~満開のイワウチワを求めて~
タイトル
さるぎおねてつごろうしんどう
2008年4月5日(土)晴れ

7:05武蔵五日市駅-[バス]-7:30大岳鍾乳洞入口-8:00・650m峰8:07-8:30・809m峰8:40-9:05高岩山-9:30上高岩山展望台9:45-10:20岩石園10:40-11:05長尾平-11:20富士峰園地12:30-12:42大塚山-13:02広沢山-[撮影15分]-14:05金毘羅神社-14:45鳩ノ巣駅 歩行時間:5時間45分

マップ
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武蔵五日市駅から、少し小さめの上養沢行きのバスに乗る。細い車道は谷間の山村奥深くに入っていく。
大岳鍾乳洞入口で下車。正面に養沢神社がある。サルギ尾根は神社の裏手から始まっている。

イワウチワ(鉄五郎新道)
イワウチワ(鉄五郎新道)

1999年1月、この尾根を登ろうとしたが途中で踏み跡がわからなくなり諦めた。当時はバリエーションルートを扱う登山ガイドも今ほど多くなく、コースについての情報があまり得られなかった。
その後インターネット全盛の時代になり、この尾根を歩いた人の写真付きの報告を数多く見るようになる。それによれば自分の歩いたルートは間違っていなかったことがわかった。単に岩場や落葉に惑わされてしまったようだ。
山登りを始めて2年位では、一般登山道でないこのコースはやはりちょっと無理だった。

境内の右に滑り台があり、その後ろに伸びる山道に入る。すぐに民家の脇を通ったあとは、厳しい急登となる。四肢を駆使して何とか這い上がる。15分ほどで緩やかになるが、だらだらの傾斜が続く。
オール桧の植林下の道ははっきりしていて、迷いようがない。地形図上の小ピークで一休みする。9年前もここで一息ついた。


養沢神社

岩場の登りが始まる

サルギ尾根のイワウチワ

上高岩山展望台から

次の809mピークから先は、右側が自然林になり見通しのきく尾根道である。傾斜も緩くなる。日の出山や、御岳山の建物が意外と近くに見えている。

急な登りが復活し、いくつもの大きな岩が現れるようになる。踏み跡は左から右へ、広い尾根を斜上するようにつけられている。9年前はこれに気づかなかったようだ。しかし、当時からこのくらいはっきりした踏み跡だったら、いくら登山歴2年でもわかったと思う。歩く人が増えて道もわかりやすくなったということだろう。
高岩山(920m)のピークはそこから一投足だった。9年目にしてようやくの登頂である。

東西に細長い高岩山頂上部は、奥のほうに山名板がある。イワウチワが少しだけ花をつけている。
正面に2つの大きな、高い峰が双耳峰のように屹立している。左は大岳山、右は今から登る上高岩山だ。どっしりした円錐形の風貌はどこか八ヶ岳の赤岳を思わせる。頂上にあずまやが建っているが、ここから見るとえらく高く、遠い。今からあんなところに登るのか、と疑わしい気分になるほどだ。

高岩山からの下りの岩場にはイワウチワの葉が多く見られる。ここの開花はまだ先のようだ。サルギ尾根のイワウチワは、見た感じそう大きな群落地はないようだ。ただし自分が見逃していたのかもしれない。
最低鞍部に下り、じっくりと高度を上げていく。向きを右に変え、上高岩山の支尾根に乗る。斜面の先にあずまやの赤い屋根が見える、さっきは気の遠くなるように見えた頂上も、意外なほどたやすく至近のものとなった。
上高岩山頂上(1010m)に着く。あずまやからは広大な展望。大岳山馬頭刈尾根、日の出山、御岳山奥の院、そして東京の町並みが広く見下ろせる。しかし風が冷たい。あずまやを風除けにしつつ、日のあたる場所で休憩する。

今日は4年ぶりに、大塚山下の鉄五郎新道を下り、満開のイワウチワを見たい。芥場峠を経由する行き方もあるが、ロックガーデン(岩石園)に寄ってから行くことにした。
ロックガーデンへは高度をかなり下げてしまう。一部補助ロープのついた急降下の道だ。順路とはいえ、苦労して上高岩山に登ったのにもったいない。
ロックガーデンは春未だしといった雰囲気だが、よく目をこらすと沢沿いにハナネコノメやヨゴレネコノメ、ユリワサビなど小さな花が咲き始めていた。この辺まで来ると、軽装の人が多く歩いている。
御岳山へは緩い登り坂で、これも咲き始めのスミレを何箇所かで認める。結構な混雑の御岳山神社(929m)を越えて、富士峰園地に足を伸ばす。カタクリもこれまた咲き始めでまだ花が初々しい。
ベンチで休んでいると、何と多摩のハイカーさんが歩いてきてびっくり。鉄五郎新道を登ってきたという。イワウチワは満開とのこと。一緒にベンチでお昼にした。


御岳山門前町

カタクリ

イワウチワ群落

大塚山(921m)の頂上を踏み、すぐ下にある電波塔の脇から踏み跡を下っていく。鉄五郎新道を下るのは初めてだ。
広沢山(848m)には簡単な山名板がつけられていた。植林の多い道から、急な岩場下りに転じる。前方の地面にピンク色の一角が除く。イワウチワは遠くからそれとわかるほどの群落になっていた。
鉄五郎新道のイワウチワは、下部と上部の2箇所ある。今日はどちらかというと満開の下部が目当てだったが、上のほうもかなりの咲きっぷりである。自然林の急斜面には日差しがいっぱいに降り注ぎ、明るい中でイワウチワが見られる。歩く人も年を追うごとに増えてきているようだ。

そしてさらに下っていき、下部の大群落に出会う。斜面がピンク色、白色のイワウチワで埋め尽くされている。今まで見た中でやはり一番の満開であった。
一方、金比羅神社のヒカゲツツジはまだ咲き始めたばかりで、花数は少ない。神社の手入れをしている人がいたので、あまり奥まで入れなかった。

このまま古里駅に下るのが普通だが、金比羅神社からはもう1本、バットレスキャンプ場を経て鳩ノ巣駅に下るコースがある。今日はそれをたどってみる。
踏み跡は若干薄い。藪っぽい急斜面を下っていくと、ほどなく沢に下り立つ。向こう岸に林道のようなものが見えるので、沢を渡りそれを下っていく。しかし林道と思われた道はすぐにロープで通せんぼしていて、なんか様子がおかしい。すぐ先にキャンプ場らしきものが見えるので、そのままロープをまたいで入っていった。
小屋から人が出てきた。「何ですか?ここは私有地だから入ってはいけませんよ」意外な言葉だ。これはバットレスコースではなかったのか。
しかし今更引き返すのはつらかったので、下山してきた旨を話してそのまま通過させてもらった。簡易舗装の林道に上がるとバットレスキャンプ場からの道が合流してきた。さっきの見たのはまた別のキャンプ場だったようだ。今は私有地となっているのか。

鳩ノ巣城山からの下山道を合わせ、鳩ノ巣駅へ下る。駅前の桜は開花したばかりのよう。奥多摩の本格的な春はこれからである。


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