~風吹き荒れる峠からの富士~
タイトル
たちんづかとうげ(1283m)
2006年1月23日(月) 晴れ

6:50河口湖駅-[富士急]-6:57富士吉田駅7:20-[バス]-7:43内野7:55-9:10立ノ塚峠10:30-11:20内野12:30-[バス、忍野入口乗換え]-13:40JR御殿場駅
歩行時間:2時間5分

マップ
Home


杓子山、鹿留山
杓子山、鹿留山
立ノ塚峠
立ノ塚峠

前日の足和田山へ

風の吹きすさぶ明け方、ホテルを出て河口湖駅に入る。凍りつきそうな寒さだ。空気は澄んでいるのだが、何故か朝焼けに赤く染まった富士山は見られない。
河口湖駅は建て替え中で仮の建物となっている。どんな駅になるのだろうか。今までは小さくて親しみの持てた駅舎も、富士吉田駅のような派手な造りになってしまうと残念である。
富士吉田駅でバスに乗り換え忍野(おしの)村に入り、終点の内野まで行く。バス停付近は民家や小さな工場が立ち並び、どこにでもあるような町の風景だ。
この道(国道138号)は旧鎌倉往還で歴史のある道である。道脇に道祖神が祭られていて、かつては街道として賑わったのだろうと思う。ちょうど地元の小学生が、大勢バスで通学するところだった。

まずは立ノ塚峠を目指す。うっすらと雪の残る中、正面に大きくわだかまる鹿留山、杓子山に向かって歩く。
背後に大きな物の存在を感じ、振り返ると朝日に輝く富士山が素晴らしくきれいだ。あたりは開けており、富士の眺めを邪魔するのは電線とたまに現れる木々だけである。しかし風の強いのは止まない。

緩い傾斜の道を行く。養鶏場の横を通り過ぎると、民家もまばらになってくる。二股を左に入ると、おそらく舗装道は切れて土の林道となる。おそらくと書いたのは、これ以降はずっと路面が雪で覆われ、はっきりしないからだ。

立ノ塚峠から忍野村を前景に富士山
立ノ塚峠から忍野村を前景に富士山

雪上に車の轍がずっとついており、この道は立ノ塚峠まで車で上がれることを示している。

以後、左右に枝道や林道が分かれるが、基本は道なりに進めばよいようだ。空は青だが雲も多く、東方向にどんどん流れている。上空は相当風が強そうに思える。

周囲は自然林となり、進む先に立ノ塚峠のたわみが見えてくる。背後に富士山が大きく競りあがり、切り通し状の立ノ塚峠に着く。

ここは指導標が立ち、左の尾根を上がる道は杓子山に通じる。右は二十曲峠や石割山方面への道が2本あり、その両方とも車で通った跡がついている。
右手前の道を少し登り、ちょっとしたピークに立つ。正面に富士山が雄大だ。

富士山に雲がまとわりつく
富士山に雲がまとわりつく
結氷した山中湖
結氷した山中湖
御殿場駅前から
御殿場駅前から

しかし何ともすごい風。ゴーゴーと音を立てて吹き荒れ、何度かよろめきそうになる。空が青空だけにいっそう奇妙だ。杓子山への道は岩場もあるとのことなので、大事をとってこれ以上高度を上げるのは止めにした。

風を避けられそうなところに三脚を立て、富士山を撮影し始める。富士山近辺も風が相当強いようで、雲が西風に乗って頂上にまとわりつき、どんどん東方面に流れている。
偏西風の影響をまともに受けるからだろうか、冬の富士山は西風の通り道になるようで、発生した上昇気流が頂上を越え、東側に悪天をもたらすようだ。東斜面に吹き付けたように多量の雪がついているのは、その結果だろう。

雲が取れるのを待つが、後から後から雲は湧き、なかなか8合目付近が姿を現してくれない。
待っているうちに体の芯まで冷え切ってしまった。下に置いたザックを触るとバリバリと音をたてる。これは氷点下10度くらいになっていそうだ。皮の手袋はしていたにもかかわらず、カメラをしまう頃には指先の感覚がなくなっていた。
三脚をしまって、来た道を下り舗装道路のところまで来た頃、ようやく指先が温まってきた。冬の日に写真を撮るには、もう少し防寒装備に工夫をせなばならないと思った。

内野からバスで戻り、御殿場・三島駅行きのバスに乗り換える。山中湖は半分結氷、真っ白になっている。籠坂峠付近で再び大きな富士山を見る。今年も東斜面にたっぷりと雪がついている。
須走口で見上げた富士山は、今回一番見ごたえがあった。次回はこの方向から冬の富士を撮りたいものだ。

御殿場駅でビルの谷間から覗く富士山を撮り、今回の富士見山行は終わった。

前日の足和田山へ


Home