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2011年1月16日(日)
| ◇ | | 品川駅 | 5:55 |
| 東海道線 |
7:57 | | 三島駅 | 8:09 |
| 伊豆箱根鉄道 |
8:40 | | 大仁駅 | 8:50 |
9:35 | | 城山登山口 | 9:40 |
10:25 | | 城山峠 | |
10:40 | | 城山 | 10:50 |
11:15 | | 城山林道 | |
11:50 | | 草地 | 12:10 |
12:15 | | 葛城山展望台 | 12:25 |
12:30 | | 葛城山 | 13:10 |
13:45 | | 葛城山分岐 | |
14:05 | | 益山峠 | |
14:20 | | 発端丈山 | 14:40 |
15:35 | | 伊豆三津 シーパラダイス | 15:52 |
| 伊豆箱根バス |
16:12 | | 伊豆長岡駅 | 16:19 |
| 伊豆箱根鉄道 |
16:50 | | 三島駅 | 19:22 |
| 東海道線 熱海駅乗換 |
21:20 | | 品川駅 | ◇ |
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日曜日は、のぞむさんの掲示板の仲間と、新年会を兼ねて伊豆方面の山に登ってきた。
1年前の奥沼津アルプスより少し南側に位置する山稜で、狩野川沿いの城山から駿河湾を望む発端丈山までの縦走となる。
この日の朝は、東京大手町でも氷点下1度と厳しい寒さになった。品川駅からの東海道線も暖房の効きが弱く、車内で震えていた。
車窓から太平洋が見えてきた。島のほうは高い雲が出ていて天気が悪そうだ。強い冬型のときは、日本海から来た湿った季節風が中部山岳に雪を降らせ、南関東地方にはカラカラに乾いた空気だけが届く。そしてその風が太平洋の海水を再び巻き上げて伊豆諸島に雨を降らす。
その影響を受けて、南関東や東海の山でも、海沿いに位置するところは天気が悪くなることがある。しかし今日のところは静岡県内の天気は大丈夫そうである。
発端丈山の下りにて、富士山と相模湾に浮かぶ淡島を望む
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三島駅から伊豆箱根鉄道で大仁(おおひと)駅へ。ここは伊豆でも本州に近い内陸地であり、寒い。駅前には足湯がある。
メンバー全員が集まり、駅の裏側に見える岩山に向かって出発する。
岩山の名は城山である。むき出しになった岩が断崖絶壁状になっていて、一見西上州の山を連想させる。
狩野川を渡り、有料道路の高架をくぐる。幹線道路沿いに進むがなかなか登山口に近づかない。ガイドを見ると、どうも田んぼの真ん中の細道を行くのが正解のようだ。しかし街中に指導標が全く無いので、よほどカンのいい人でないと、スムーズに登山口に着くのは難しいであろう。
| 大仁駅 |
| 駅前には足湯が |
| 城山へ向かう |
| 桜咲く |
| ウバメガシの道 |
| 城山からの富士山 |
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梅やロウバイの咲く道を進み、ようやく案内板の立つ城山登山口に着いた。早咲きの桜も数輪咲いている。気温は低いが、さすが伊豆地方だ。
林道のような山道を上がっていくと、ロッククライミングコースへの分岐に出る。ここから数分で行けるとのことなので、寄ってみる。10名くらいの人が岩壁にアタックしていた。登山口に停まっていた数台の車は、この人たちのものであろう。
戻って山道を行く。常緑樹の多い山域だが、所々で樹林が切れて城山の山頂部が見えてくる。まだまだ高い。標高342mという低山だが、登山口の標高が35mほどなのでそれなりに登りがいはある。
ベンチのある小広い場所でひと休み。ちょっと窪んだ部分があり、昔城郭だった山によく見られるような、盛り土っぽい地形にも見える。城山とうくらいだから、元はお城だったのかもしれない。
