山の写真集 > 富士山周辺 > 蛾ヶ岳
  • -静かな峠道から展望の頂へ-
  • 大門碑林公園-四尾連湖-蛾ヶ岳-大畠山
  • 身延線/芦川・富士川流域
  • 山梨県
  • 蛾ヶ岳(1279m), 大畠山(1117m), 桑沢大山(1017m)
  • 2014年11月22日(土)
  • 17.0km
  • 6時間35分
  • 980m(碑林公園-蛾ヶ岳)
  • -
  • みたまの湯
  • マイカー
天気1

 

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2014年11月22日(土)
富ヶ谷IC 4:30
  首都高
中央自動車道
甲府南IC 6:00
  国道358,140号
県道36号
6:20   大門碑林公園 6:35
7:05   石仏 7:10
8:03   烽火台 8:13
8:30   桑沢橋
8:47 四尾連峠 8:50
9:00 四尾連湖 9:10
9:15   蛾ヶ岳登山口
9:37 大畠山分岐
10:20 西肩峠
10:35 蛾ヶ岳 11:35
12:15 大畠山分岐
12:20 大畠山 12:25
12:40 桑沢大山(1017m点) 12:45
13:22 四尾連峠 13:30
13:55   烽火台下 14:00
15:03   大門碑林公園 15:10
  県道36号
国道140,358号
みたまの湯立寄り
甲府南IC 17:00
  中央自動車道
高井戸IC 18:30

 

蛾ヶ岳(ひるがたけ)へは、タクシーで四尾連(しびれ)湖まで上がってから三方分山まで縦走したことがあるが、もうひとつ、麓の市川三郷町からの登路を歩き残している。峠道風情で味わいのあるコースのようだ。
登山口のある大門碑林公園まで車でアプローチし、山頂まで往復する。時間もそれなりにかかるので早出した。


蛾ヶ岳山頂から富士山を望む

碑林公園の登山口にて。標高の低いところには一面の雲海ができていた

霧の朝

立派な門構えの大門碑林公園

大門碑林公園

登山口は碑林公園のすぐ先にある

登山口

登山口から1kmごとにこのような標識が立っていてわかりやすい

キロごとに標識

落ち葉が深く積もったところに朝日が当たり輝く

落ち葉溜まり

烽火台からの展望。左に八ヶ岳、右に「ニセ八ツ」と言われる茅ヶ岳が並んでいる

「八ツ」と「ニセ八ツ」

随所にある注意書き。トレランの大会が開かれるコースでもあるので、その人たち向けなのかもしれない

トレラン向けか

四尾連峠手前には立派過ぎるコンクリートの橋がかかっていた。指導標には「鉄橋」と記されていたが、アルペンガイドには桑沢橋と書かれている

桑沢橋

四尾連峠。この横に文学碑公園があり、歌碑が立てられている

四尾連峠

四尾連湖は晩秋の趣

静かな湖畔

四尾連湖周辺は黄葉が見事だった

黄葉盛ん


大門碑林公園には6時過ぎに着く。甲府盆地よりもやや高台に位置し、朝方は盆地を広く霧が覆っているのが見えた。
大門碑林公園は中国の城や大きな門があるこぎれいな庭園である。傍らに平塩源氏の館という施設もある。源氏と中国とは不思議な取り合わせだが、ここ平塩は和紙の生産が盛んで、書道のまちづくりのもと、石碑に刻んだ多くの中国の古文書が復元されているとのことである。
電車だと身延線の市川本町駅が出発点となり、マイカーならここの広い駐車場が利用できる。

公園と駐車場の間の道を上がっていくと、すぐに登山道となる。竹林から雑木林、檜の混ざる静かな道が続く。緩やかな斜面を縫うような登りなので、傾斜はきつくない。
この道はかつては難路と言われたようだが、昨今トレイルランのルートとして整備されてもいるので踏み跡ははっきりし、指導標も完備されていた。樹林から覗く町並みの風景が次第に遠くなっていく。

金比羅神社からの道を合わせ、さらに行くと傍らに石仏が佇んでいた。その先で「碑林公園から1km、四尾連湖まで4.2km」の標識。アカマツやコナラが多く、檜の植林帯も現れる。緑が優勢だった木々も、標高を上げるに従い黄色がかってくる。振り返ると南アルプスの大きな壁。双耳峰は笊ヶ岳だろうか。
公園から2kmを過ぎ、尾根に上がると北側の見通しがよくなる。稜線から太陽が現れると周囲は一気に明るくなり、色づいた木々と落ち葉道を照らす。歩く稜線の先にピークが見えた。その烽火台(のろしだい)までは斜度のあまりない、快適な尾根となる。奥秩父の稜線も見えてくる。
晩秋の落ち葉積もった峠道は雰囲気がいい。カエデの赤は紅葉シーズンの終盤を告げている。公園から3kmの標識。

