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2010年1月16日(土) |
◇ |
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調布IC |
6:00 |
中央自動車道 |
6:26 |
相模湖IC |
◇ |
国道413号 |
7:25 |
和出村 |
7:35 |
8:20 |
鉄塔 |
◇ |
8:55 |
登山口 (テレビ中継塔) |
9:00 |
9:30 |
菜畑山 |
10:00 |
10:50 |
ブドウ岩ノ頭 |
10:55 |
11:03 |
道志口峠 |
◇ |
11:30 |
岩戸ノ峰 |
11:35 |
12:20 |
朝日山 |
13:05 |
13:10 |
秋山峠 |
13:15 |
14:05 |
林道 |
◇ |
14:20 |
大川渡 |
◇ |
14:40 |
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和出村 |
15:00 |
道志の湯立ち寄り 国道413号 |
16:37 |
相模湖IC |
◇ |
中央自動車道 首都高速 |
17:11 |
初台IC |
◇ |
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今倉山から菜畑山・朝日山・赤鞍ヶ岳といった道志山塊は、標高は低いながらもスクラムを組んでどっしりとした山容を示している。それでも対面には大室山がでんと大きくそびえており、そのスケールや格好よさと並べられると、道志山塊はどうしても地味な存在に映ってしまう。
しかし冬枯れの天気のいい日なら、道志ならではの充実した山行が満喫できる。また軽い雪道踏みをしたければ、1月から2月がいい。
丹沢のような山の険しさはあまり感じられないが、奥多摩や秩父の山の穏やかさ・優しい雰囲気とは、また違う。登山対象としては程よいタフさがあり、1日かけてじっくりと歩きたい山域である。
なお、山を「うら」と読ませる山は珍しい。沢の突端のことをウラと呼ぶことから付けられた、という説がある一方、木の鞘をウラと言うことに由来する、とも言われる。また単に、見えないものという意味での「裏」とも考えられる。麓から見えない神秘的な場所として、付けられた呼称なのかもしれない。
奥多摩に日向沢ノ峰(ウラ)という小ピークがあり、またその近くにある真名井沢ノ頭は「真名井沢ノ峰(ウラ)と呼ぶこともある。
菜畑山山頂から水喰ノ頭・御正体山越しに富士山を望む
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登山口のある和出村まで、車で行く。今日は初めてスタッドレスタイヤにして来たのだが、道志みちには雪はなかった。ただ、周囲の田畑や家の屋根は軒並み白くなっている。
大室山や御正体山は、北面をこちらに向けていることもあり、かなり雪が積もっているように見える。ただ今日登る道志山塊のほうは、南斜面を向いているために雪は目立たず、黒々としている。
和出村バス停脇の駐車場に車を置かせてもらう。すぐ横に公衆トイレがあり、道路を隔てた向かい側には温泉旅館「日野出屋」がある。準備をしていると、都留方面から路線バスがやって来た。しかし乗客はいないようだ。ここのバスは便数が非常に少なく、土曜日は8時過ぎに月夜野方面からもう1本バスが来るのみで、それ以後は全くない。さらに、翌日曜日はその1本さえもない。
地元の人にとって、朝しかやって来ないバスにどういう利用方法があるのだろう。いつも不思議に思う。
| 道志みちを行く |
| 植林を登る |
| 富士山は大きい |
| ブナの稜線 |
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バス停から都留方面に少し歩き、右手の細道を緩く上がっていく。登山道を示す指導標は見当たらない。
和出村から菜畑山への登路は、以前の登山地図には書かれていたが、最近の刊行物ではほとんど紹介されていない。こういうケースは、「山が荒れるので登山コースとして取り扱ってくれるな」、という地元の人の意向もあるかもしれない。しかし民家を縫いながらくねくねした里道を上がっていくと、立派な指導標が立っていた。
動物除けのフェンスがあり、戸を開けて植林の谷間に入っていく。枯れ沢沿いに進み、雑木林が見えてくると頭上が明るくなる。ほどなく支尾根に上がると、電源開発の送電線巡視路を示す標柱が立っていた。
直登気味に高度を上げていくと次第に背後の眺めが広がってくる。四方を山に囲まれた白い山村に、柔らかな冬の日差しが届く。
枯れた篠笹が目立ち始め、鉄塔の基部に着く。厚紙製の標識は左手の山腹道を示しているが、目の前の尾根筋にも踏み跡が伸びていたので、そちらを辿ることにした。山腹道のほうは、曙橋から上がってくる林道と早く合流してしまい、遠回りになるようだ。地形図でも尾根通しに破線路が描かれている。
