山の写真集(檜洞丸)

~霧に煙る純白のシロヤシオ~
タイトル
ひのきぼらまる(1601m)
2005年5月15日(日) 雨時々曇り

8:00小田急線新松田駅-[バス]-9:00箒沢-9:10箒沢公園橋-9:30沢を離れる-10:20板小屋沢ノ頭-11:05ヤブ沢ノ頭-11:15石棚山-12:15ツツジ新道分岐-12:30檜洞丸13:00-14:15展望台-14:40ゴーラ沢出合14:45-15:25西丹沢自然教室15:40-[バス]-16:50新松田駅
歩行時間:5時間40分

マップ
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箒沢公園橋
登山口の箒沢公園橋
板小屋沢ノ頭
板小屋沢ノ頭

新松田駅から8時発のバスは増発便だった。西丹沢に近づくにつれ空の雲は厚みを増し、今にも雨が落ちて来そうだ。

箒沢(ほうきざわ)で下車。10分ほど歩いて、登山口のある箒沢公園橋バス停に着く。西丹沢に来るのは久しぶりで、下りるバス停を間違えてしまった。
山々を見上げると、上の方は雲がかかって全く見えていない。
橋を渡って大石キャンプ場の横を通り過ぎる。杉林を抜け、小さい河原を渡ると樹林帯の登りに入る。

時々風に乗って、霧雨らしきものが落ちてくる。高度を上げるとブナも出てきて、鮮やかな新緑の森となる。しかし次第にガスが濃くなり、周囲はまるで夕方のよう。こういう日に山を登るのも久しぶりだ。
普段は天候の悪そうな日は出かけない(か、あるいは場所を変える)のだが、今日はどうしても檜洞丸のシロヤシオを見たかったので、少々の悪天には目をつむった。

やがて指導標が現れ板小屋沢ノ頭に着く。そろそろシロヤシオが見られるようになる。
開花後あまり時間が経ってないようで、花がまだ若く、まさに純白そのものだ。
今まで他のところでシロヤシオを目にしていなかった訳ではないが、これほどきれいな花とは知らなかった。いっぺんに気に入ってしまった。
シロヤシオ
シロヤシオ

しかし惜しいことに、花のバックになっている空の色もどんよりした白色で、シロヤシオのせっかくの花が保護色になってしまっているために、非常に見づらい。おまけに風が強く、写真もピントがなかなか合わせられない。
本来白色の花はピントを合わせるのに苦労するが、その上風が吹いてヒラヒラ動いてしまっては、撮影はほとんど不可能だ。

以後、シロヤシオはところどころで見られるようになる。ガスの中を伏目がちに歩いていると、視線の先に白い花が落ちている。その場で上を見るとシロヤシオが咲いている、といった繰り返しだ。
山頂といった感じのまったくない石棚山(1351m)を越え、ベンチのある鞍部に着く。ワチガイソウやスミレ、ミミガタテンナンショウが多い、そしてこんな時間から、下山する人と多くすれ違う。
地面を埋め尽くすバイケイソウ
地面を埋め尽くすバイケイソウ
檜洞丸頂上
檜洞丸頂上
シロヤシオ
シロヤシオ

鞍部からしばらくは、斜度の緩い穏やかな道だ。しかしついに、まとまった雨が降って来た。かなりの強い降り。雨粒が大きく、一見雹(ひょう)のようでもある(この日東京では雹を観測)。
レインウェアの上を着込み、しばらくしてすぐに下もはく。

同角ノ頭分岐、ツツジ新道分岐を過ぎて、檜洞丸山頂直下の木道を登る。ここから先の500mが何とも長い。
西丹沢の山道は、すごく長く歩き続けている気がしてもまだ300mしか進んでいない、というようになかなか距離が稼げない所が多い。他の山域ではそのようなことはあまりないのに。

木道の下の地面はバイケイソウの葉で埋め尽くされている。ガスと雨に濡れてひときわ鮮やかな緑だ。ベルビア(フィルムの種類)は緑系の色の再現性はよいが、この色はまず正確に写らないだろうなと思いながら木道を進む。

雨がようやく止んで檜洞丸頂上。こんな天気でも登山者は多く、ざっと50人くらい。若い人と女性が多い。
ガスで展望は皆無。しかし落ち着いてのんびりできる山頂だ。
マメザクラはちょうど花期。山頂にもシロヤシオの木があるらしいが、この高度ではまだ咲いていないので、どの木がシロヤシオなのだかはっきりとわからない。

ツツジ新道を下る。石棚山稜同様、このコースも急坂が多い。しかもぬかるみで滑りやすくなっている。
中腹あたりで再びシロヤシオの花を見る。これは満開状態。鈴なりに花がついている。
ようやくいい木にありつけたと思ったら、突然またしてもザーザーと強い雨が降り出す。上に向けたレンズは雨をまともにくらってしまい撮影不可能。
結局20枚くらい撮って、はっきり写っていたのは2枚だけだった。

どんどん下り、左下方に沢が見え出す。ゴーラ沢出合に下り立つと、ここにも登山者が30名ほど休憩している。
尾根を下ったところに広い河原があるのは、北アルプスや東北の深山と雰囲気が似ている。丹沢の山登りにはそういったスリルと安堵、緊張と弛緩の繰り返しがふんだんにあり、充実した歩きが味わえる。この山地が幅広い年齢層に人気のある一因だろう。

河原を渡ってからもしばらくは山腹の平坦道を進む。ガスはみるみる晴れてきて、ツツジ新道登山口に出ると、対面の山々には日が当たっていた。

西丹沢バス停から、これまた増発便のバスに乗る。かわいそうに、途中の停留所で乗って来た人には座る席はない。山頂付近がシロヤシオで彩られる来週~再来週はきっとこんなものではないだろう。
新松田駅に着く頃には空はすっきりした青空となっていた。ガスの中の歩きも雰囲気があっていいものが、せめて3時間くらい、天候回復が早まってくれていたら、と思う。シロヤシオはぜひとも青空をバックに見てみたい。


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