~奥多摩日だまりハイクの定番~
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マップ
倉子峠から生藤山(しょうとうざん)、日原峠
2002.1.19 薄曇り

中央本線上野原駅6:50~(タクシー)~7:00佐野川バス停~7:20倉子峠~8:20佐野川峠~8:35甘草水8:45~9:15生藤山9:50~10:05軍刀利神社~10:20熊倉山~11:15浅間峠11:50~12:30日原峠12:40~13:40下和田バス停14:01~(バス)~14:20数馬の湯15:46~(バス)~16:40青梅線武蔵五日市駅16:47~(ホリデイ快速)~17:49新宿駅
歩行時間:5時間10分

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新緑の季節は三頭山、冬の低山ハイクは生藤山。奥多摩の山歩きの定番はこれだと思う。
生藤山は四方に穏やかな尾根を持ち、急なところがなく気軽に登れる。展望も素晴らしい。山頂から北進すれば笹尾根から三頭山方面へ、南に行けば陣馬山から高尾山、戸倉三山につなげるなど、登頂後のコース取りも楽しい。

何本かある登路のうち、今日は佐野川バス停から倉子峠に行き、ほぼ真南から山頂に伸びる尾根を末端から登ることにした。登山地図には載っていないが、いつも立ち寄っているあおむしさんの掲示板で、おてんきさんご夫妻よりよい道との情報を得た。

倉子峠上の祠
倉子峠の上部の祠
さて、土曜の早朝、6時51分発の上野原駅発・井戸行きのバスに乗ろうとする。...ところが、駅に着くと、そんなバスはなかった。成星出版「登山・ハイキングバス時刻表」の最新版にも、上野原駅の項に書いてあったのに。
別便の運転手さんに聞いたら、そのバスは本町三丁目発で上野原駅は経由しないという。駅からそのバスに乗るには、新町というバス停まで10分ほど歩かなければならないそうだ。もう間に合わないので、しょうがなくタクシーで行くことにした。
(なお土曜日の6時40分の便は上野原駅発)

佐野川バス停までタクシーで1780円だった。バス停前のコンビニはちょうど開店の時刻。店の横の道に入っていく。
舗装路は5分ほどでT字路となり、左折する。犬と散歩のおじさんと挨拶する。
このへんもそうだが、田舎の里道には至るところに分岐があり、それぞれが1軒1軒の民家に続いている。その家専用の道なのである。間違えて入り込んでしまうと、そのままその家の玄関前に出てしまったりする。

道はゆるやかに登り、茶畑の間を通りすぎる。「佐野川バス停まで10分」の木板が、路肩の草の中にうずもれている。
いったん南に向きを変えると展望が開け、富士山がうすぼんやりと見えてくる。遠く大菩薩嶺の頂上部は白い。

富士山、南アルプス
富士山、南アルプス
それからすぐに倉子峠に着く。芭蕉の句碑があり、その後ろから登山道が始まる。急坂を登り尾根に取り付くと祠と「奉納天満天神宮」と書かれた白いのぼりがある。記された日付は平成十四年一月二十五日。ん?先日付である。

植林帯のゆるやかな尾根を登って行くが、背中から朝日をいっぱいに浴びる。小鳥のさえずりも聞こえる。踏み跡は明瞭、やがて佐野川からのもう1本の道と出会う。
進むにつれて、どんどん道がよくなる。だた左右に枝道も多い。鎌沢からの道と合流し、相前後して東面の展望が開け茅丸方面が望める。しかし前方に見える主尾根はまだ高い。

道はにわかに傾斜をおび、ジグザグの急登になる。やがて見覚えのある平坦地に着く。佐野川峠だ。あちこちに雪が見られるようになって来た。東面の木々の葉は雪をしたためている。

三国山山頂
三国山山頂
ここからは再びなだらかな登り。甘草水(かんぞうすい)に着く。桜の木の向こうに富士山、南アルプスが見える。
日本武尊が掘り当てたとの言い伝えがある甘草水の水場は、ここから100mほど行ったところにあるそうだ。せっかくだから見に行ってみる。水はしずくが思い出したようにポトポトと垂れているだけだった。「霊験新たかな場所につき不浄厳禁」との立て看板。春、花見に来る人がやっていくのだろうか。

桜の木が並ぶ中をさらに登り、左に軍刀利(ぐんだり)神社への道を分ける。ここを入ると、カツラの大木で有名な軍刀利神社に下れるようである。これも興味ある道だ。
今日は笹尾根方面へ北上するので、三国山より先に生藤山への巻き道を行く。9時過ぎに大展望の生藤山山頂。富士山、丹沢、南アルプス。富士山は残念ながらバックが白い雲だ。南面の展望ばかりに目が行ってしまうが、北側も木の間越しであるが雲取山、奥秩父連山の眺めが得られ、ほぼ360度の展望を楽しめる。

軍刀利神社元社
軍刀利神社元社

いったん下りて三国(さんごく)山へ。初めて登山者に会う。時間が早いからだろう、この人気の登山コースが静かこの上ない。
展望のよい道をゆるく下り、ひとしきりの急登。軍刀利神社元社である。しかしアルペンガイドなどでは、神社は熊倉山の北側にあると書いてあるので不思議だ。見ると鳥居は真新しい。この位置に引っ越してきたのかもしれない。
そもそもここが軍刀利山のピークということなので、ここに元社が自然なのだろう。石碑の近くに立つと、鳥居を隔てて富士山が望め、絵になる山頂である。

さらにいくつかのコブを越えて行く。南西側は植林帯になり日蔭となった登山道には、とたんに雪が目立ち始める。雪といってもせいぜい1,2cmで滑ることはない。

浅間峠
浅間峠

あたりが開け、熊倉山に到着。ただ富士山の展望は軍刀利山のほうがずっと良い。
小さなアップダウンが続くが、息を切らすほどではない。栗坂峠はうずもれた分岐道が分かれている。もはや指導標もその方向を案内していない。

浅間峠の少し手前、あたりは自然林のゆるやかな道となり気持ちがいい。薄曇りの南の空から、陽光がやわらかに差し込んでいる。浅間峠で少し休憩。このまま下るのはもったいない。もう少し尾根を歩こう。ややアップダウンがきつくなるが、先に丸山、三頭山の塊を見ながら笹尾根を登る。標高が上がってきたのだろうか、やや雪が多くなる。

日原峠のお地蔵様
日原峠のお地蔵様

日原(ひばら)峠で尾根を下ることにする。さてどちらに行こうか。登りは鶴川側だったから、秋川のほうに下りてみる。この道もあまり歩かれていない道だ。

峠から5分で水場と指導標にあるが、歩いてみると10分ほどかかる。水はジャンジャン出ている。しばらくは平坦な道を行く。薄暗い植林帯の単調な道であるが、踏み跡は意外にはっきりしている。一瞬だけ展望が開けるがすぐに杉林の中へ。
尾根筋を下り、やがて木の間から和田集落の家々が見え出す。あっけなく下り切り、赤い橋を渡って檜原林道に上がった。

下和田バス停まで歩いて10分ほどだろう。しかし歩き出すとすぐに、武蔵五日市行きのバスが目の前を通りすぎて行った。ここのバス便はおよそ1時間に1本。時間も早いことだし、逆方向のバスに乗り、数馬の湯に寄ってから帰ることにした。

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