~雲海に浮かぶ暁の富士~ 2007年12月16日(日)~17日(月)
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●雲海を抜けて暁の富士を見る 朝、なにやら外がモヤッとしている。窓から大きく見えるはずの富士山がない。 御坂の山はこの日、何とガスに巻かれていた。すぐ目の前の開運山頂上部もガスの中だ。ショックでしばし呆然。これでは、ここに来た意味が半分以上なくなる。
携帯で三ツ峠山頂ライブカメラを見てみる。すると、雲海の上に富士山が顔を出しているではないか。これは今の画像である。あわてて着込み、何はともあれ開運山 頂上まで上がってみる。 ガスの中を登り、やがて視界が広がる。たしかに三ツ峠頂上は雲海の上にあった。富士山が、今まさに御来光を浴びようとしているところだ。 ライブカメラで確認しなかったら、あのまま部屋の中で悶々としていたかもしれない。 写真を撮っているうち、指先の感覚がにぶってきた。手袋は軍手と冬用の厚手のものを2重にはめているのに、である。 この日の朝は凍てついた。山荘玄関口の寒暖計は氷点下5度をさしていたが、頂上付近はもっと低く、おそらく氷点下10度近いと思われる。 ちなみにここより高度1000m下の河口湖では、この日の最低気温が氷点下6.2度だった。 雲海に朝日が当たり、突如ブロッケン現象が現れた。ダイナミックに流れる雲と湧き上がる峰々。自然のスケールの大きさに魅入り、つい寒さも忘れる。
山荘に戻って朝食をとっているうち、山荘付近のガスも晴れてきた。もう一度山頂に上がり、順光の富士山と対面する。南アルプスや奥秩父も、凜とした姿を再び現してくれた。 下山は母の白滝コースとする。三ツ峠山荘前で再び富士山と対峙、木無山 (1732m)の草原からは高度を落とし、以降は樹林帯下の下りとなる。 黒岳を正面に見据えながら、冬枯れの森を下る。尾根を隔てて、隣りの三ツ峠登山口へ下る人たちの声が聞こえる。 雑木の林からカラマツ林へ。南アルプスは黒岳の後ろになり見えなくなった。林道 を横断し沢に出会う。急な木段をどんどん下り、母の白滝 の前に下り立つ。 荘厳な空気の中、鮮烈な水が多量に落ちている。ここは凍結するのはまだまだ先のようだ。 アカマツ林を経て、時々河口湖の湖面を見ながら高度を落とす。やがて民家が見えてくる。車道を歩いて河口局前バス停 前の交差点に出た。
河口湖の方に少し歩き、西川温泉「麗峰の湯」 に立ち寄っていくことにする。しかしなかなか見つからず、コンビニの店員に道を聞く。河口湖美術館から猿回し劇場、グルッと大回りをしてようやく麗峰の湯にたどり着いた。 循環式だが加水・加温をしていない源泉があって、なかなかいいお湯だ。まだあまり知られていないのか、狭い浴室をここも独り占めしてしまった。 今回は何はともあれ、三ツ峠からの暁の富士を捉えられてよかった。一面の雲海がすごみを演出してくれた。 四季楽園の人が言うには、この時期は雲海と霧氷、これが富士山撮影のポイントとのことだ。 前日前夜に少々降水があるようなタイミングを狙って、そして雪のある時期にまた来たいものだ。 |