-静かな大晦日の湖岸の山-
タイトル
石割の湯-高指山-山伏峠-石割山
山域富士山周辺
地域山梨県
標高高指山(1174m)、大棚ノ頭(1268m)、石割山(1413m)
山行日2010年12月31日(金) 天気1
沿面距離12.4km
歩行時間4時間45分
標高差443m(石割の湯~大天狗)
宿泊-
温泉石割の湯
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2010年12月31日(金)

調布IC5:30
 中央自動車道
東富士五湖道路
山中湖IC6:45
 国道138号
県道729号
国道413号
7:05石割の湯7:15
7:25車道分岐
7:42高指山分岐
8:20高指山8:25
8:40富士岬平8:45
9:20大棚ノ頭
9:30山伏峠(上)
10:15奥ノ岳分岐10:20
11:00日向峰(下)
11:25石割山12:10
12:25石割神社
12:35あずまや
13:00石割の湯14:45
 国道413号
県道729号
国道138号
15:20山中湖IC
 東富士五湖道路
中央自動車道
16:50高井戸IC


関連リンク
[記録] 御正体山
石割の湯
山中湖観光情報


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2010年も押し詰まった。今年は入山日数が64日と、今までで一番多い日数となった。
宿泊日数も18泊と、自分が一番はまっていた時期である2002~3年に次ぐものだ。今はさらに車中泊も含むので、ずいぶん山に費やした時間が多くなった1年だった。これは、学生時代の同期で、山を始めた友人と一緒に行く機会が多くなったのが一因であろう。先日大学のサークル(軽音楽)の同窓会があり、そこでも何人かの人と山に行く話が持ち上がった。自分もついに、そういう年代に入ったのだ。
来年は今年以上に、人と山に登る機会が増えるだろう。

山中湖畔、石割の湯に車を置いて、一回りするコースを今日は歩く。高座山はずいぶん前に一度登っている。山伏峠付近も御正体山からのルートで歩いた。
奥ノ岳分岐から石割山の間だけが未踏である。途中に登り返しがあってそれなりに時間はかかりそうだが、展望もいいし、周回コースとしては面白そうだ。


高指山から望む富士山と山中湖

河口湖ICから東富士五湖道路に入る。温度計は氷点下6度をさしていた。

石割の湯から歩き出す頃にようやく日が昇り始める。耐えられないほどの寒さではない。秋口は10度を割ったくらいでブルブル震えていたのに、今は氷点下の気温に体が慣れてきている。
人間の体の順応性というか、環境適合性はすごいものがある。

カヤトの高指山
東面は下まで白い
明るい稜線
笹を掻き分ける

しばらくは、テニスコートや山荘の間を縫って舗装道路を歩く。東海自然歩道との標識がある。
正面に見えてくるまろやかな三角のピークが高指山のようだ。中腹まで別荘の建物が貼り付いている。登山口から、半ば別荘への歩道とも言える道を登る。以前歩いたことがあるのに記憶が全くない。
最後の建物をやり過ごすと、低潅木のゆるやかな尾根となる。そしてカヤトの斜面広がる地に出ると、もう高指山のてっぺんが見えてきた。想像以上にあっけない登路になりそうだ。
しかし枯れたススキの中につけられた道は展望がよく、振り返れば富士山と山中湖がきれいに見える。そして遠くには南アルプスの白い峰も。

高指山の山頂に着く。稜線上は風がことのほか冷たい。富士山を中心としたすばらしい眺めが広がっているのだが、寒いので早々に歩を進める。
ここから鉄砲木ノ頭を経て三国山稜に入るコースも捨てがたい。今日は反対側の稜線を進む。

ブナも所々混ざる自然林の尾根は見通しがよく、歩きやすい。遠く相模湾も光っている。登山道の雪はうっすらとまぶした程度で、靴裏につくようなものではない。緩い下りと登りが繰り返しながら、次第に高度を上げていく。
次のピークは富士岬平との名がついている。富士山の眺めは高指山と同じだが、標高が若干上がった分だけ見える角度も違う感じがする。
緩いアップダウンはさらに続く。道標は山伏峠や菰釣山を示している。

やがて、笹が登山道を覆う所が現れた。場所によっては、笹は背丈以上ある。昨日降った雪が笹の葉に乗っていて、掻き分けるたびに腕や上半身が雪まみれになった。
ツガか何かの針葉樹が出てくると、道はヤセ尾根になりアップダウンもきつくなった。ロープの張られた急な登りをこなし、さらに高度を上げると分岐に出た。左は山伏峠、右は菰釣山方面だ。真ん中の大棚ノ頭への踏み跡を登る。数分でピークに立つが眺めはない。

分岐に戻り、左に行く。しばらくして、大棚ノ頭から直接下りてきたであろう踏み跡と合流した。山伏峠へ下る道へは行かず、そのまま稜線伝いに行く。すぐ下に車道が見える。
鉄塔基部を経て、最低鞍部からは長い登り返しとなる。本日一番の頑張りどころだ。大棚ノ頭までは富士山を背にした道だが、今は方向が変わり左手に時たま姿を現す。
緩急取り混ぜた登りを何度も繰り返し、ようやく御正体山~奥ノ岳からの尾根道に登り着いた。このコースは逆だとそう大した労苦がないかもしれないが、今日のようなパターンはかなりきつい。

巡視路への分岐
石割山へ
南アルプス

太陽が薄雲に隠れるようになると寒さが身に染みる。石割山までの初めて歩く道は、標高も上がり、雪が若干増えた。
今度は富士山に正対して歩くようになるが、進行方向のピークに隠され気味になる。石割山ではなくて、その手前の日向峰である。石割山より標高は30mほど高い。登山道はこのピークを通らないが、稜線は明るく眺望が開ける場所もある。
右手に杓子山、遠く南アルプスも視界に入る。お腹も空いたので、平野付近の町並みが広く見下ろせる場所で休もうかと思うが、石割山まで頑張ることにする。
その平野方面に下る踏み跡を、指導標が示していた。「鉄塔巡視路(山中湖方面)」と書かれている。

鉄塔が現れ、西面の眺めが大きく広がった場所からひと登りで、石割山山頂に達した。軽装の外人さんのグループと、数組の夫婦が行き交うのみ。シーズンを通じて人気の湖岸の山も、三が日はさすがに静かだ。山中湖に浮かぶ釣りのボートも少ない。
富士山はまだ大きく見えている。まとわりつく雲が、雪冠に様々な模様を映し、どんどん形を変えていく。
西面がやけに眺めがよくなったと思ったが、どうも以前に来たとき以降、伐採が入ったように思う。雲取山、大菩薩嶺や雁ヶ腹摺山、雪を被った奥秩父の山々がよく見えるようになった。二十曲峠に至る林道もすぐ下にある。

石割神社までの下りは雪が緩み、ぬかるみに苦労する。神社から先はゆったりした散歩道を下る、冬の日が山中湖の湖面を照らす。あずまやから下り、富士見平で合流する林道は、おそらく先ほどの鉄塔巡視路からの道なのだろう。
石割の湯に下る。広いところに出て今日歩いた山稜をぐるりと見渡す。なかなか骨のある、大晦日の山歩だった。
この日は帰省ラッシュとUターンラッシュの狭間で高速の渋滞にも会わず、スムーズに帰れた。