-早春の山野草観察コース-
タイトル
古里駅-金比羅神社-大塚山-裏参道-海沢
山域 奥多摩
地域 東京都
標高 広沢山(848m)、大塚山(920m)、
富士峰(847m)、カタクリ山(429m)
山行日 2010年4月3日(土) 天気
沿面距離 13.5km
歩行時間 4時間50分
標高差 630m(古里駅-大塚山)
宿泊
温泉
交通 中央線、青梅線 Home


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2010年4月3日(土)
代々木駅 5:36
中央線
6:17 立川駅 6:18
青梅線
青梅駅乗換え
7:37 古里駅
7:52 寸庭橋
8:30 金比羅神社 9:35
10:15 広沢山
10:38 大塚山 10:48
11:00 富士峰園地 11:40
12:05 裏参道分岐
  休30分  
13:20 大楢峠
13:35 城山分岐
13:57 上坂 14:05
14:35 カタクリ山 15:10
15:30 白丸駅 15:39
青梅線
青梅駅乗換え
16:48 立川駅 17:04
中央線特快
17:30 新宿駅


関連リンク
御岳ビジターセンター
御岳登山鉄道(ケーブルカー)
青梅市観光協会


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4月に入っても、今年は天候が安定せず肌寒い日が続いている。今日土曜日くらいは、朝から晴れの予報も出ているし、穏やかな1日であってほしい。
恒例の奥多摩のイワウチワ観察に出かける。鉄五郎新道から大塚山、御岳裏参道を歩いて海沢に下る。イワウチワの他にも、ヒカゲツツジや裏参道のハナネコノメ、富士峰園地のカタクリなどが期待できる、4月上旬の奥多摩山歩のゴールデンコースと言える。


富士峰の子授檜 [ 案内板拡大 ]

古里駅で下車すると、残念ながら今日も空は分厚い雲。天候の回復を期待しながら出発する。青梅街道を5分あまり歩き、寸庭の里道に入る。民家の庭には春の花が咲く。ソメイヨシノはまだ早い。

寸庭橋の先から山に入り、鉄パイプの橋の手前で左手の尾根に上がる。登山道にはテープがついているが標識などはない。ひとしきり急な尾根を登ると、しばらくは平坦な山道が続く。たまに路肩に置かれている白い木の板、これにはもともと「金比羅山まで○○m」と書かれていた標識なのだが、今は文字がかすれて読めない。
薄暗い植林帯を行くと、左手の尾根を急登する道が伸びている。テープもこの尾根に側に付けられているがこれは金比羅神社経由でなく、直接広沢山に至る道のようだ。イワウチワの咲く神社へは、なおも平坦道を進むことになる。

小さい沢をまたいで、緩く登高していくと、やがて前方に小さな建物が見えてくる。金比羅神社に到着。途端、北の方角からゴロゴロと大きな音がした。まさか雷なんて、と思っているうちにポツポツと降ってきてしまった。
雨は大したことなく、神社付近の咲き始めのヒカゲツツジを写真に収める。そしてその先、イワウチワ群落も。太陽が出てないせいか、花の開き方にちょっと元気がないが、今年も淡いピンク色のきれいな姿を見ることができた。急な斜面に群落を作るイワウチワを近くで撮影しようと、ところどころにカメラ道が出来てしまっている。

寸庭の里道を行く
ヒカゲツツジ
イワウチワ
大塚山から富士峰へ
御岳裏参道へ

撮影に1時間も費やしてしまった。そろそろ歩きを再開する。ここから広沢山へは一気の登りだ。一時、傾斜の緩む岩場で再びイワウチワを見る。標高が高いので、こちらはまだ咲き始めのものが多い。
再び急登となる。スズタケがうるさくなってくるあたりは大変にきついが、間もなく広沢山に到着する。樹林に囲まれた地味な山頂だ。奥多摩山岳会による山名標識が掲げられていた。
大塚山までは緩い登りを残すのみとなる。アンテナ施設が目の前に現れたら右から回り込み、大塚山山頂に着く。

季節的にも、山を歩く人がもっと多くて不思議ではないのだが、静かである。天気のせいかもしれないが、今日は元々晴れの予報だった。もっと天候が安定したら登山者は戻ってくるのかもしれない。

開放的な尾根を歩き、富士峰を目指す。右手に御岳山奥ノ院の尖峰が鋭い。遊歩道のようないい道を歩き、ベンチのある富士峰園地へ。ピークに上がるがカタクリはつぼみをいくつか見るにとどまった。まだ梅が咲いている。
富士峰にはユニークな形をした木がいくつか祀られている。夫婦杉、安産杉など良縁や安産を祈願するものが多い。中でも子授檜(こさずけひのき)は奇怪な形をしていて、二股に分かれた根元の真ん中に1本、太い基幹が突き刺さっている。これを男女の和合に見立てていているという。

明るい上坂集落
桃とカタクリ
カタクリ
カタクリ山から
白丸駅

雲厚く肌寒かった山も、お昼を過ぎる頃からお日様が顔を出し始め、所々で青空も覗くようになった。するととたんに気温が上がる。ここ数年、4月の山歩きはいつもこんな暖かな気候の下ばかりだったので、今年はやはり異例と言える。寒暖の差が大きく、花や木も芽吹いていいのか迷っているようだ。

今日は御岳山には寄らず、すぐに裏参道に入る。ダンコウバイやキブシ、左の斜面にはハシリドコロが若い芽を出している。カタクリは葉のみ。そして沢水の湧き出す場所には、ハナネコノメがまだ咲き残っていた。これも遅い春の結果だろう。
御岳裏参道は自然林が多く、1年を通して季節感のあふれる登山道である。

大楢峠には、ロングコートを着た怪しげな男が一人、立っている。「わさびはいりませんか」なんとこんな山道でわさび売りをしているのだ。御岳山の参拝客が通る道ならまだしも、登山者しか歩かないような場所で商売になるのだろうか。

城山分岐で下山路に入る。上坂への下り道は今までと比べあまり踏まれていない。それでも倒木などの歩きにくい場所はなく、やがて奥多摩霊園入口のある上坂に着く。
少し下りた畑地の脇に、シュンランが群生していた。自然に咲いたようには思えないほど立派だったので、植樹したものかと思った。青空の面積がぐっと広くなり、春らしい日和となってきた。

今日はもう1箇所、海沢のカタクリ山に寄っていく。昨年初訪の際は朝早かったので、カタクリは閉じられていたものが多かったが、今日は時間も遅く、鈴なりの満開状態だ。桃の花やアズマイチゲも彩を添えていて春爛漫の図である。
青梅線が奥多摩駅に向かうとき、左手の斜面に氷川発電所の太いコンクリート管が横たわっているのが見えるが、カタクリ山はまさにそこである。そのコンクリート管をくぐった左側のほうが、大きなカタクリの群落が見られる。地元の方の手により大切にされてきたものなのだろう。
海沢周辺は、海沢橋やトンネルなどの建設により、山野草の咲く斜面がどんどんコンクリート化されていってしまい残念に思うのだが、ここカタクリ山だけはずっと残っていってほしい。
海沢橋を渡って青梅街道沿いを歩き、白丸駅に着く。

ヒカゲツツジ
イワウチワ
ハシリドコロ
ハナネコノメ
シュンラン
カタクリ