尾根を行くと、初めのうちは顔に笹が当たるほどだが、やがてすっきりした道になる。しかし急登で息が切れる。
積雪が若干増え、曙橋からの林道に上がる。路面は雪で真っ白である。地形図では、この先さらに尾根通しの踏み跡があるように見えるが、入口を見逃してしまった。このまま林道を進むことにする。
林道のどん詰まりが、菜畑山登山口である。檜林が迫り、薄暗い場所だ。水源の森百選の標柱が立ち、少し下にテレビアンテナ塔が見える。
ここから菜畑山山頂までは、短い距離だが急登である。菜畑山は今回2回目で、2003年に一度ここを下っているのだが、あまり記憶がない。やはり文章で記録しておかなかった山行は、印象が薄い。
どんどん登っていくとあたりが開け、今倉山や御正体山が望めた。そしてその先に霊峰富士が鎮座している。丹沢の稜線の裏側から箱根・山中湖あたりは低い雲がかかっている。積雪が増えて、あずまやの立つ菜畑山山頂に到着する。北面は疎林に展望を阻まれるが、南側の丹沢の山々の眺めがすばらしい。
あずまやのベンチに腰を下ろす。大室山から加入道山にかけての大きな根張り、そして鳥ノ胸山のこじんまりした姿がかわいい。もちろん富士山も大きく、さらに道志川沿いに張り付く、細長い山里がはるか下だ。
| 道はどこまでも続く |
| 朝日山山頂 |
| 秋山峠へ |
| 道志村を見下ろす |
| 大室山も大きい |
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山道は北側の斜面に続く。初めのうちは急傾斜の下りで、薄雪が滑りやすい。足跡も人間なんだか動物なんだかわからないような、小さなものが1筋、ついているだけだ。ブナの落ち着いた佇まいに癒される。
右手前方にこれから辿る稜線が、初めは目線の位置に見えていたが、どんどん高度を下げていくので、見上げるような高さになってしまった。意外にアップダウンの多いコースである。奥に進んでいくにつれ、雪が深くなっていく気がする。しかし登り返しになると南斜面のため、一転して雪はなくなってしまう。登り着いたところは笹に覆われたブドウ岩ノ頭だった。
ここから登山道は鋭く右折する。下りかけのところは戸渡への下山路が分岐している。本坂峠であるが、指導標には「道志口峠」と書かれている。「戸渡へはよい道でヤブなし 2007.2.3.」との手書きの文字があった。
土曜日の好天、スノーハイキング日和なのに、自分以外には誰も歩いていない。鹿や猿などの動物にも会わず、実に静かな山道である。展望が開ける場所もない。今倉山の西には赤岩展望台があり、また赤鞍岳方面に足を伸ばせばウバガ岩で眺めを楽しむことが出来る。今日のコースはその間に位置し、比較的地味な部分である。
いくつものピークを越えると高丸(岩戸ノ峰)に着いた。山頂というよりも尾根の一角といったほうがいい。背の低い笹が雪の斜面を覆い、気分のいい尾根道が続いている。
朝日山は、目の前の大きなコブを越えていくこととなる。丹沢方面から大きな雲が流れてきて、日射がさえぎられる時間が増えた。雪のまだらに付いた急坂の下りは滑りやすく、諦めてアイゼンを履く。
登りついた朝日山の山頂にも誰もいない。樹林に囲まれた平頂は雪で真っ白になり、中央に山名柱が立っているだけだった。4年前に来たときと全く変わっていない。本来はここは朝日山が正しいのだが、標柱は依然として「赤鞍ヶ岳」だ、これも4年前のままである。
朝日山山頂を後にすると、低い笹と自然林の快適な尾根道となる。木の影が雪面に伸び絵画的だ。しかしそれも長くは続かず、眺めのいい秋山峠に出る。ここからは道志村がよく見下ろせる。頭上はいつのまにか雲ばかりになっている。もしかしたら表丹沢は雪が降っているかもしれない。
秋山峠からの下りは、落ちていくような急坂だ。南に面しているので、雪はついていないのがせめてもの幸いである。 気づくのが遅かったが、いまだにアイゼンを付けていた。やや緩くなった場所で外すが、右に人工林を巻くあたりでまたしても雪が出てきた。アイゼンの着脱のタイミングは、低山であるほど判断に迷う。
苦労したが、ようやく見えてきた林道に下り立ち、小さな集落に出てくる。大室山がここでも大きい。
ほどなく、朝車で通った車道に戻ってきた。登山地図によると、下山地は竹之本だが、下りついた場所は大川渡バス停だった。林道を大回りせず、どこかに竹之本(バス停)に直接下る道があったのかもしれない。まあ和出村に歩いて戻るにはこちらのほうが近い。和出村には20分で着いた。
展望はあまり得られないコースだが、久しぶりに足腰が満足感で満たされた気がする。
ここから車で5分、道志の湯に立ち寄ってから帰るとする。
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