~富士山と河口湖の眺めを楽しむ~ |
||
(みさか)くろだけ 2001.5.12 晴れ時々曇り |
||
|
|
||||||
先週の丹沢では富士山が全く見えなかったので、今日はそのリベンジとして御坂山塊に行く。この山域では最高峰の黒岳だ。 登山口である「三ツ峠入口」バス停ですでに、標高1000mを超えている。黒岳は1793mとけっこうな標高があるが、登り口からの標高差はそれほどなく、バス停から2時間少しで山頂に達せるので、日帰りには手頃な山だろう。 ヤマブキの多く咲く植林帯をジグザグに登る。ほどなく自然林となり、あたりが開ける。河口湖駅から見えた富士山が、再び大きく視界に入る。 標高が高いので、周囲はすぐに芽吹き前の樹林帯となってしまう。ここのところずっと、新緑の登山道を歩いていたので、半月ほど前にタイムスリップしたように感じる。
御坂峠は小広い芝地で、日がさんさんと降り注いでいる。それほど疲れていないけど休憩とする。店じまいした茶店と、芽吹きの始まったカラマツの向こうに富士山が覗いている。 黒岳へは、初めは平坦な歩きやすい道。先を行く登山者が歓声を上げている。カタクリの群落があった。それほど数は多くはないが、思ってもみなかった出会いに心踊る。 タチツボスミレ、ニリンソウ、キジムシロも多い。
道は傾斜を増し、岩場っぽいところも現れるようになった。えっちらおっちらと登って行き、黒岳山頂へ。御坂峠から1時間弱。 山頂は広場になっているが展望は無い。南へ200m進み、展望地へ。富士山と河口湖がバーンと目の前に広がる。富士山は残念ながら8合目あたりに雲がかかって来てしまった。しかし、裾野まで見渡せる雄大な展望は素晴らしい。 眼下に河口湖と周辺の市街地。標高差が小さいのであまり高度感がないのではないか、と思っていたが、そんなことはなかった。西面を見れば尾根続きに節刀ガ岳、鬼ガ岳。その向こうに南アルプスの白いラインがくっきりと浮かぶ。
黒岳から西に、急な斜面を下る。アズマイチゲが数輪、コミヤマカタバミも咲く。スミレは驚くほど多い。 時折、北面にもうひとつ登ってみたい山、釈迦ガ岳の鋭峰が目に入る。山肌はまだ茶色い。初夏の天気のいい日に、あの先っぽに立つとさぞかし爽快なことだろう。
いったん下ったところがすずらん峠。登り返し破風山。ここからも富士の展望がいいが、5分ほど行ったところにもっといい展望台がある。 新道峠、中藤山と若干の登り下りを経て、大石峠へ。ここもゴロンと寝たいような芝生の台地だ。富士山の展望も素晴らしいが、すでに雲がかかってしまった。 大石峠から南下、大石プチペンション村へ下る。北の上芦川に下りる道も惹かれるがバス便が悪い。なお、芦川村付近は、今月下旬にはすずらんが見頃になるそうだ。 下りは、またジグザグの道となる。それにしても斜面にタチツボスミレが異常に多い。少し腰をかがめて見ると、地面が紫色で染まっているように見えるほどだ。 青紫色の、見慣れないスミレを一輪見かけた。葉の形が不思議だ。 ほかに、フデリンドウ、ヒトリシズカなどを見ながら、水場を経て林道に下りる。 右折して、プチペンション村バス停に行く道もあったようだが、通り過ぎてしまって、少し先の湯口バス停でバスを待つ。初夏の日差しがギラギラとまぶしく、見上げれば富士山から涌き出た雲が黒岳の方角に伸びて来ていた。 |