尾根の切り通しに出る。急な階段道を登り烽火台へ。小広い草地になっており、桜が植えられている。ここからは八ヶ岳や奥秩父山塊がよく眺められる。ニセ八ツと言われる茅ヶ岳と八ヶ岳が並んで見られるのは意外と珍しい。少し移動すると南アルプスも見られた。
少し下って、巻き道が合流した先にベンチがあった。烽火台よりむしろ眺めがいい。下山時はここで休憩しよう。そしてこの先も雰囲気のよい尾根道が続く。

その後登山道は尾根の南側に移り、若干険しさが増す。見通しの悪いカーブには「対向者注意」との標識が。「車」ならわかるが、人に対して言うのは奇妙だ。ここはトレイルランコースでもあり、むしろ走る人のための注意書きなのだろう。
雪を抱いた南アルプスも見えてきた。「鉄橋」と表示のある桑沢橋を渡る。登山道は南方向に向きを変え、今度は「対向車注意・最徐行」の表示。
緩やかな登りが続いた後、小広い鞍部の四尾連峠に出た。案内板には文学碑公園と書かれている。薄暗いが雰囲気のいい峠である。

四尾連湖の近くにある登山口駐車場。ここまで車で上がってきて蛾ヶ岳を往復する人がほとんどだった

登山口の駐車場

登山口からしばらくは幅広の歩きやすい道が続く

歩きやすい道

ヤセ尾根の稜線からは、御坂や奥秩父方面の眺めが得られる

眺め開ける

ようやく蛾ヶ岳の山体が眼前に

蛾ヶ岳へ

カエデの紅葉は標高1000m付近まで見られた

カエデ見頃

西肩峠にある名物の六地蔵

西肩峠

西肩峠にはプレート書かれた手書きの地図が地面に置かれていた

保存版

西肩峠からは直線状のきつい登りが20分近く続く。この自然林のトンネルも印象深い

山頂まで急登

蛾ヶ岳山頂からは富士山の眺めがすばらしい

展望の頂

蛾ヶ岳山頂から南アルプスの眺め。右より地蔵岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳を望む。手前の山稜に四尾連湖も見える

南アルプスと四尾連湖


大畠山から蛾ヶ岳への道を見送り、いったん四尾連湖のほうに下る。このあたりは自然林が多く、紅葉もまだ十分残っている。旅館の水明荘の横を通って四尾連湖の湖畔に下り立った。朝早くから観光客の姿がある。ボートや釣りを楽しむ人たちのようだ。周囲は、若干ピークは過ぎたもののコナラやカラマツなどがきれいに色づいている。
四尾連湖は山深い地にある印象だが、標高は850m程度であり紅葉はかなり遅くまで見られそうだ。もっとも今年は先週ぐらいが一番よかったかもしれない。
人はいるものの湖畔は静寂が支配し、頭上は抜けるような青空。一種独特な雰囲気を醸し出している。

蛾ヶ岳に向けて出発する。広い駐車場のある登山口に着く。前回タクシーで来たときはここから歩き出した。上部のほうもまだ色づいた木が見られる。
再び登山道に入り、残りの紅葉を見ながら高度を上げていく。大畠山分岐に出ると尾根上となり、気分のよいところだ。少し先で左右が切れ落ちたヤセ尾根となり、カエデの赤々とした紅葉が見られた。
ヤセ尾根と言っても危険な場所というわけでもない。木々を通して山の眺めがよく、御坂山塊の山がよく見える。釈迦ヶ岳、黒岳、節刀ヶ岳、十二ヶ岳などどれも特徴ある形をしていてわかりやすい。進行方向に、蛾ヶ岳と思われるのっそりした山体が視界に入ってくる。

その蛾ヶ岳を目指し高度を上げていくと紅葉もなくなって、冬木立となった。歩みが若干速くなり、着いたところが西肩峠。見覚えのある六地蔵の背後の地面に、蛾ヶ岳周辺の登山コース図の書かれた手製のプレートが地面に置かれていた。
ここから蛾ヶ岳山頂までは一直線のきつい登りだということを思い出した。葉の落ちた自然林の中、今日初めての我慢の登りが続く。振り返ると木の向こうに大きな富士山が。急登は15分ほどで緩くなり、出発から4時間かけてようやく、蛾ヶ岳山頂に到達する。

