~急登が続く天子山塊の孤峰~
タイトル
あめがたけ(1773m)
2008年9月13日(土) 曇り時々晴れ
初台IC-[首都高速、中央自動車道]-河口湖IC-[国道139号、県道71号]-8:25県境駐車場-8:30県境バス停-9:10根原分岐-9:30端足峠9:35-10:25小平地-10:40雨ヶ岳11:10-11:55端足峠-12:15根原分岐-12:27案内板-12:30A沢貯水池-12:45根原-13:00駐車場-[国道139号、300号]-下部温泉甲陽館(泊)
歩行時間:4時間

マップ
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天子山塊でまだ登っていない雨ヶ岳を目指す。
富士外輪山の中で最高峰の毛無山、ダイヤモンド富士で有名な竜ヶ岳に挟まれ、雨ヶ岳は地味な存在である。登山ガイドで調べても、標高が1700m台そこそこにしては急坂が多く、かといってそれほど展望に優れているわけでもないようだ。
また両隣りの山と比べて交通の便が悪い。富士宮と富士吉田を結ぶ路線バスが唯一の公共交通機関だが、便数が極端に少なく、さらにシーズンオフになると下山後の便がない。そういった理由でこの山はずっと登れずにいた。
今回車でアプローチし、ついでと言っては何だが、その便利な足を使って温泉に泊っていくことにする。


紅葉の走りが見られる(雨ヶ岳の登りにて)

最近は出かける時間がだんだん遅くなってきたせいか、高速で渋滞に巻き込まれることが多くなった。登山口のある県境バス停付近には8時半近くの到着となる。チェーン着脱所を兼ねた駐車場は、バス停から少し北にいったところにあった。

バス停からやや南に登山道入口がある。ここは東海自然歩道の一部となっており、しっかりした道がついている。歩きにくいところもない。
しかしクモの巣が半端でなくすごい。パチパチと音を立てて顔に当たる。ストックを持ってこなかったので木の枝で払いのけ行為を続けるが、払っても払っても体に絡んでくる。
ほとほといやになり、引き返そうかとも思った。

根原から来る道と合流する。クモの巣コースは懲りたので帰りはこちら側に下ることにする。
ここから笹の中のジグザグの登りとなるが距離は短い。しかしまだクモの巣がうっとおしい。

端足(はした)峠に着いてようやくクモの巣から解放される。笹が切り開かれて富士山が見える。
ここは十字路になっていて、竜ヶ岳や本栖湖方面から来ている道はよりきれいに整備されているようだ。反対に、今来た道やこれから雨ヶ岳に登る道はやや笹深い。

かろうじて富士山
急登が続く
秋色の稜線

雨ヶ岳への登りに入る。最初こそ少し下り気味の穏やかな歩きだが、すぐに急登となる。笹とブナなどの樹林の静かな道で好ましい雰囲気なのだが何しろ急できつい。それがずっと続く。
行けども行けども急傾斜は続き、ただひたすら耐えるしかない道だ。クモの巣がなくなったのがせめてもの救い。

すでに枯れてしまったヨツバヒヨドリの群落地を過ぎ、標高をどんどん上げていく。背後に竜ヶ岳の丸い山容が見えてくる。
踏ん張り続けて、ようやく前方が開けた場所(小平地)に出る。ちょっとなだらかになった。
ようやく周囲を見渡す余裕ができる。頭上は雲の多い青空、そして秋にしては強い日差しが照りつけている。しかし汗だくになるほどではない。
周囲の樹林は紅葉し始めのものもけっこう多い。オオカメノキの葉はすでに大方赤くなっている。

目の前にある緩いピークを越えたところが雨ヶ岳頂上だろうか。ひとしきり緩やかな坂を登った後、笹の間に開かれた雨ヶ岳頂上に着く。
富士山方面は開かれているが、もうほとんどぼやけ気味だ。南から大きな黒い雲が迫っている。

やがて、毛無山からの縦走路から2人ほどやってきた。雨ヶ岳はここまでの急登コースよりも、むしろ縦走路から来たほうが歩きやすいかもしれない。

雨ヶ岳頂上
紅く色づく

日が陰るとずいぶん涼しく感じるようになった。来た道を下ることにする。別の2人組とすれ違うが、登山者は少なく静かな山だ。
標高が高いと、クモの巣はなくてもブヨなどが多いので虫除けスプレーを使う。不注意でカメラにスプレーしてしまった。
これがいけなかったらしく、シャッターを押すたびにエラー表示が頻発するようになってしまった。ついこの間、朝日連峰のときも水がかかって途中で撮影不可になってしまったのに、またやらかした。デジタル部品の多い最近の精密機器に、水はご法度である。
しかしデジタルカメラでもないのに、デジタルの制御部分が水でいかれてしまうのは情けない。急斜面を下るうちに天候が回復し、竜ヶ岳がよく見えるが、カメラは無反応。

端足峠を経て東海自然歩道の分岐まで戻る。クモの巣はなくなっていた。さっき自分が体を張って取り払ったということか。
分岐で大人数の団体に出会う。ここからの下りは、さっき決めた通り根原方面の道を選ぶ。
あまり長い距離ではなく、植林帯を経てA沢貯水池の前に出る。振り返ると雨ヶ岳手前の小ピークがでんと構えていた。

細い林道を歩き、右に鳥居を見るとすぐに根原付近の車道に出た。ここにも数台の駐車スペースがある。根原から10分強の歩きで朝の県境バス停、そして駐車場に着く。

車で本栖湖畔を回る。もうずいぶんコスモスが咲いている。国道300号を使って下部温泉に下る。
天子山塊の山に登ったら下部温泉、と最近は相場が決まっている。ここの特徴のぬる湯は夏や初秋の暑い日が気持ちいい。
明日は天気が心配だが、雨でなければ富士山周辺のどこかに登ろうと思う。


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