鷹ノ巣山頂上
|
●石尾根から六ツ石山、荒れた榛ノ木尾根へ
山頂は大きく開け、富士山や奥多摩南部の山並みが一望出来る。さらに眼下に横たわる浅間尾根・框ノ木(かやのき)尾根は紅葉に彩られ、見事な眺めだ。30人ほどの登山者が思い思いに憩っている。
家族連れ、外国の人も見かける。
南アルプスは残念ながら見えない。日がもう高くなってしまった。富士山は輪郭のみだが(石尾根で富士山の山肌を見るには、稜線の小屋に泊まり、早朝歩く計画にする)、雪は積もっているのだろうか。そろそろ白くなってもいいはずだが、今年は遅い気もする。
鷹ノ巣山から城山へ
|
山頂をあとにし、城山・六ツ石山方面に進む。石尾根のカラマツ林もいい色になっている。鷹ノ巣山直下から見るカラマツ林は、石尾根のビューポイントのひとつである。
その地を過ぎ、城山付近の防火帯を行く。太いブナの木も多いが、立ち枯れているのもあり残念だ。気分のよい彩りの石尾根漫歩は続く。
城山からは、短いがこのルート唯一の、緊張する急降下の道。鞍部を過ぎて、道は稜線の北面へと変わり、六ツ石山への緩やかな登りになる。
六ツ石山着は2時過ぎ。さすがに人は少ないが、相変わらずのどかな山頂だ。
下山は石尾根と別れ、トオノクボ・榛ノ木(はんのき)尾根を歩いて境橋に下りることにする。こちらも幅広の防火帯の道だ。
トオノクボまではやや紅葉の色付きが悪くなるが、カラマツの黄葉がやわらかく空に映える。
ハウチワカエデの黄葉
|
|
六ツ石山頂上
|
|
落ち葉のじゅうたん
|
水根への分岐点。指導標は水根方向しか示しておらず、これから行く榛ノ木尾根は一般ルートでは無くなっているようである。アルペンガイドや少し前のエアリアマップでは紹介されているが、最新のエアリアでは登山道の表示が消えている ([注] 参照) 。
踏み跡が少しあいまいになり、テープを目印に植林帯に入る。山ノ神には「高尾山薬王院」の札が奉られている。
視界が開け、石尾根や本仁田山が望める伐採地へ。周囲は雑草や幼木が生い茂り、道もはっきりしない上に、分岐が縦横に走っている。イバラのとげを指に刺してしまう。
地形図とコンパスを取り出し、位置を確認しながら下ることになる。このへんは4月に登りで歩いているが、ひと夏越すとこうも荒れてしまうのか。
その先になんとロッジ風の民家がある。一瞬山小屋かと思った。しかもその一角には山羊が飼われており、のどかにメエ~と鳴く。人影も見える。
小さな導標を見つけ、4月に通った記憶のある植林地へ。すぐに境集落最上段の民家の前に着く。いや、この上に一軒出来たから、ここは最上段の民家とは呼べなくなった。
さらに境橋バス停までは20分の下りを要す。境橋付近の紅葉も今年はよさそうだ。バスはすぐ来た。
天気もよく、久々に奥多摩の山歩きを堪能した。すばらしい紅葉と展望。奥多摩の良さを再発見した。
[注] 下山の榛ノ木尾根(トウノクボ~境橋)は現在一般コースではなく、登山道としての整備も行き届いていないようです。一般には水根に下ることをお勧めします。
|