360度というわけではないが、とにかく四囲の展望が素晴らしい。富士山を筆頭に天子山塊、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父の山々が手に取るようである。甲府盆地を前景にした南アルプス地蔵岳や八ヶ岳の大きさがよくわかる。地蔵岳より一段高い所に北岳・間ノ岳・農鳥岳が白い頂となって姿を見せてくれている。
とにかく見える山の位置取りというか、角度がいいのである。山の展望はただ単に見えればいいというものではない。
前回はもう1時間早く登頂したので、富士山は逆光になっていたのだが、今日は太陽もいい角度で当たってくれていて、富士山の冠雪もよく見える。昨日までの雪でだいぶ白くなった。今日はまさにベストの山岳展望を得ることができて満足である。

山頂にはどんどん登山者がやってきた。地味は地味なりに、人気の山である。
西肩峠まで下り、来た道を戻る。大畠山分岐で今度は直進し、ヒノキの植林地を抜けて右手の踏み跡に入る。少し登るとアンテナ施設のある大畠山山頂である。三等三角点があるが展望はないので、小休憩ののちすぐに腰を上げる。
分岐まで戻ろうかと思ったが、この先も尾根上に踏み跡が続いていた。居合わせた人に聞くと「たぶんこの先、文学碑公園の場所に戻ると思います」のことだったので、辿ってみることにした。

蛾ヶ岳から赤石岳(左)、悪沢岳(右)を望む

南ア南部の山も

大畠山付近はコナラの黄葉が盛り

紅黄葉

大畠山には三等三角点あり

大畠山

大畠山から西に尾根通しに下る。正面に1017mピーク

急な下りへ

1017mピークには桑沢(かざわ)大山との山名板がかかっていた

桑沢大山

下山後に立ち寄ったみたまの湯から、夕焼けの空に八ヶ岳を望む

みたまの湯から


踏み跡はトラロープとビニールテープが方向を示してくれてはいたが、落ち葉の厚く積もった急坂なので、慎重に下る。
鞍部に下り立つあたりで、左方向に分岐する踏み跡を期待したが見つからず、尾根通しに次の1017mピークに登ってしまった。立ち木に桑沢大山と手製の山名標識がかかっている。桑沢は「かざわ」と読むらしい。テープが導く尾根筋は、標識をつけた山岳会の名前を取って「岳朋尾根」と名づけられていた。
文学碑公園、すなわち四尾連峠に戻るには行き過ぎてしまったが、地形図を見ると、峠に戻らずとも仏岩を経由して碑林公園方面の登山道に下れそうな尾根筋があった。しかし道を示す点線などは描かれていない。
尾根への入りがわかりにくいが、踏み跡が続いていれば歩けそうだ。桑沢大山を下ってなおもテープの示す踏み跡を辿る。その次の平坦地まで行ったが、踏み跡は北方向に続いており、仏岩方面への踏み跡は見い出せなかった。
さっき西肩峠に置いてあった登山コース図にもこの北方向に下るルートは記されていなかった。おそらく尾根伝いにうなぎ沢方面、あるいは芦川第一発電所に下りていくと思われるがはっきりとはわからない。

いずれにしても、当てが外れたここは戻るのが正解。振り返ると大畠山の電波塔がすごく高い所にある。あそこまで登り返すのは大変だがしょうがない。
桑沢大山に登り返して鞍部に下り、尾根伝いに少し登ると意外や意外、右手の山腹に踏み跡が延びていた。これを使えば、大畠山まで登り返すことなく四尾連峠に行けそうだ。踏み跡は斜面に隠れるようについていたので、さっきは気づかずに通り過ぎてしまったようだ。
結局踏み跡を辿り、無事に四尾連峠まで戻れた。

ちょっと冒険をしてしまったが、あとは来た道をのんびり下るのみである。日の短い季節だが、朝早かった分時間的には余裕がある。桑沢橋付近で右から下りてくる尾根筋を確認したが、下ってくるにはかなりきつそうだった。
なお、家に帰ってネットで調べても桑沢大山、岳朋尾根いずれも1件もヒットしなかった。

おそらく今年最後であろう紅葉の山肌を見ながら、大門碑林公園まで下る。朝は気づかなかったが、八ヶ岳や南アルプスの大観はここからも十分に望める。今日はまれに見る快晴の1日で、こんな時間になってもこれらの峰々はまるまる見え続けていた。

碑林公園から近い「みたまの湯」に今日は立ち寄り入浴していくことにする。
果樹園のある高台に施設はあり、駐車場からは八ヶ岳などの眺めがさらによい。中に入ると露天風呂からの眺めも同様にすばらしい。これほど贅沢な山岳展望が得られる温泉もそうないのではないか。
今日は山の上でも下界でも、常に展望に恵まれていた。今年の秋山シーズンを締めるにふさわしい山行となった。