~陽光溢れる道志山塊の雄~
タイトル
みしょうたいやま(1682m)
2004年12月11日(土)晴れ

8:10富士急行線・都留市駅-[バス]-8:30御正体入口-8:50登山口-9:05仏ガ沢水場-10:30峰神社10:35-11:00御正体山11;20-11:45前ノ岳-12:10中ノ岳12:15-12:30展望地13:00-13:05奥ノ岳-13:20石割山分岐-13:35山伏峠-13:40廃屋のホテル-14:40平野15:05-[バス、紅富士の湯立ち寄り)]-17:35富士吉田駅
歩行時間:5時間10分

マップ
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東京周辺で登り残していた最後の名山、と言っていいだろう。頂上に一等三角点があるものの、展望に恵まれず行程もかなりハードという話なので、ここまで後回しになっていた。

しかし登ってみると随所で展望も開け、気候に恵まれたせいもあるが、思ったほど体力的にきつい山でもなかった。そして何よりも広葉樹の豊かな、自然に恵まれた山との印象を強く持った。
新緑や紅葉の時期もいい山行になるだろう。

御正体山の一等三角点標石
御正体山の一等三角点標石

都留市駅からバスに乗り御正体入口で下車。真っ青な青空。
御正体山の主な登山コースのうち、このコースが一番標高差がある。山伏峠や池の平から上がるコースも最近紹介されているようだが、この細野コースが一番登山を楽しめると思っていたのでそうした。もっとも他のコースは交通の便が悪いということもあるのだが。
また、バスで上がって道坂(どうさか)峠から歩くのもいいコースと思う。

三輪神社の入口を過ぎ舗装林道を上がる。朝早い歩き始めはもう、フリースを着ていないと寒く感じるようになった。小さな別荘地を過ぎてやがて登山口に着く。杉木立の中の登山道が始まる。
沢をまたぐ所でしりもちをついてしまう。先が思いやられるが、しばしの杉林の登りののちようやく、気持ちのよい稜線に上がる。

自然林に包まれた尾根道は、樹木の葉も落ちすっかり冬景色だ。
直登気味の急坂がずっと続く。それ故高度もどんどん稼げる。落ち葉のラッセル道が続いたかと思うと、少し岩の目立つ場所もあってトラロープが付けられている。しかし道は歩きやすく、こういう登りは急でも自分にはかえって組し易い。体は若干重いものの快調に登り続ける。
峰神社付近から富士山
峰神社付近から富士山
御正体山頂上
御正体山頂上

周囲はブナやカラマツ、ナラなどの木が多い。植林がなく新緑時にも歩いてみたいが、季節が進むとやや藪っぽくなるかもしれない。
急斜面の樹林帯で一休み。振り返れば樹間から今倉山、二十六夜山が正対する。遠くには大菩薩の稜線、特に破魔射場丸のカヤトがよく見える。まだ雪は付いていないようだ。
東面に道坂峠からの尾根がこちらの尾根と平行して頂上に至っている。そして西側はるかかなたに南アルプスの稜線が望める箇所もある。

登りが斜度を失うと小さな台地に出る。鹿留からの道が合わさるところで、ベンチに腰掛けると正面に、輝かしいばかりの富士山が見えていた。
東側、宝永山の部分はやはり地表の温度が高いのか雲が出ている。しかし久しぶりのきれいな富士山であり、この眺めで十分。

御正体山頂上へは左に折れるように進む。祠のある峰神社跡を過ぎて2、3の小ピークを越えていく。木の間から富士山が見え続ける。反対側にガレ場を下る場所が1箇所ありここは若干の慎重を期す。

