~西丹沢の2つの寂峰を結ぶ~ あぜがまる・こもつるしやま 2001.5.4.~5. 曇り一時雨 |
●高指山を経て平野に下る 翌朝、小屋を出ると一面のガス。道志側の稜線が時々かすかに見える以外、何も見えない。 一縷の望みを持って菰釣山への登りを行く。途中、チゴユリが咲いている。
山頂からは、御正体山の大きな山容がかすかに見えるほかは、見渡す限りの鉛色の空。富士山など望むべくも無し。こういう日もあるさ。再訪を期し、菰釣山を後にする。 東海自然歩道はこの後、ブナノ丸・樅ノ木沢ノ頭・石保土山といくつもピークを越して行く。笹もじゃまでなく、ひとつひとつにそれほど高低差もないので歩きやすい。自然林に囲まれたやせ尾根なので道自体はすごく気分がいい。人もほとんどいないので静かな道である。 しかし天候は良くなる兆しは全くなく、霧雨まで降ってきてしまった。久々にレインウェアを着ることにした。 大棚ノ頭は巻き、このまま山伏峠に下りることも考えたが、時間があまりにも早いため、当初の予定通り高指山を目指す。 あまり高度を下げた印象もないのに、下の方から車のエンジン音、人の声が聞こえ始めた。下山口付近は標高が1000m近くあるからで、登りが苦手な人はこちら側(平野)から取り付いたほうがいいと思う。 目の前を鹿が走って行った。麓近いと行ってもやはりまだ山の世界だ。
鉄塔を巻き、ススキの原に出たあたりで霧雨も止んだ。下の方はガスが切れ、平野の市街地が見え出した。しゃれたペンションやテニスコートなどある富士山麓のリゾート地は、山を歩いて来た者の目にはちょっと異質なものに映る。 まるでどこかの自然公園のような尾根を登り、高指山山頂へ。眼下の展望がようやく開け、山中湖が見えた。 しかしこんなに富士山の目と鼻の先まで来たのに、富士山は全く姿を現さない。天気には勝てないとつくづく感じた。
高指山は一部のガイドでは360度の展望が得られるとあるが、今は周囲の樹木やススキが伸び、いくぶんか眺めをさえぎられる。それでもこれで富士山が目の前にあれば、十分過ぎる眺望だろう。 高指山からも、山を下りて行くという感じのないまま、平野の舗装道路に出る。テニスコートはどこも満員。平野バス停の前の車道は大渋滞で、バスは30分遅れてやって来た。 富士吉田駅のホームから、やっと富士山の裾野だけ視界に入って来た。雪の筋が下まで伸びていた。 |