山梨県大月市の岩殿山を連想する山容からも、ここが昔の要塞だったのではないかという発想が湧く。帰ってウィキペディアで調べてみたら、どうもそのようである。
城山峠に出て、なかなか気持ちのいいヤセ尾根を登る。ヒノキの植林と、ウバメガシというヒョロッとした木が目立つ、伊豆地方独特の山の雰囲気である。
城山山頂は、ほぼ270度の展望。富士山から箱根の山、天城山などがパノラマで広がる。足元には狩野川沿いの町並みが果てることなく横たわっていた。遠く三国山稜も見え、その右手の三角錐は御正体山のようだ。素晴らしい眺めにしばし見入る。
天気はよいが西風が強く、富士山の上にも大きな雲が西から東へ流れている。首の皮1枚の好天、と言えるだろう。
樹林帯の薄暗い中に戻る。林道に出ると、車が何台か停まっていた。松本ナンバーがあったのには驚いた。
その後も、斜度のない整備されたなだらかな道がしばらく続く。進行方向に、葛城山と思われる高いピーク、その横に草地の平頂が望める。さらに進むと、樹林の切れたところから、端正な三角形をした山が見えた。神島小富士と言うそうだ。
| 広い眺め |
| ツバメのよう |
| 葛城山遊歩道 |
| 山頂にも足湯が |
| 最後の登り |
| 発端丈山 |
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2人の人とすれ違う。葛城山への登り口を聞くと、直登コースと巻きコースがあると言う。
すぐ先で、檜の木の間ににその直登コースの入口があった。「背面登山口」とも書かれている。皆で登り出すとこれが、今までの穏やかな道とは一転してすごい急登だ。奥多摩のバリエーションルートで、こういうゴリゴリの道によく出会うので、慣れているつもりだったが、途中で危うく後ろへひっくり返りそうになった。
きつい登りを15分ほど、ようやく傾斜が緩くなって、一気に開けた場所に出る。さっき下から見えていた草地である。 ここでは再び広い眺め。先ほどの城山が見下ろす位置にある。いつの間にか、かなりの高度を稼いでいたことがわかる。下で見たときは岩ゴツゴツだった城山も、ここではツバメが飛び立とうとする優しい姿に変わっていた。
この草地は休憩にいい場所だが、葛城山山頂はもう少し行った所にある。先ほどの直登コースは、葛城山を南側から登る尾根だったようだ。「背面登山口」の標識のあった場所の標高がおよそ280mだから、葛城山の山頂まで、一気に170mもの高度を稼いだことになる。
葛城山山頂手前の、鐘のある展望台に着く。縁結びの地ということで、ハート型の絵馬が供えられるようになっている。
葛城山山頂にはロープウェイが通っているため、観光客も多く登ってきている。これだけ眺めのいい場所なので、人気にもなるだろう。初詣や桜の時期など、大いに賑わいそうだ。ロープウェイ駅のすぐ横に無料の足湯もあり、もちろんここも富士山など360度の展望である。ツツジと桜の木で囲まれた草地で昼食にする。
葛城山から大きく下り、再び林道をかすめて益山寺分岐。少し雲が出てきた。沼津アルプス越しに見える富士山も、山頂部付近が雲で隠され始めている。上空の寒気がよほど強いのだろう。青空の面積がずいぶん狭くなった。
その後も稜線の風は強く、尾根が南北方向に向くと、西風がビュービュー吹きつけるようになる。しかし少しでも進行方向が変わると、風はピタッと止む。
直線状の長い登りを経て、みたび開けた地へ。今日の最終到達点、発端丈山の山頂は、富士山と青い駿河湾が主役の、絵画的な眺めで迎えてくれた。三角形の淡島が湾に浮かんでいる。
今日歩いた山稜の文字通り端っこ、この先はもう太平洋だ。相変わらず吹き付ける風にも、心なしかぬくもりを覚える。
発端丈山からはしばしの急な下りがある。海を見下ろしながら、みかん畑の脇を通って、伊豆三津(みと)の長浜地区へ下った。
自分から積極的に足を運ぶ山域ではないのだが、明るい日差しと青い海を見ながら歩く、アオキとウバメガシ茂る森の道は独特の雰囲気があって、新鮮である。そして下山後の海の幸を囲んでの新年会も楽しみのひとつとなった。
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