着いた御正体山頂上は、樹林の中だが祠と案内板、一等三角点標石が日をいっぱいに浴び、明るい雰囲気である。人も後から後から登って来る。
御正体山はハリモミ、ツガなどの針葉樹で鬱蒼としたイメージを持っていたが、実は広葉樹林の美しい山であった。植林の多い道志山塊のなかで、広葉樹の割合は多いほうだ。
一等三角点のある地ではあるが周囲の眺めはない。
落ち着いた頂上で目につくのが、モミの木が1本倒れかかっていることだ。倒れてまだ日が浅いように見える。
ここ一帯の樹林帯は原生林とのことだが、この木も長い年月を経てついに倒れてしまったのであろうか。この少し悲しい出来事も、冬枯れの山のひとつの点景として溶け込んでいるように思える。
ブナ
ブナ

山伏峠への下り道は最初、ちょっとわかりにくい。なだらかに下るともうひとつ祠がある。
カラマツ林に入るとだんだんきつい下りへと変わっていく。正面に雲のかかった富士山、右手に鹿留(ししどめ)山と三ツ峠、その間に御坂黒岳の形がよい。遠く南アルプスの稜線もまだ見え続けている。ちょっと鹿留山のでかい図体が邪魔であるが...。

前ノ岳中ノ岳と快適な縦走路となる。前ノ岳は少し古い登山地図には小御正体山と書かれている。両山ともベンチがあるが目立たないピークだ。展望はそれほどない。
しかしこの付近は展望よりも樹相が素晴らしい。特にカラマツ林が尽きる中ノ岳以降はブナが目立ち壮観だ。また、刈り払いのされた笹原上の登山道はすっきりしていて、このへんは初夏でも藪はないだろう。
展望地からの眺め
展望地からの眺め
石割山の後ろに富士山
石割山の後ろに富士山
冬枯れの山道
冬枯れの山道

直線状の道をどんどん南下する。エアリアにも書かれていない巡視路への分岐を過ぎると、ほどなく開けた送電鉄塔の下へ出る。ここからの展望は素晴らしい。
いつの間にか間近に迫っている石割山を前景に大きな富士山、右手には鹿留山・杓子山を始め御坂の山がうねうねと稜線を形作っている。そして南アルプスも。
反対側には菰釣山など丹沢・道志の山塊が延々と続いている。腰を下ろし昼食の残りを食べる。

そよぐ風はまだ秋のそれで、陽射しも直射日光が当たればまだまだ暑い。しかし山をとりまく大気は、数週間前と較べればぐっと透明感が増してきている。冬への季節の移ろいを肌で感じる。

展望地からすぐ奥ノ岳。ここは石割奥岳とも呼ばれるように、もう石割山の山稜といったほうがいい。
思ったより早く来たので、石割山・山伏分岐をそのまま直進していっそ石割山まで、と思いかけたが、今日は久しぶりに紅富士の湯に入りたかったので予定通り山伏峠に向かう。

峠への尾根道は短いが左側が落ちており、気の抜けないところがある。車の音が大きくなってくる。丹沢方面への道を2つ分ける。
山伏峠はそこに峠名の表示さえない地味な場所だ。少し高度を下げると、廃屋となったホテルの前に出る。お化けでも住んでいそうな建物である。

ここからは車道を平野まで歩く。1時間ほどの単調な行程だ。この車道はガードレールがあるでもなく、路肩の歩道もあってないような横を、車がビュンビュン飛ばしていくので、歩いていて非常な身の危険を感じる。
西丹沢にせよ御正体山にせよ、登山ガイドにはこの車道を歩くコースの紹介が当たり前のようにされているのには合点がいかない。これなら先ほどの分岐を直進し石割山へ縦走したほうが、時間はかかるがよほど安全である。

石割の湯への入口にさしかかるが、今日はこのまままっすぐ行く。平野からバスに乗って内野入口で途中下車、紅富士の湯の源泉ぬる湯に入る。これが今日のもうひとつの楽しみであった。温泉の窓からは実に大きな富士山を見ることも出来、富士周辺の温泉の中でも気に入っている場所のひとつである。
今の季節は早朝から営業していて、朝の紅富士(山頂付近の雪が赤く染まる)を眺めることが出来るらしい。しかし朝の富士山となるとやはり下界からではなく、どこかの山のてっぺんから見るほうがずっと美しいと思う。


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