~春にはイワウチワ咲く尾根~ おおだけさん いどさわおね 2007年3月10日(土)曇りのち晴 7:45白丸駅-8:00海沢橋-9:15海沢園地9:25-9:45井戸沢尾根取り付き-10:35・930m峰-11:20トバノ岩山11:35-11:55中岩山-12:17鋸山(天地山)-13:15天聖神社13:25-14:00愛宕神社-14:20奥多摩駅 歩行時間:5時間50分 |
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海沢から大岳山へのコースは3度目で、今回は隣りの井戸沢尾根を登ってみる。海沢から大岳山付近に至る尾根は何本かあり(一般登山道は少ない)、井戸沢尾根はそのひとつである。 青梅線白丸駅から青梅街道を奥多摩駅方面に進む。海沢橋が新しく大きくなった。そういえば前回(2003年)はここ一帯は工事中だった。 水産試験場沿いの舗装道路に入る。このへんは今橋脚や道路工事の真っ最中だ。水産試験場の向かいの斜面はカタクリが咲くのだが、工事の関係で大きな青いビニールシートがかけられている。工事が終わったらこの斜面はなくなってしまいそうだ。ここは今の時期楽しみにしていたのに残念である。 そのすぐ先にアズマイチゲが少し残っていたのがせめてもの幸い。ただしまだ朝早いので、花(がく片)は閉じられていた。
上坂~奥多摩霊園方面の道を分けて海沢林道に入る。アメリカキャンプ村を過ぎ、右下に水の流れを見ながら淡々と進む。 ふと左を見ると、まだ日が差さず薄暗い中にマンサクの黄色い花が光っていた。他に咲き出したばかりのフサザクラを見るが、全体的に木の花の咲き具合は、来る前に想像していたよりも遅れている印象だ。 白丸駅から1時間半、ようやく海沢園地に着く。指導標が2本立っている。大岳山を示す新しいものと、三ツ釜の滝方面に導く手書きのものだ。滝沿いの道を通らずに大岳山への登りに入れる道があるようである。 滝方面に進む。沢沿いの道はまだ寒々しい。上部から見る三ツ釜の滝は、釜が何段にも重なっていてなかなか面白い構図である。
指導標のある三叉路でネジレの滝方面には進まず右の道に入ると、また三叉路となりここにも指導標が立つ。ここでは右の海沢方面へ引き返すように進む。この道はおそらく、さきほどの海沢園地で見た新しい指導標からのコースと通じているのだろう。 しばらく行くと、正面の尾根に薄い踏み跡がついている。これが井戸沢尾根の取り付きだ。しばしの急登ののち 落ち葉で敷き詰められた平坦地に出る。立ち木のテープに従い、すぐ右上の尾根に上がるとそこからは岩稜を交えた急登が続く。 リョウブなどの常緑樹が多いヤセ尾根で、右(北西)側は鋭く切れ落ちている。時折ヤブがちにもなるが迷うような地形ではない。 標高830m付近で南西方向から、若干南寄りに進路を変える。平坦地になると足元にイワウチワの葉が目立ち始める。表は茶色、裏が緑色の小さな丸い葉である。 田中澄江著「花の百名山」では大岳山はイワウチワの山として取り上げられている。 少し登りがあり930mピークを越すと、しばらくは平坦で歩きやすくなる。しかしそれも長続きはせず、ほどなく直登ぎみのきつい登りとなる。左の斜面は檜の植林である。 標高を上げると次第に、うっすらと雪が現れる。今朝青梅線から見た奥多摩の山々は、高いところは雲がかかっていたので、たぶん明け方少し降っていたのだろう。 きつい登りがついえ、正面にようやく鋸尾根の稜線、左に大岳山が見えてくる。ここから見る大岳山は三角おにぎりのように尖っている。 再びイワウチワの葉を見る。今度はかなりの密集度である。まだ花期には早いが、4月頭あたりになると結構な群落になろう。 目の前のピークを越えるともうひとつまたピークが、その繰り返しをするうち、ようやくこのへんで一番高いと思われる場所に出た。山名板も何もない場所であるがここが井戸沢尾根の終点、トバノ岩山(1158m)であろう。コナラに囲まれた地味な山頂である。 このすぐ下は大岳山から来ている鋸尾根で、時折登山者の足音が聞こえてくる。トバノ岩山は一般登山道から少し離れており、しかも西半分を植林で目隠しされているので、それは静かな雰囲気である。
鋸尾根は芽吹きはまだまだ先だが、気持ちのいい稜線である。少し下ると雪もほとんど消える。 どんどん高度を落としていき、大ダワ~御前山への道を分けると再び急な登りとなる。着いた鋸山頂上(天地山と呼ぶこともある)はトバノ岩山とそう変わらない標高1109m。ここから仕切り直しの下山となる。 なおも下っていくと石に囲まれた三等三角点標石があるが、これは「天地山三角点」と呼ぶそうだ。さらにさっきの鋸山から北東に続く尾根に入っていく(まだ行ったことはない)と標高981mのマイナーピークに至るそうだが、紛らわしいことにそれも天地山と言うらしい。天地山はどこを指すのか諸説あって混乱する。 鋸尾根をさらに下ると見晴らしの良い岩場に出る。イワウチワの葉がびっしりと付いている。花が咲いているか探してみたがまだまだのようだ。鎖場を避け右手の道をとる。ロープや鉄階段を使いながら岩尾根を上り下りする。 再び開けた場所に出たところが天聖神社。その後奥多摩の町並みを見ながらやがて林道に下りる。 前回はここ登計峠から登計集落への道に入ったが、今日は愛宕神社経由で奥多摩駅に下りる。こちらのほうが距離は短い。 愛宕神社の裏手に出ると五重ノ塔がある。そしてその先に急な長い石段が待っている。ここは雪が降って凍りつきでもしたら、登りも下りも難儀するであろう。そうでなくても長い鋸尾根を下ってきた最後がこの急な階段なので、足にかなり応えるのだ。転落しないように慎重に下りる。 昭和橋を渡って奥多摩駅に着く。駅から駅へのハイキングだった。 |