~展望随一の東京の山~
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しょうとうざん、じんばさん 2001.1.6 快晴

中央本線上野原駅8:28~(バス)~8:50石楯尾神社~9:50甘草水~10:10三国山10:25~10:35生藤山11:00~11:25連行峰~12:10醍醐丸~12:45和田峠~13:10陣馬山13:30~14:30陣谷温泉15:10~16:00中央本線藤野駅

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底冷えする正月明けの土曜日。今年最初の山行は、友人と生藤山、陣馬山へ行くことになった。富士山の展望を楽しみに、東京と神奈川の県境をぼちぼちと歩いた。

甘草水
甘草水

上野原駅から井戸行きのバスで石楯尾神社バス停で下車。この読みは「いわたておじんじゃ」かと思っていたら、バスの車内放送では素直に「いしたてお」と言っていた。
バス停からは里道をしばし歩く。友人はしきりに寒がっている。ゆるやかな登りに体も火照ってきたが、薄暗い植林帯をジグザグに登って行くようになるとまた寒くなる。

前後に単独行者を1人ずつ見ながら黙々と登っていく。30分余りで久々にやわらかな陽光とめぐり会う。ここ佐野川峠からはヤッケを脱いで登って行く。
すぐに甘草水(かんそうすい)という所に着く。20人ほど休める鞍部でベンチもある。南西側の樹林の向こうには、富士山と真っ白な南アルプス稜線が印象的である。この樹林はみな桜だろう。春には富士山・南アルプスを肴に花見が出来るかもしれない。
甘草水から先も桜の木をしばらく見続けられる道だ。急坂と言えるほどの所は全くと言って無い。先月郷原から登った時もそうだったが、笹尾根付近の山には秋川側から登るより鶴川側(南西側)から取り付いたほうがずっと楽だと思う。

生藤山から富士山
生藤山から富士山
生藤山から丹沢山塊
生藤山から丹沢山塊

あたりがどんどん開け、三国山(さんごくやま)の頂上に着く。好展望地で富士山が裾野まで見える。岩っぽいやせ尾根状の道をしばらく行くと生藤山頂上。すでに5名ほど先客がいた。頂上からはさらにすばらしい展望が広がる。北西側の樹林帯を除き、270度のパノラマが得られる。富士山を中心に丹沢・道志、三ツ峠山、中央線沿線の山がくっきり見える。奥秩父の山肌は少し白いものが見える。
丹沢主脈の稜線が印象的だ。大群山、桧洞丸、蛭ガ岳。その左の三つの突起は丹沢三ツ峰かもしれない。さらに大山のピラミダルな姿。すぐ脇にまたある三つの突起、今度は大山三ツ峰だろう。
1年ほど前に来た時は、そういい天気でなかったせいか、今回これほどの展望が得られるとは思わなかった。冬枯れの季節でなくてもこの展望は期待出来るだろう。奥多摩山域でも屈指の展望のいい山だと思った。

残念なのは山頂に立ち並んでいるドラム缶。景観を思いっきり損ねている。防火用水として置いてあるのだが、中の水は全部カチンカチンに凍っているので今の季節は全く役に立たない。

少し早い昼食を済ませ、南進する。東側には木の間から大岳山や浅間尾根などの奥多摩の山、そのはるか向こうに東京の街並みが広がっている。南側に見下ろせるのは神奈川県の市街地だろう。東京と神奈川、両方の街並みを同時に見れて興味深い。
茅丸を巻き連行峰(れんぎょうみね)へ。生藤山からものの20分だった。この区間、地図上のコースタイムは少し多めに書いてある。
ここから先は、いくぶん桧の植林が多くなる中をどんどん下っていく。しかし意外と変化のあるやせ尾根の道で面白い。ほどなく正面(南面)が開け、陣馬山の山頂の芝生がよく見える。

幾度かのアップダウンと和田峠への分岐を見、醍醐丸への登り。日の差す側が植林で閉ざされ、やたらに寒い山頂。懐かしい、市道山への道を合わせている。
展望も広くないが大岳山だけが良く見える。寒いので早々に退散。和田峠までの下り道はずっと植林帯で寒い。

車道に下り立ち、少し歩き和田峠に着く。陣馬山への階段道を登る。階段は全部で3箇所あり、3つめの階段では横に巻き道もある。
登るにつれ展望がどんどん広がり、ついに360度展望の陣馬山頂上へ。どこを見渡しても大展望で言うことなし。こんな山頂に何故今まで来なかったのだろう。
陣馬山頂上
陣馬山頂上
陣馬山頂上
陣馬山頂上
陣馬山から都心の街並み
陣馬山から都心の街並み

生藤山から見れた南・西面の山々はもちろん、北東側に目を転じると関東平野から丘陵が盛り上がって行く境目も見ることが出来る。あそこを起点にして奥多摩や秩父の山が始まっているのだなあという感慨が湧く。

陣谷温泉 他、栃谷集落の風景など
陣谷温泉 他、栃谷集落の風景など

山頂には3軒の茶店が営業中。店に選挙のポスターが貼ってあるのが興ざめだが、ご愛嬌だろう。

栃谷尾根を下山路とする。なだらかな植林の道をたんたんと下り、茶畑の横を通り過ぎ、ひなびた風情の栃谷集落に入る。山間に鉱泉宿が3軒あり、陣谷温泉に入った。
真新しい桧の風呂は、数年毎に作り直しているそうだ。窓も大きくてほぼ露天風呂である。窓は開け放たれていて、はるか下に見える小川は凍っている。くーっ寒い。が、お湯は熱い。こたえられない極楽の湯。ほのかにゆずの香りがした。



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