンイチゲが咲いているのには驚いた。
緩やかに下っていくと金姥というところで、姥ヶ岳と湯殿山との分岐となる。姥ヶ岳にも登ってみたかったが、ここまでけっこう予定時間をオーバーしていたので、今回はパスする。
姥ヶ岳の北面を巻く道に入る。登山道は少し険しくなり、ようやく東北の山らしくなってきた。登山者も数えるほどで、名の知れた湯殿山に向かう道の割には思ったほど歩かれていないようだ。

谷状の道となり、何度か沢をまたぐ。標高はずいぶん落としてきたが、このあたりの紅葉も艶やかだ。そして目の前にそびえる湯殿山が大きく堂々としたいでたちで、これが登山道のない山とはもったいない気もする。おそらく湯殿山神社のご神体ということで、登ることはできないのだろう。
小屋の立つ装束場という場所に出る。右手に下るのは湯殿山神社への道、今回は左折して志津温泉に下る。
月山に来て、湯殿山神社に立ち寄らないのはこれももったいないのだが、山登りのコースとしてはやはり志津までのブナ樹林帯を歩きたい。沢沿いの道になるようなので、スパッツをつけてから下りに入る。

登山道は姥ヶ岳と湯殿山の間の開けた谷筋につけられている。沢を何度も飛び石伝いで渡る。そういう場所以外はここも石畳の道がずっと続いている。
月山山頂付近の規則正しく埋め込まれた石畳とは違うが、これほど丹念に石の道が造られている山も珍しい。なおここは、ゴールデンウィーク前後には絶好の春スキーゲレンデとなるそうである。
下っていくにつれ、木々の色づきは緑色が増してくる。強い日差しが照りつける山道にはウメバチソウが群生し、過ぎ去った夏の面影を垣間見る。ところどころで「玄海広場(ネイチャーセンター)・志津」を示す導標が出てくる。

金姥からの下りでは、見事に色づく月山山頂方面を見上げる

錦模様

装束場で、眺めのいい稜線も終わりとなる

装束場

ダイモンジソウ(装束場~ネイチャーセンター間)

ダイモンジソウ

青空に映える(装束場~ネイチャーセンター間)

青空と紅葉

装束場からの下山路は整備された石跳川沿いの道となった。指導標も多く出てくる

ネイチャーセンターヘ

石跳川沿いの登山道はブナなどの自然林豊かな道。なおも石畳が続く

なおも石畳の道

志津温泉は10軒ほどの旅館が立ち並ぶ。姥ヶ岳や月山が眺められた

志津温泉


ほぼ沢に沿う道だが、時々ブナの樹林に入る。一帯はネイチャートレイルと呼ばれる自然観察路が作られており、今歩いている登山道も、そのコースに何度か合流する。そちらに入り森深い道を歩けば、豊かなブナの原正林を楽しめるようだが、この志津へ直接下る登山道はあくまでも沢筋をまっすぐ下っていくので、ブナにはあまり出会えない。
それでも、涼しげな沢の音を聞きながらの山道は初夏、登りにとっても楽しそうだ。

かなり下って来たと思う頃、道はほとんど傾斜がなくなる。石畳が終わり木道となって、やがて舗装された車道に出た。そのすぐ先がネイチャーセンターだった。
せっかく東北に来たのに宿泊しないのはもったいない思いもあるが、今日は月山の日帰り圏内コースとして、一番歩きがいのある部分を歩けたので充実した1日となった。

車道を10分ほど下って志津温泉に着く。月山や姥ヶ岳をバックに五色沼が静かな佇まいを見せていた。車道沿いに10軒ほどの旅館が建っている。つたやという旅館で入浴しようと思ったが、もう日帰り入浴の時間は終わったという。いつのまにか16時を過ぎていた。何軒か尋ね回り、仙台屋という旅館で日帰り温泉にありつけた。

温泉では、地元(西川町)の登山ガイドの方がいて、山の話がはずんだ。麓までバスで下る予定だったが、車に乗せてくれると言うのでお言葉に甘えた。
夜行バスで帰る場合は、発車時刻まで時間をもてあましてしまうのがネックなのだが、今回は登山ガイドさんにいろいろ面白い話も聞けたし、有意義な時間を過ごせた。

車の中で月山の石畳道のことを聞いたら、雪深い山であるが故に、木道より維持管理がしやすい理由もあると言う。たしかに歩く側としても、木道に比べてスリップもしにくいので好都合である。それでも気温の下がった日には、霜柱が石を持ち上げて浮かせてしまうこともあるそうだ。
月山は豪雪の山、普段の冬なら5メートルは裕に積もるらしい。
西川バス停で降ろしてもらう。すぐ上が高速道で、山形駅行き高速バスを1時間ほど待つ。

もうひとつ、下山後に大きなニュースが待ち受けていた。木曽御嶽山の噴火である。すぐに親戚や知り合いから、「御嶽山に登ってないよね?」との確認のメールや電話を何本かもらってしまった。
登山を趣味とする人の中には、この日同じように知り合いから気遣いのメールをもらった人は多いのではないだろうか。
月山と同じく、御嶽山も自分にとってはいままで未踏の山だった。古くからの信仰の山で裾野を大きく広げた独立巨峰、紅葉が見頃。2つの山に共通する部分はいっぱいある。しかも2週前に中央アルプスからこの山を眺め続けていた。
今日、なぜ自分が御嶽山でなく月山を選んでいたのか、自分の心理はわからない。

山形駅前でそばと牛丼をたいらげ、さらにハンバーガー屋で時間をつぶす。22時過ぎ、東京行きの夜行高速バスに乗り込む。